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一章
12話 合流
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そこからしばらく行くとふと人の気配を感じた。
「誰っ!?」
本来は声を出さず、隠れるのが一番いいはずなのだが俺はそれすら忘れて問いかけた。
しかし、この場に関してはそれが正解だったのかもしれない。
「ライ様!?それにヌイ様も…」
「ライ様!ヌイ様もご無事でしたか!!」
「ヤナ、リーアク!?」
服は煤けて汚れていたが怪我等はしていなさそうであった。
「よかった。無事だったんだね!!」
「ライ様とヌイ様こそ…ヌイ様?」
ヌイがさっきから目を覚まさないことが気になったのかヤナはヌイに声をかけた。
「…ヌイは今寝てるんだ。流石に辛かったみたいで」
「なるほど、仕方ありませんね」
その説明でヤナはあっさりと理解してしまった。
ヤナを騙してしまったことに少し罪悪感を感じながらも俺は続ける。
「この後はどうしようか」
「そうですね、では…長い道のりではありますが別宅へ向かいましょう」
「私もそれがいいと思います」
「別宅?」
ヤナとリーアクは頷いているが俺はよく分からなかった。別宅なんてあったのか。
「はい。旦那様と奥様はもちろんですが私とリーアク、それにシャオンまでしか教えられていない山奥の家のことでございます。あそこならば人はほとんど来ないでしょうし、現時点では最も安全が確保しやすい隠れ家だと考えます」
「わかった。じゃあ、僕は場所が分からないから案内よろしくね」
「承知いたしました」
すぐさま立ち上がると俺達はヤナの案内で別宅へ向かった。
リーアクにバッグを担いでもらい、俺はヌイを背負って走る。
悪路を必死に走っていくが向こうの方が早く、もう後ろから追っ手の声が、気配がする。
「くっ、このままだと追いつかれてしまいます!!」
「…ヤナ、ヌイを頼む」
俺が走りながらヤナに頼み込むとヤナは振り返った。
「ライ様?何をするおつもりですか!?」
「追っ手を殺すだけだよ。安心して」
「…少し”撒く”という言葉のニュアンスが違った気がするのですが」
「気のせいじゃない?三カウント後に俺が追っ手を相手に戦うからその隙に逃げて。できるだけ遠くへ。いいね?」
「は、はい…本当に、こっちは旦那様そっくり」
「そりゃ嬉しいね。じゃあ、いくよ?…三、二、一!!」
零は言わなかった。
俺はヤナにヌイを託すと身を翻して追っ手へと飛びかかった。
「セイっ!」
「ぐぁぁぁっ!?」
いきなり斬られるとは思わなかったのか、追っ手は咄嗟に動けなかった。
その隙をつき、袈裟懸けに剣を振り下ろす。
息の根を確実に止めると次へ飛びかかる。
最初の一撃は防がれたがそのままの勢いで第二撃目、第三撃目と続けていく。
そして相手が疲労し、隙を見せた瞬間に勝負を決める。
それを唯ひたすら繰り返していった。
「誰っ!?」
本来は声を出さず、隠れるのが一番いいはずなのだが俺はそれすら忘れて問いかけた。
しかし、この場に関してはそれが正解だったのかもしれない。
「ライ様!?それにヌイ様も…」
「ライ様!ヌイ様もご無事でしたか!!」
「ヤナ、リーアク!?」
服は煤けて汚れていたが怪我等はしていなさそうであった。
「よかった。無事だったんだね!!」
「ライ様とヌイ様こそ…ヌイ様?」
ヌイがさっきから目を覚まさないことが気になったのかヤナはヌイに声をかけた。
「…ヌイは今寝てるんだ。流石に辛かったみたいで」
「なるほど、仕方ありませんね」
その説明でヤナはあっさりと理解してしまった。
ヤナを騙してしまったことに少し罪悪感を感じながらも俺は続ける。
「この後はどうしようか」
「そうですね、では…長い道のりではありますが別宅へ向かいましょう」
「私もそれがいいと思います」
「別宅?」
ヤナとリーアクは頷いているが俺はよく分からなかった。別宅なんてあったのか。
「はい。旦那様と奥様はもちろんですが私とリーアク、それにシャオンまでしか教えられていない山奥の家のことでございます。あそこならば人はほとんど来ないでしょうし、現時点では最も安全が確保しやすい隠れ家だと考えます」
「わかった。じゃあ、僕は場所が分からないから案内よろしくね」
「承知いたしました」
すぐさま立ち上がると俺達はヤナの案内で別宅へ向かった。
リーアクにバッグを担いでもらい、俺はヌイを背負って走る。
悪路を必死に走っていくが向こうの方が早く、もう後ろから追っ手の声が、気配がする。
「くっ、このままだと追いつかれてしまいます!!」
「…ヤナ、ヌイを頼む」
俺が走りながらヤナに頼み込むとヤナは振り返った。
「ライ様?何をするおつもりですか!?」
「追っ手を殺すだけだよ。安心して」
「…少し”撒く”という言葉のニュアンスが違った気がするのですが」
「気のせいじゃない?三カウント後に俺が追っ手を相手に戦うからその隙に逃げて。できるだけ遠くへ。いいね?」
「は、はい…本当に、こっちは旦那様そっくり」
「そりゃ嬉しいね。じゃあ、いくよ?…三、二、一!!」
零は言わなかった。
俺はヤナにヌイを託すと身を翻して追っ手へと飛びかかった。
「セイっ!」
「ぐぁぁぁっ!?」
いきなり斬られるとは思わなかったのか、追っ手は咄嗟に動けなかった。
その隙をつき、袈裟懸けに剣を振り下ろす。
息の根を確実に止めると次へ飛びかかる。
最初の一撃は防がれたがそのままの勢いで第二撃目、第三撃目と続けていく。
そして相手が疲労し、隙を見せた瞬間に勝負を決める。
それを唯ひたすら繰り返していった。
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