上 下
352 / 354
番外編ですよ。

14: ヤンキー、ベッドで余所見は許さない。

しおりを挟む


「フェロー、どうした?」

フフッと笑う声がして、滑らかな肌に腕を絡ませなから問えば、慌てて身を捩る姿が可愛い。ダメだ、逃がさない。俺とベッドにいて、余所見をしたんだから。

昨夜、プレゼント交換した後から今日まで、散々弄ってやったせいか、直ぐに秘所をガードする手が可愛い。
その手をそのまま魔力の蔦で固定し、身体中を撫で回せば、ヒョコヒョコと面白いように体が跳ねる。

「ぁゎゎ…や、ぅひひ…。」

「どうした?フェロー…。何だか見たこと無い動きしてるぞ。」

「あっ、ちょっと……ぁあ、ボウフラみたいになってるからやめてぇ!」

ブフッ!しまっ…フッ!ぁ、ダメだ。

「ハッハッハ……ボウフラ!ハッハッハッハッハッハ…!」

やられた。ボウフラの喩えが秀逸過ぎて俺は思わず笑い転げてしまった。
魔力の蔦が解けば、フェローが一緒になってクスクスと笑っている。

「ハッハッハ…はーぁ……それで?誰からの手紙?」

何とか笑いを引っ込めて聞けば、あ、そうだったと思い出したようにスマートブレスレットの手紙を開く。ダメだ、まだ腹筋と口角がヒクつく。

たすたすとフェローが手紙に返信を打ち込む。
俺はそれを、後ろからフェローを抱き締めて耳にキスをしながら読んだ。

「弟のクリスマスプレゼントにスマートブレスレットをプレゼントしたんです♪そしたら、さっき早速メッセージが来て。」

筆談形式で表示されるやり取りを読みながら、俺はそっとフェローの耳たぶを撫でた。

スマートブレスレットは、俺があげたドリームキャッチャー風メッセージ板を元に作られている。あれは使用者以外には見えないようにする機能がありスマートブレスレットも同じ様にしているから、フェローは今こうやっていても俺にはメッセージが見えないと信じているようだ。
実際は、俺のピアスの一つに付与された効果で丸見えなんだが、まぁ、影なんかの職についてるヤツは大抵そうだから特に言うつもりは無い。

「さっき、笑いながらバレちゃったと呟かなかったか?」

なんて、指摘すれば、白い肩がビクリと跳ねる。

"マジックボックスの術式、フェリたんのコトだ、先生にチェックして貰ったんでしょう。"

"勿論♪学生が先生に質問するのは無料だからね♡"

「あー……マジックボックスの術式、先生の力を借りたことがバレちゃってて…。弟のラインハルトって本当に賢いんですよねー♪」

タイミング良く来た返信に即座に返信しつつ、俺への言い訳にも使う。
どうやら、男と旅行に来ている事がバレたのは俺には言わないつもりらしい。
まぁ、文脈からして、秘密にしてくれる自信があるのだろう。

「彼か。バイカラー殿下の護衛任務の時に何度か見かけたよ…。向こうは俺を見たこと無いだろうがな。」

俺は基本的には影だからな。姿を見せたのはムンストーン家にお邪魔した時位だ。

「ええ?テリー君だけじゃなくて、ラインハルトもバイカラー殿下と仲良しさんなんですか?ラインハルト凄ーい!」

うちの弟凄い!と屈託無く笑うフェローに少し嫉妬を覚える。

「そういや確かに、中々賢い少年だったな。バイカラー殿下と色々な施策について語り合ってたぞ。」

なんて言えば、嬉しそうに、トライアイアンの伯父様が色んな学問を学ばせてくれてるそうなんです。ラインハルトは私達兄弟一賢いんですよー♪なんて言う。

弟君は、"姉が教えてくれた""姉から学びました"が口癖だったけどな…。

賢い弟君は気付いただろうか…。まぁ、気付いたからこそ、好きな人が居るのかとか聞いてきてるんだろう。
俺のレターセットでフェローが間違えて手紙を書いてたのは最初驚いたが、相手が弟君だったのでそのまま指摘しなかったのだ。
まぁ、ムンストーンの兄姉アーサー&キャロなら絶対気付かないだろうがな…。

ダメだな……。もう後二月頑張れば、こんなコソコソせずに済むと思うと、色々大胆になってきてしまう。
……いや、秋頃から割と大胆には行動してたか。

「……ん、アレックス…?あの……?」

鎌首をもたげる俺の存在に気付いたフェローが、モゾモゾと恥ずかしそうに身動ぎする。そんなフェローの白い肩を軽く甘噛みして、俺は囁いた。

「ボウフラで涙が出る程笑わせてくれたからな。お返しに、泣いて悦ぶ程イカせまくってやろうかな…と。」

「ぇえええあああ……ぁ、ダメ!ァアッ!」

その後何度かスマートブレスレットにメッセージが届いてたみたいだが、俺は見るのを許さなかったし、フェローも着信に気付く余裕は無かったようだ。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】

うすい
恋愛
【ストーリー】 幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。 そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。 3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。 さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。 【登場人物】 ・ななか 広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。 ・かつや 不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。 ・よしひこ 飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。 ・しんじ 工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。 【注意】 ※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。 そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。 フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。 ※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。 ※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。

[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。

ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい えーー!! 転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!! ここって、もしかしたら??? 18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界 私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの??? カトリーヌって•••、あの、淫乱の••• マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!! 私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い•••• 異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず! だって[ラノベ]ではそれがお約束! 彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる! カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。 果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか? ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか? そして、彼氏の行方は••• 攻略対象別 オムニバスエロです。 完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。 (攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)   

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

年上彼氏に気持ちよくなってほしいって 伝えたら実は絶倫で連続イキで泣いてもやめてもらえない話

ぴんく
恋愛
いつもえっちの時はイきすぎてバテちゃうのが密かな悩み。年上彼氏に思い切って、気持ちよくなって欲しいと伝えたら、実は絶倫で 泣いてもやめてくれなくて、連続イキ、潮吹き、クリ責め、が止まらなかったお話です。 愛菜まな 初めての相手は悠貴くん。付き合って一年の間にたくさん気持ちいい事を教わり、敏感な身体になってしまった。いつもイきすぎてバテちゃうのが悩み。 悠貴ゆうき 愛菜の事がだいすきで、どろどろに甘やかしたいと思う反面、愛菜の恥ずかしい事とか、イきすぎて泣いちゃう姿を見たいと思っている。

男友達を家に入れたら催眠術とおもちゃで責められ調教されちゃう話

mian
恋愛
気づいたら両手両足を固定されている。 クリトリスにはローター、膣には20センチ弱はある薄ピンクの鉤型が入っている。 友達だと思ってたのに、催眠術をかけられ体が敏感になって容赦なく何度もイかされる。気づけば彼なしではイけない体に作り変えられる。SM調教物語。

処理中です...