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本編
⒎デューク①
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不幸自慢をしたい訳はではないが
自分の幼少時代は、そこそこ不運だった。
両親ともクズで、嫌な事があって酒に酔った際は
躾だと言いながら、鞭で私の事を容赦なくたたく。
声を出せば興奮するのか叩かれる時間が長くなるので
私は体を丸めて無言で飽きるまでやり過ごしていた。
それでもアイツらは殆ど家にいなかったし、
食べるものもあいつらの残した物を取っておけば
なんとかやり過ごせた。
だが不覚にも一度だけ栄養失調で倒れてしまった。
夏場で食料が腐りやすく食料を備蓄出来なかったのだ。
その時に何かあったら面倒くさいと分かったのか。
私を親戚や知り合いの所にたらい回しの様に預けたのだ。
どちらかと言えば、私は活発な方であったが
少しでも家にいられる様に私は外面をとり作った。
可能であれば成人になるまで、たらい回しにされても
何処かで世話になった方が良いのだが
恐らくそれは無理であろう。
せめて年齢を偽ってもバレない仕事につける程度までは何とかしないと
いきなり犯罪に手を染めなければならない。
一度でも犯罪に手を染めれば
その後にまともなカタギの仕事につけない
まあ裏の道で登り詰めれば良い話だが。
だがそこから私の人生は、
私の予想していない方向に意外にも一転した。
今の義理の両親に引き取られたのだ。
私の正直な感想は世の中良い人間もいるのだなの一点につきた。
義理の両親は決して私を甘やかさず、だが決して虐げずに
自分の実の娘と平等に扱ってくれた。
その娘も百歩譲って天使だった。
貴族の娘なので多少高慢な口調はあったが
貴族としての責任感故にくる物だと分かるとより愛おしい。
今まで預けられた家の子供達と違い私を決して蔑まなかった。
照れながらも私をお義兄様と呼んでくれた時は昇天する一歩手前だった。
見た目も天使。
ルシエルを表現するならばまさに天使。
髪色は思い銀色の私と違い、輝く様な白銀
瞳の色も蒼と言うより薄く水色の瞳の色。
これまでの人生は彼女に会うための代償だったのか。
だとしたら、かなり安く済ませてくれたものだ
彼女のその容姿は王族の目にとまり
ハーレック王子の婚約者に選ばれた。
欲を出してはいけない、せめて彼女の力になろう
私は魔法の才能が人よりあった様でその才能を伸ばす事にした。
魔術師と言われる人間は変人が多く
私の師も僻地と呼ばれる地の塔にすんでおり
私もその塔での修業する事を余儀なくされた。
必死に私は努力して功績を上げて王国筆頭魔術師の地位も与えられた。
私がやっとの思いで王都に帰って来た時には
私の知っている天使はいなかった。
まるで周りに近づくものを威嚇する様に派手な化粧と衣装
高慢な態度で家の若い使用人にあたり首にした様だ。
私は義兄としてそのメイドに謝りに行った。
彼女は意外にも全く義妹を恨んで無かった。
むしろ彼女をそんな風にした人間に憤慨していた。
聞けば王城で義妹に対して、お前のせいで母親が子供が産めなくなったと。
お前のせいで義兄の私が嫌嫌養子にきたのだと。
そう義妹を罵った伯爵家の娘がいたらしい。
義妹はその場でその女に手をあげてしまったのだ。
爵位的には我が家の方が上であったし向こうにも非があった為、
対外的にはお咎めは無かった。
だがむしろ王城内に残った義妹は
針のむしろの様な状況に追い込まれた。
まるで裏で誰かに操られている様に。
不自然なほど陰湿に徹底的に嫌がらせをされた。
ちなみにそのメイドは
父と母に謝れ他家への紹介状を書いて貰い
待遇が良くなった位だと言っていた。
もう義妹は、善意も悪意も分からずに自分に口を出す人間は
全員的に見えてしまっている様だ。
何て理不尽な世の中なのだ。
そして聖女リリーナの毒殺未遂事件が起こったのだ。
自分の幼少時代は、そこそこ不運だった。
両親ともクズで、嫌な事があって酒に酔った際は
躾だと言いながら、鞭で私の事を容赦なくたたく。
声を出せば興奮するのか叩かれる時間が長くなるので
私は体を丸めて無言で飽きるまでやり過ごしていた。
それでもアイツらは殆ど家にいなかったし、
食べるものもあいつらの残した物を取っておけば
なんとかやり過ごせた。
だが不覚にも一度だけ栄養失調で倒れてしまった。
夏場で食料が腐りやすく食料を備蓄出来なかったのだ。
その時に何かあったら面倒くさいと分かったのか。
私を親戚や知り合いの所にたらい回しの様に預けたのだ。
どちらかと言えば、私は活発な方であったが
少しでも家にいられる様に私は外面をとり作った。
可能であれば成人になるまで、たらい回しにされても
何処かで世話になった方が良いのだが
恐らくそれは無理であろう。
せめて年齢を偽ってもバレない仕事につける程度までは何とかしないと
いきなり犯罪に手を染めなければならない。
一度でも犯罪に手を染めれば
その後にまともなカタギの仕事につけない
まあ裏の道で登り詰めれば良い話だが。
だがそこから私の人生は、
私の予想していない方向に意外にも一転した。
今の義理の両親に引き取られたのだ。
私の正直な感想は世の中良い人間もいるのだなの一点につきた。
義理の両親は決して私を甘やかさず、だが決して虐げずに
自分の実の娘と平等に扱ってくれた。
その娘も百歩譲って天使だった。
貴族の娘なので多少高慢な口調はあったが
貴族としての責任感故にくる物だと分かるとより愛おしい。
今まで預けられた家の子供達と違い私を決して蔑まなかった。
照れながらも私をお義兄様と呼んでくれた時は昇天する一歩手前だった。
見た目も天使。
ルシエルを表現するならばまさに天使。
髪色は思い銀色の私と違い、輝く様な白銀
瞳の色も蒼と言うより薄く水色の瞳の色。
これまでの人生は彼女に会うための代償だったのか。
だとしたら、かなり安く済ませてくれたものだ
彼女のその容姿は王族の目にとまり
ハーレック王子の婚約者に選ばれた。
欲を出してはいけない、せめて彼女の力になろう
私は魔法の才能が人よりあった様でその才能を伸ばす事にした。
魔術師と言われる人間は変人が多く
私の師も僻地と呼ばれる地の塔にすんでおり
私もその塔での修業する事を余儀なくされた。
必死に私は努力して功績を上げて王国筆頭魔術師の地位も与えられた。
私がやっとの思いで王都に帰って来た時には
私の知っている天使はいなかった。
まるで周りに近づくものを威嚇する様に派手な化粧と衣装
高慢な態度で家の若い使用人にあたり首にした様だ。
私は義兄としてそのメイドに謝りに行った。
彼女は意外にも全く義妹を恨んで無かった。
むしろ彼女をそんな風にした人間に憤慨していた。
聞けば王城で義妹に対して、お前のせいで母親が子供が産めなくなったと。
お前のせいで義兄の私が嫌嫌養子にきたのだと。
そう義妹を罵った伯爵家の娘がいたらしい。
義妹はその場でその女に手をあげてしまったのだ。
爵位的には我が家の方が上であったし向こうにも非があった為、
対外的にはお咎めは無かった。
だがむしろ王城内に残った義妹は
針のむしろの様な状況に追い込まれた。
まるで裏で誰かに操られている様に。
不自然なほど陰湿に徹底的に嫌がらせをされた。
ちなみにそのメイドは
父と母に謝れ他家への紹介状を書いて貰い
待遇が良くなった位だと言っていた。
もう義妹は、善意も悪意も分からずに自分に口を出す人間は
全員的に見えてしまっている様だ。
何て理不尽な世の中なのだ。
そして聖女リリーナの毒殺未遂事件が起こったのだ。
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