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緒戦の戦い方
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レツ達がクリスと合流したのは、レイアを取り返してから五日後のことであった。クリスが引き連れてきた鉄百合団二千と、シリウス公爵の手勢三千、そして協力を申し出た西方の中小領主の手勢が二千、総勢七千がミアの兵力となった。
しかし、彼らの目の前にも軍勢がいた。しかも明らかに数がこちらより多い。総勢一万といったところだろうか。ミアの手勢はみな歴戦の勇士であったが、それでも三千の兵力の差には緊張が走っていた。
軍勢の中心に大きな天幕が一つ。ミアを奥に据え、そこから位順に諸将が並び、目の前の敵の攻略法について、意見を述べていた。
「やはり正攻法ではいきますまい」
「左様。相手は近衛騎士団です。こちらに鉄百合団がいるとはいえ、正面から激突するのは得策ではない」
「しかし、ならばどうする? 策を弄したくとも、周りには小さい森や丘があるのみ。精々百やそこらを伏せさせるのが精いっぱいでしょう」
「ふーむ......」
話し合っているのは先王の下で暴れまわった戦士ばかり。その彼らをして攻めあぐねていた。
「ただ、倒すだけならばいくらでも策はある」
「うむ。だが、近衛騎士団を削るわけにはいかん」
「その通りだ。彼らは国の軍の礎。徒に損なえば、たとえこの戦に勝ったとしても、その先がない」
「おのれペルセウスめ! 近衛騎士団は敵であると同時に人質というわけか!」
彼らの言うように、ドイエベルンにとって近衛騎士団は鉄百合団・紫鷹団と並ぶ国家の最高戦力であった。彼らを失うということは隣国に攻め入る隙を与えるようなものであった。
「......近衛騎士団の何軍が攻めてきたのだ?」
今まで目を閉じて、腕を組み、黙って話を聞いていたミアが初めて口を開いた。その言葉にクリスが目くばせをしたかと思うと、下座で情報をまとめていた鉄百合団の参謀の一人が立ち上がって答えた。
「はっ! 第二軍及び第三軍であります」
「近衛の二と三なら妃殿下派であったはずだ。こちらから呼びかけることはできないのか?」
もっともミアに近い上座に座るシリウス公爵が質問をするも、参謀は首を横に振った。
「いえ。第二軍ミュラー軍団長、第三軍オブスタイン軍団長ともに今は近衛軍団長の任を解かれ、今は首都の屋敷に蟄居させられているとのことです」
「なんと......ペルセウスめ。そこまでやるか......では今率いているのは誰なんだ?」
「は......第二軍はアメリア元歩兵大隊長、第三軍はシーバス元騎兵大隊長が務めております」
「元大隊長? それはまた大した出世だな?」
シリウス公爵が眉をひそめたところで、もっとも末席に座っていたレツが隣のラングに声をかけた。
「そうなのか?」
「ああ、ドイエベルンの近衛兵は総司令官を筆頭に五つの軍団に分けられてる。その下に連隊、大隊、中隊、小隊って具合だ」
「じゃあ、今の軍団長は二階級出世してるわけだ」
「そ、まあよっぽど有能なやつが埋もれてたわけじゃなければ、あらかじめペルセウスと繋がってたのが、これを機に台頭してきたってことだな」
「ふーん......」
烈はラングの話を聞いて、顎に手を当てて何か考え込む素振りを見せた。その間にも会議は進んでいた。居並ぶ将たちが口々に意見を言った。
「戦場を変更してみてはいかがでしょう? このままでは策の施しようがありません」
「ついてくるものかよ。ここさへ守れば我らは先に進むことができんのだからな。それより、別動隊を組織し、迂回して挟み込むのはいかがか?」
「いきなり数が減ればやつらとて気付くだろう。第一、我らの方が数が少ないのにこれ以上数を減らせば各個撃破されかねん」
意見が出ては消えていった。ミアもシリウス公爵もクリスも深く考え込んでいた。勝つことはできても、近衛兵の被害を少なくする秘策が思いつかなかったのだ。
その時である。烈がやおら手を挙げた。
「一つ聞いていいか?」
将たちの眼が一斉に烈へと注がれる。ミアは少し笑って言った。
「いいぞ? 何か思いついたか?」
「いや、その軍隊長二人は仲がいいのかと思ってな?」
「二人の仲か? ふむ考えたことなかったな」
ミアがちらっと鉄百合団の参謀に目線で合図を送ると、参謀は幾分予想外の質問に焦ったように答えた。
「は! 報告によりますと、両将とも共闘の経験はなく性格は合わないとのことです」
「どう合わんのだ?」
ミアが興味深そうに聞いた。参謀は粛々と資料を読み上げた。
「は! 元々第二軍は守備を得意とし、第三軍は突撃を得意とする軍であります。両将も大隊長時代は自軍団の伝統的戦術を得意としていたため、根本的な性格にも反映されており全く馬が合わないとのことです」
「ほう?」
ミアをはじめ、諸将が興味深そうに身を乗り出した。
「さらに、両将とも軍団長になってからこれが初戦ですので、同じ時期に軍団長になったこともあり、相手より先に手柄を挙げんとその張り切りようは凄まじいものがあるようです」
「なるほどな......」
ミアは両肘を机の上に置き、手を組んで考え込むような仕草をした。
「そこに攻略のヒントがあるやもしれんな」
「ちょっといいか、ミア」
「なんだレツ?」
「今の話を聞いて思ったんだが、こういうのはどうだ?」
烈が考えたことを話し始めると、最初大人しく聞いていた将軍たちの顔がみるみる青ざめ始めた。そしてその後、その顔は次々と真っ赤に変わっていった。将軍の一人が大声をあげた。
「ふざけるな! ここにいる方をどなたと心得ておる!」
その意見に他の将軍たちも同調した。
「まったくだ! 『剣姫』や『鉄甲鬼』を退けたからと言って調子に乗りおって!」
「軍の総大将にそのような危険を犯させるなど......」
将軍たちが口々に非難する中、一人まったく違う反応を示すものがいた。
「くっくっくっ......」
ミアであった。男顔負けの体躯が顔を隠し、声を押し殺して笑っていた。だが、それも束の間、次の瞬間には大笑いに変わっていた。
「はぁ~はっはっはっ! 最高だな! レツ!」
「妃殿下。笑い事ではありませんよ?」
「クリス! 固いことを言うな! これこそ妙策というものだ!」
ミアの眼が金色に光始め、爛々と烈を見据えた。
「レツ。一つ質問があるのだがいいか?」
「なんだ?」
烈にはこれから来る質問がなんとなくわかっていた。だからあえて余裕そうな表情を作った。首を少し傾げ、脚を組み、いつでも来いというような表情を作った。それを見てミアも挑戦的ににやりと笑った。
「その作戦、私、シリウス、クリス以外に片方の将の首を取るものが必要だ。誰がそれをやる?」
「俺以外にそれができそうなやつがこの中にいるのならばそいつに任せればいい」
不敵な発言に将の一人ががたんと席を立った。
「こいつ! 言わせておけば! 調子に乗るな!」
「控えろ。モーガン」
ミアに制され、モーガンと言われた男は剣から手を離した。もう少しで机を乗り越えて切りかからんとする勢いであった。ミアは困ったものだと笑いながら再度烈に向き合った。
「レツ、できるのか?」
「知らんよ」
「そうなのか?」
「当たり前だろ? 俺はこの国のことも相手の将のことも何も知らないんだ」
「だが、お前の役目は決死隊に近いぞ? にもかかわらず、この戦の趨勢を決める役割だ」
「かもな? だからミアが決めてくれ」
「私でいいのか?」
「ああ。ミアができるというなら、間違いなくできるさ。ミアも同じだろう?」
最後の烈の問いを、その場に居並ぶ将たちは理解できなかった。ただ、二人だけはにやり笑った。烈とミアにはそれだけで十分であった。
「レツの策でいく!」
諸将の中にはまだ戸惑う者たちもいた。しかし、総司令官がいくというのだ。そこに異を唱えるものはいなかった。ただ「はっ!」という返事だけをし、各自戦の準備にとりかかっていった。
しかし、彼らの目の前にも軍勢がいた。しかも明らかに数がこちらより多い。総勢一万といったところだろうか。ミアの手勢はみな歴戦の勇士であったが、それでも三千の兵力の差には緊張が走っていた。
軍勢の中心に大きな天幕が一つ。ミアを奥に据え、そこから位順に諸将が並び、目の前の敵の攻略法について、意見を述べていた。
「やはり正攻法ではいきますまい」
「左様。相手は近衛騎士団です。こちらに鉄百合団がいるとはいえ、正面から激突するのは得策ではない」
「しかし、ならばどうする? 策を弄したくとも、周りには小さい森や丘があるのみ。精々百やそこらを伏せさせるのが精いっぱいでしょう」
「ふーむ......」
話し合っているのは先王の下で暴れまわった戦士ばかり。その彼らをして攻めあぐねていた。
「ただ、倒すだけならばいくらでも策はある」
「うむ。だが、近衛騎士団を削るわけにはいかん」
「その通りだ。彼らは国の軍の礎。徒に損なえば、たとえこの戦に勝ったとしても、その先がない」
「おのれペルセウスめ! 近衛騎士団は敵であると同時に人質というわけか!」
彼らの言うように、ドイエベルンにとって近衛騎士団は鉄百合団・紫鷹団と並ぶ国家の最高戦力であった。彼らを失うということは隣国に攻め入る隙を与えるようなものであった。
「......近衛騎士団の何軍が攻めてきたのだ?」
今まで目を閉じて、腕を組み、黙って話を聞いていたミアが初めて口を開いた。その言葉にクリスが目くばせをしたかと思うと、下座で情報をまとめていた鉄百合団の参謀の一人が立ち上がって答えた。
「はっ! 第二軍及び第三軍であります」
「近衛の二と三なら妃殿下派であったはずだ。こちらから呼びかけることはできないのか?」
もっともミアに近い上座に座るシリウス公爵が質問をするも、参謀は首を横に振った。
「いえ。第二軍ミュラー軍団長、第三軍オブスタイン軍団長ともに今は近衛軍団長の任を解かれ、今は首都の屋敷に蟄居させられているとのことです」
「なんと......ペルセウスめ。そこまでやるか......では今率いているのは誰なんだ?」
「は......第二軍はアメリア元歩兵大隊長、第三軍はシーバス元騎兵大隊長が務めております」
「元大隊長? それはまた大した出世だな?」
シリウス公爵が眉をひそめたところで、もっとも末席に座っていたレツが隣のラングに声をかけた。
「そうなのか?」
「ああ、ドイエベルンの近衛兵は総司令官を筆頭に五つの軍団に分けられてる。その下に連隊、大隊、中隊、小隊って具合だ」
「じゃあ、今の軍団長は二階級出世してるわけだ」
「そ、まあよっぽど有能なやつが埋もれてたわけじゃなければ、あらかじめペルセウスと繋がってたのが、これを機に台頭してきたってことだな」
「ふーん......」
烈はラングの話を聞いて、顎に手を当てて何か考え込む素振りを見せた。その間にも会議は進んでいた。居並ぶ将たちが口々に意見を言った。
「戦場を変更してみてはいかがでしょう? このままでは策の施しようがありません」
「ついてくるものかよ。ここさへ守れば我らは先に進むことができんのだからな。それより、別動隊を組織し、迂回して挟み込むのはいかがか?」
「いきなり数が減ればやつらとて気付くだろう。第一、我らの方が数が少ないのにこれ以上数を減らせば各個撃破されかねん」
意見が出ては消えていった。ミアもシリウス公爵もクリスも深く考え込んでいた。勝つことはできても、近衛兵の被害を少なくする秘策が思いつかなかったのだ。
その時である。烈がやおら手を挙げた。
「一つ聞いていいか?」
将たちの眼が一斉に烈へと注がれる。ミアは少し笑って言った。
「いいぞ? 何か思いついたか?」
「いや、その軍隊長二人は仲がいいのかと思ってな?」
「二人の仲か? ふむ考えたことなかったな」
ミアがちらっと鉄百合団の参謀に目線で合図を送ると、参謀は幾分予想外の質問に焦ったように答えた。
「は! 報告によりますと、両将とも共闘の経験はなく性格は合わないとのことです」
「どう合わんのだ?」
ミアが興味深そうに聞いた。参謀は粛々と資料を読み上げた。
「は! 元々第二軍は守備を得意とし、第三軍は突撃を得意とする軍であります。両将も大隊長時代は自軍団の伝統的戦術を得意としていたため、根本的な性格にも反映されており全く馬が合わないとのことです」
「ほう?」
ミアをはじめ、諸将が興味深そうに身を乗り出した。
「さらに、両将とも軍団長になってからこれが初戦ですので、同じ時期に軍団長になったこともあり、相手より先に手柄を挙げんとその張り切りようは凄まじいものがあるようです」
「なるほどな......」
ミアは両肘を机の上に置き、手を組んで考え込むような仕草をした。
「そこに攻略のヒントがあるやもしれんな」
「ちょっといいか、ミア」
「なんだレツ?」
「今の話を聞いて思ったんだが、こういうのはどうだ?」
烈が考えたことを話し始めると、最初大人しく聞いていた将軍たちの顔がみるみる青ざめ始めた。そしてその後、その顔は次々と真っ赤に変わっていった。将軍の一人が大声をあげた。
「ふざけるな! ここにいる方をどなたと心得ておる!」
その意見に他の将軍たちも同調した。
「まったくだ! 『剣姫』や『鉄甲鬼』を退けたからと言って調子に乗りおって!」
「軍の総大将にそのような危険を犯させるなど......」
将軍たちが口々に非難する中、一人まったく違う反応を示すものがいた。
「くっくっくっ......」
ミアであった。男顔負けの体躯が顔を隠し、声を押し殺して笑っていた。だが、それも束の間、次の瞬間には大笑いに変わっていた。
「はぁ~はっはっはっ! 最高だな! レツ!」
「妃殿下。笑い事ではありませんよ?」
「クリス! 固いことを言うな! これこそ妙策というものだ!」
ミアの眼が金色に光始め、爛々と烈を見据えた。
「レツ。一つ質問があるのだがいいか?」
「なんだ?」
烈にはこれから来る質問がなんとなくわかっていた。だからあえて余裕そうな表情を作った。首を少し傾げ、脚を組み、いつでも来いというような表情を作った。それを見てミアも挑戦的ににやりと笑った。
「その作戦、私、シリウス、クリス以外に片方の将の首を取るものが必要だ。誰がそれをやる?」
「俺以外にそれができそうなやつがこの中にいるのならばそいつに任せればいい」
不敵な発言に将の一人ががたんと席を立った。
「こいつ! 言わせておけば! 調子に乗るな!」
「控えろ。モーガン」
ミアに制され、モーガンと言われた男は剣から手を離した。もう少しで机を乗り越えて切りかからんとする勢いであった。ミアは困ったものだと笑いながら再度烈に向き合った。
「レツ、できるのか?」
「知らんよ」
「そうなのか?」
「当たり前だろ? 俺はこの国のことも相手の将のことも何も知らないんだ」
「だが、お前の役目は決死隊に近いぞ? にもかかわらず、この戦の趨勢を決める役割だ」
「かもな? だからミアが決めてくれ」
「私でいいのか?」
「ああ。ミアができるというなら、間違いなくできるさ。ミアも同じだろう?」
最後の烈の問いを、その場に居並ぶ将たちは理解できなかった。ただ、二人だけはにやり笑った。烈とミアにはそれだけで十分であった。
「レツの策でいく!」
諸将の中にはまだ戸惑う者たちもいた。しかし、総司令官がいくというのだ。そこに異を唱えるものはいなかった。ただ「はっ!」という返事だけをし、各自戦の準備にとりかかっていった。
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