異世界転移したら、死んだはずの妹が敵国の将軍に転生していた件

有沢天水

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ラフィの力?

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 まんまと『暁の鷲』に成りすました烈たちは、砦の中を捜索していた。

「ラング、お嬢様はどこにいると思う?」

「まあ、定番は地下牢だが......あの部隊長さん......何考えてるかわかりゃしねえ......」

「じゃあ俺の出番かな?」

 傍らにいたラフィが軽く手を挙げた。

「何か策があるのか?」

「もちろんだよ、烈。簡単なことさ」

 そう言うと、ラフィは向こうにいた「暁の鷲」の団員に声をかけた。

「お~い。すみませ~ん」

 烈もラングも慌てた。なるべく目立ちたくなかったからだ。そんな二人にお構い無しにラフィは団員と話し込んでいた。

「なんだ? 見ない顔だな?」

「最近入ったんですよ~」

「そうなのか? 名前は?」

「ラバンって言います~」

「そうか。それで何の用だ?」

「実はゼス様から、何でしたっけ? あのお嬢様を処刑するから連れて来いって言われまして~。ただどこに閉じ込められてるのか俺分からないんですよ~」

「本当か? あれは大事な人質だぞ?」

「姫様がもうパバルの城にいるから、さっさと奇襲をかけて倒すつもりらしいですよ? その時に人質は邪魔になるからっぱぱっと殺せって」

「ああ、なるほどな。確かにあの人が言いそうだ。それならそっちの奥の階段を下ったところの地下牢だ」

「なるほど! ありがとうございます!」

 烈たちは驚いた。警戒心の強そうな傭兵たちに、簡単に喋らせたこともそうだが、何よりラフィはのだ。口をぽかんっと開ける烈たちを余所に、ラフィはたったったっと足取りも軽く戻ってきた。

「さあ、お嬢様の場所もわかったから、レッツラゴ~」

 おーっと片手を挙げるラフィに、烈もラングもどこか毒気を抜かれてしまっていた。
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