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一章
2話 魔法
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「はううう…疲れました…」
どうやら魔力切れらしい。
魔法は使用の代償として魔力を消費する。
どうやら身体の中に循環している魔力には限りがあるため一度にたくさんの魔法を使うと体力切れのような疲労感に襲われるらしい。
お疲れ様ですといった意味をこめて俺の隣にぐでーんと横たわったシャオンの頭をポンポンと撫でる。
「ふぁぁぁぁ…」
シャオンは大きく口を開けて欠伸をした。
そしてそのまま俺の隣で寝始めた。
(後で怒られても知らんぞ…)
俺は溜息をついて立つ練習を再開した。
5分後、シャオンを探しにきたメイド長のヤナさんに引き摺られていくシャオンの姿があったとか。
閑話休題。
最初は体が思い通りに動かなかった俺も今ではだいぶ歩けるようになってきた。
普通の赤子より幾ばくか早く成長出来ているのだろう。一応喋ろうと思えば喋れるし。
さて、じゃあ次は…。
__________________________
あの方…ライ様は随分と不思議なお方だと私、ヤナ=クロイツェンは思っています。
何故ならまだ1歳になっていないというのにこちらの言葉をまるで理解している様な言動をとるのです。
その事をシャオンに話すと笑って
「ライ様はすごいお方ですから。きっと大きくなったらとんでもないことをなさる気がします」
と言っていた。
「私は今からライ様の将来が楽しみです」
「…そうですね。あの方が何になるのか…私も楽しみです」
私達はふふっと笑うと、
「…それはそれとして、あなたがライ様の隣で寝ていたのは私の職務上罰を与えなきゃいけないのですが…言い訳は?」
「ええ!?」
「ないようなのであなたはこれから屋敷内の全トイレ掃除を命じます」
「そ、そんな!このお屋敷にトイレが幾つあると…」
私は更ににこりと笑って続ける。
「いいから今すぐ取り掛かりなさい。いいですね?」
「はい!」
シャオンは体を震わせながら全力で廊下を走っていった。
「廊下は走らず静かに歩く!!」
「はぁぁい!!」
シャオンに掃除をさせているうちにライ様の様子を見ようとお部屋に向かうと反対側から執事服を着た男が向かってくるのに気がつく。
「あ、リーアク」
「ヤナさん。ヤナさんもライ様の様子を?」
「ええ。リーアクもですか?」
私がそう尋ねるとリーアク=シェルトは頷く。
彼はこの家の料理人兼ライ様の世話係であり、彼の作る料理は非常に好評なのである。
ライ様の部屋の扉をノックして私達は部屋の中へと入った。
そして、有り得ないものを見た。
どうやら魔力切れらしい。
魔法は使用の代償として魔力を消費する。
どうやら身体の中に循環している魔力には限りがあるため一度にたくさんの魔法を使うと体力切れのような疲労感に襲われるらしい。
お疲れ様ですといった意味をこめて俺の隣にぐでーんと横たわったシャオンの頭をポンポンと撫でる。
「ふぁぁぁぁ…」
シャオンは大きく口を開けて欠伸をした。
そしてそのまま俺の隣で寝始めた。
(後で怒られても知らんぞ…)
俺は溜息をついて立つ練習を再開した。
5分後、シャオンを探しにきたメイド長のヤナさんに引き摺られていくシャオンの姿があったとか。
閑話休題。
最初は体が思い通りに動かなかった俺も今ではだいぶ歩けるようになってきた。
普通の赤子より幾ばくか早く成長出来ているのだろう。一応喋ろうと思えば喋れるし。
さて、じゃあ次は…。
__________________________
あの方…ライ様は随分と不思議なお方だと私、ヤナ=クロイツェンは思っています。
何故ならまだ1歳になっていないというのにこちらの言葉をまるで理解している様な言動をとるのです。
その事をシャオンに話すと笑って
「ライ様はすごいお方ですから。きっと大きくなったらとんでもないことをなさる気がします」
と言っていた。
「私は今からライ様の将来が楽しみです」
「…そうですね。あの方が何になるのか…私も楽しみです」
私達はふふっと笑うと、
「…それはそれとして、あなたがライ様の隣で寝ていたのは私の職務上罰を与えなきゃいけないのですが…言い訳は?」
「ええ!?」
「ないようなのであなたはこれから屋敷内の全トイレ掃除を命じます」
「そ、そんな!このお屋敷にトイレが幾つあると…」
私は更ににこりと笑って続ける。
「いいから今すぐ取り掛かりなさい。いいですね?」
「はい!」
シャオンは体を震わせながら全力で廊下を走っていった。
「廊下は走らず静かに歩く!!」
「はぁぁい!!」
シャオンに掃除をさせているうちにライ様の様子を見ようとお部屋に向かうと反対側から執事服を着た男が向かってくるのに気がつく。
「あ、リーアク」
「ヤナさん。ヤナさんもライ様の様子を?」
「ええ。リーアクもですか?」
私がそう尋ねるとリーアク=シェルトは頷く。
彼はこの家の料理人兼ライ様の世話係であり、彼の作る料理は非常に好評なのである。
ライ様の部屋の扉をノックして私達は部屋の中へと入った。
そして、有り得ないものを見た。
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