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ハイデッカー公爵の苦難
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時は遡りバウワーとミアがヘグネの谷で激突していた頃、ドイエベルンの王都ベルンで一人の男が鬱憤をためていた。
ベルンの城は外郭に城民たちが住み、内郭に貴族や王族が住む二重構造である。
その内郭でももっとも王城に近い場所に屋敷を構え、その男は日々上がってくる領地の陳情などに目を通していた。
もっとも、その男は元来内務に向いている男ではないことは、服の上からでもわかる鍛え上げられた体躯を見れば一目瞭然であった。額にも青筋が浮かんでおり、明らかにストレスが溜まっていることは明白であった。
その男---フランツ・ビルフェルト・ハイデッカー公爵は自ら進んで自宅に蟄居していた。表向きの理由は病状に付しているためだったが(親友のクリスが聞けば幽霊が出たという方がまだ信用できると一笑に付したであろうが)、本当の理由はペルセウス侯爵の政策に異を唱えているためであった。
その日も領地経営の書類に決裁の判を押し終えたフランツはふーっと一息ついた。そのタイミングを見計らって、長年ハイデッカー家に仕える執事サザラは主人のためにハーブの香りのするお茶を出した。
「サザラ、俺はクリスが羨ましい」
フランツは天井を見上げながら、横で控えるサザラに話しかけた。
「ほう? それは如何様な理由でしょうか?」
「決まっている。あいつは今、殿下の下で存分に力を発揮している。自らの武で敵を払い、刺激的な日々を送っている。それなのに俺を見ろ。こんなところに籠ってちまちまと書類仕事しかやることがない。剣の腕が鈍ってしまうわ」
「なるほど? であるならば、フランツ様しかできないことをすべきではないですか?」
フランツは怪訝な顔をした。
「俺しかできないことだと?」
「左様でございます。フランツ様は『公爵』ですぞ? 今この場にあってもできることなど山ほどありますでしょう?」
フランツは椅子に深く腰掛け直して、鼻からふーっと深く息をはいた。
「俺にこの城の中から切り崩せということか?」
「お嫌なので?」
「嫌というわけではないが......そういうことは向いていない。得意なのはクリスのやつだ」
「おや、嘆かわしい」
サザラはそう言ってハンカチを出しながらおいおいと泣き真似をし始めた。
「クリス様を含め、多くの方々は自分たちができることを最大限成し遂げるために、おのが力を尽くしているのに、我が主人はよりにもよって好き嫌いで全力を出さないとは。先代も草葉の陰で嘆いておられましょう」
その様子を見てフランツは露骨に嫌そうな顔をした。はあっとため息をついて、再度天井を見上げた。
「わかったわかった。その茶番はやめろ。俺もこのままではいかんと思っているさ。とりあえず今王都にいる貴族で中立を表明しているものをリストアップしてくれ」
言われてサザラが泣き真似をやめて、かしこまりましたと恭しく礼をしたその時であった。
「ご主人様! 大変です! 大変な方が!」
屋敷のメイド長が慌ててフランツの部屋に飛び込んできた。普段粛々と仕事を行う彼女にしては珍しい慌てようである。これはただ事ではないと、サザラが事情を聞こうとしたその時であった。
「ほう? 病状だと聞いていたが、随分と元気そうじゃないか?」
現れた男、いや男たちを見てこの執事にしては珍しきことだが、サザラは飛び上がった。それもそのはず、目の前に立っている男はこの国でもっとも高貴な身分、ドイエベルン国王ドネル・オーランド・グレイス・ロンバルトその人であったからだ。
後ろにペルセウス侯爵を従え、餓えた獣のような鋭い眼光で、フランツを真っ向から見据えていた。
「陛下!?」
流石にこの来客は予想外だったのか、フランツもすぐに椅子から立ち上がり、急いでやってきてドネルの前に膝まづいた。控えるサザラとメイド長も、自分たちの主の姿にすぐに習った。
ドネルは自分の目の前で頭を垂れるフランツをつまらなさそうに見下ろしていた。まるで今襲い掛かって来れば楽しいものをと言わんばかりの眼だった。
フランツも動揺を、頭を下げることですぐに押し隠して、ドネルに挨拶の口上を述べた。
「はっ。陛下もご健勝でなりよりです。自分も暇をいただき平癒に務めることができましたので、ここからまた自分の遅れを取り戻し、陛下への忠義を示したいと存じております。陛下におかれましてはなぜ急に私の屋敷なぞへ足を運んでいただけたのか。お呼びいただければすぐにでもまいったものを」
そのあからさまな嘘にも、ドネルは動じることがなかった。首をごきりと鳴らし、ただ淡々と用件だけを伝えることにした。
「インペリアル帝国とポーレン公国に援軍を頼んだ。協力の報酬はミッテラン公爵の領土すべてだ。止めたくばお前がミアを倒せ」
フランツは言われて口をあんぐりと開けた。あまりにめちゃくちゃな話に何を言われているのか一瞬分からなかったのだ。
ドネルは言いたいことを告げると、くるりと踵を返し、部屋から出て行ってしまった。ペルセウスもそれに合わせるように、一つぺこりと頭を下げると、ドネルに付いていった。
後には膝まづいたままの、フランツとサザラとメイド長が残された。
サザラは大変なことになったと、いち早く顔を上げて、ショックを受けているだろう主の元へと駆け寄った。
「ひっ!?」
しかしそこで見た主の顔は、あまりのことに途方に暮れる顔ではなく、この世の全てを燃やし尽くそうとする『炎鷹』と呼ばれた戦士の怒りの顔であった。
フランツは黙ったまますくっと立ち上がると、サザラのことを見ずに口を開いた。
「サザラ、すぐに馬を用意しろ」
「は......はっは! もしや出陣なさるので? 殿下を討ちに?」
「わからん。だがそれは後だ。それよりも行かなければいけないところがある」
そう言ってフランツは部屋を飛び出した。長い間屋敷に閉じ込められた、迅速果断をもって知られた男が動き出したのだ。
ベルンの城は外郭に城民たちが住み、内郭に貴族や王族が住む二重構造である。
その内郭でももっとも王城に近い場所に屋敷を構え、その男は日々上がってくる領地の陳情などに目を通していた。
もっとも、その男は元来内務に向いている男ではないことは、服の上からでもわかる鍛え上げられた体躯を見れば一目瞭然であった。額にも青筋が浮かんでおり、明らかにストレスが溜まっていることは明白であった。
その男---フランツ・ビルフェルト・ハイデッカー公爵は自ら進んで自宅に蟄居していた。表向きの理由は病状に付しているためだったが(親友のクリスが聞けば幽霊が出たという方がまだ信用できると一笑に付したであろうが)、本当の理由はペルセウス侯爵の政策に異を唱えているためであった。
その日も領地経営の書類に決裁の判を押し終えたフランツはふーっと一息ついた。そのタイミングを見計らって、長年ハイデッカー家に仕える執事サザラは主人のためにハーブの香りのするお茶を出した。
「サザラ、俺はクリスが羨ましい」
フランツは天井を見上げながら、横で控えるサザラに話しかけた。
「ほう? それは如何様な理由でしょうか?」
「決まっている。あいつは今、殿下の下で存分に力を発揮している。自らの武で敵を払い、刺激的な日々を送っている。それなのに俺を見ろ。こんなところに籠ってちまちまと書類仕事しかやることがない。剣の腕が鈍ってしまうわ」
「なるほど? であるならば、フランツ様しかできないことをすべきではないですか?」
フランツは怪訝な顔をした。
「俺しかできないことだと?」
「左様でございます。フランツ様は『公爵』ですぞ? 今この場にあってもできることなど山ほどありますでしょう?」
フランツは椅子に深く腰掛け直して、鼻からふーっと深く息をはいた。
「俺にこの城の中から切り崩せということか?」
「お嫌なので?」
「嫌というわけではないが......そういうことは向いていない。得意なのはクリスのやつだ」
「おや、嘆かわしい」
サザラはそう言ってハンカチを出しながらおいおいと泣き真似をし始めた。
「クリス様を含め、多くの方々は自分たちができることを最大限成し遂げるために、おのが力を尽くしているのに、我が主人はよりにもよって好き嫌いで全力を出さないとは。先代も草葉の陰で嘆いておられましょう」
その様子を見てフランツは露骨に嫌そうな顔をした。はあっとため息をついて、再度天井を見上げた。
「わかったわかった。その茶番はやめろ。俺もこのままではいかんと思っているさ。とりあえず今王都にいる貴族で中立を表明しているものをリストアップしてくれ」
言われてサザラが泣き真似をやめて、かしこまりましたと恭しく礼をしたその時であった。
「ご主人様! 大変です! 大変な方が!」
屋敷のメイド長が慌ててフランツの部屋に飛び込んできた。普段粛々と仕事を行う彼女にしては珍しい慌てようである。これはただ事ではないと、サザラが事情を聞こうとしたその時であった。
「ほう? 病状だと聞いていたが、随分と元気そうじゃないか?」
現れた男、いや男たちを見てこの執事にしては珍しきことだが、サザラは飛び上がった。それもそのはず、目の前に立っている男はこの国でもっとも高貴な身分、ドイエベルン国王ドネル・オーランド・グレイス・ロンバルトその人であったからだ。
後ろにペルセウス侯爵を従え、餓えた獣のような鋭い眼光で、フランツを真っ向から見据えていた。
「陛下!?」
流石にこの来客は予想外だったのか、フランツもすぐに椅子から立ち上がり、急いでやってきてドネルの前に膝まづいた。控えるサザラとメイド長も、自分たちの主の姿にすぐに習った。
ドネルは自分の目の前で頭を垂れるフランツをつまらなさそうに見下ろしていた。まるで今襲い掛かって来れば楽しいものをと言わんばかりの眼だった。
フランツも動揺を、頭を下げることですぐに押し隠して、ドネルに挨拶の口上を述べた。
「はっ。陛下もご健勝でなりよりです。自分も暇をいただき平癒に務めることができましたので、ここからまた自分の遅れを取り戻し、陛下への忠義を示したいと存じております。陛下におかれましてはなぜ急に私の屋敷なぞへ足を運んでいただけたのか。お呼びいただければすぐにでもまいったものを」
そのあからさまな嘘にも、ドネルは動じることがなかった。首をごきりと鳴らし、ただ淡々と用件だけを伝えることにした。
「インペリアル帝国とポーレン公国に援軍を頼んだ。協力の報酬はミッテラン公爵の領土すべてだ。止めたくばお前がミアを倒せ」
フランツは言われて口をあんぐりと開けた。あまりにめちゃくちゃな話に何を言われているのか一瞬分からなかったのだ。
ドネルは言いたいことを告げると、くるりと踵を返し、部屋から出て行ってしまった。ペルセウスもそれに合わせるように、一つぺこりと頭を下げると、ドネルに付いていった。
後には膝まづいたままの、フランツとサザラとメイド長が残された。
サザラは大変なことになったと、いち早く顔を上げて、ショックを受けているだろう主の元へと駆け寄った。
「ひっ!?」
しかしそこで見た主の顔は、あまりのことに途方に暮れる顔ではなく、この世の全てを燃やし尽くそうとする『炎鷹』と呼ばれた戦士の怒りの顔であった。
フランツは黙ったまますくっと立ち上がると、サザラのことを見ずに口を開いた。
「サザラ、すぐに馬を用意しろ」
「は......はっは! もしや出陣なさるので? 殿下を討ちに?」
「わからん。だがそれは後だ。それよりも行かなければいけないところがある」
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