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番外編ですよ。

13: 賢弟の迷推理。

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"フェリたん、マンスターとマジックボックスもスマートブレスレットも凄いです!クリスマスプレゼントありがとうございます♪"


散々父様達に慰めて貰い、そのまま皆で暖炉の前のふかふかしたラグに寝転んでお昼なのにお菓子を食べるという、何だかとてもお行儀の悪いことを堪能した後、母様が馬に乗りたいと言い出し、皆でポコポコ馬に乗ってお散歩し、僕達はフェリたんのマンスター工場を見に行った。

凄いねー、なんて言って、帰りに、荷馬車の爺さんの浪々とした唄を聴きながらやっぱりポコポコ戻り、クリスマスの果物沢山ケーキを食べてお茶を飲み、ボードゲームをして、夕食の御馳走を鱈腹お腹に詰め込んで、又皆でお喋りとボードゲームを楽しんで…。

寝る前の一時に、僕はフェリたんにメッセージを送った。

"喜んで貰えて良かった!!"

「ぅわ!凄ぉい♪」

直ぐに来たお返事に僕は思わず手を叩いて喜んだ。このブレスレットをしてないとダメだし、魔道具を妨害する魔道具なんかを使われたら、妨害なのか来てないのか判別が付かないけど、でも、魔法を覚えなくても、魔力がなくても使えるのは本当に魅力的だ。消費魔力も少ないから、大抵の貴族なら付けてるだけで魔石に魔力が補充される。

その辺りを思うままに誉めちぎった後、僕はドキドキしながらメッセージを送った。

"フェリたんは今、どなたか好きな人が居るんですか?"

"え?!なんで知ってるの??"

直ぐに帰ってきた返事に、僕はクスリと笑ってしまう。
全くもう。天才なのに、おバカだなぁ。

"勘です♪だって、僕が帰るのに帰ってこないんだもの。
旅行も一緒に行ってるの??"

"シーー!皆には内緒だよ♡"

やっぱり一緒に行ってるんだ。でも、僕には正直に教えてくれる所に、フェリたんからの信頼を感じる。
公に出来る関係だったら、きっと一番最初に教えてくれてたよね…。

"素敵な人ですか?"

"キャー!やだもう、ラインハルトってば!でも、うん、素敵な人だよ♡"

夢中なんだな。恋は盲目って言うし、僕がしっかり見定めないと……!

僕はぐっと拳を握り締めてそう決意した。

マジックボックスの術式、あんなのをフェリたんが一人で試行錯誤するとは思えない。こういう時、フェリたんは絶対に専門家に聞くタイプだ。多分、その時に、あんまりにもフェリたんが可愛いから惚れられてしまったんだろう。

そう、"授業に行ってくる"のは、学生だけじゃない。

「教師と生徒の関係じゃ、暫く公表は出来ないよね……。」

術式学の教授は学園に二人。後、一年生に魔法を教える教師が、この術式学の教授の弟だ。多分、この三人の内の誰かで間違いないだろう。
高価なマジックボックスに食事を入れて預けてくれる経済力、面倒見の良さ、ヘンリー兄さんが舌を巻く程の魔法の実力、魔法の教師なら全て辻褄が合う。

「よし!頑張るぞ!」


僕は、考えれば考える程正解から遠ざかってるなんて思いもせず、三人の教師からどうやって一人を特定するかを寝るのだった。





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