343 / 354
番外編ですよ。
5: 賢弟、ミッションにポジティブ!
しおりを挟む「……あ、ごめんなさい、会話もせずに…。」
慌てて謝ると、皆キョトン顔だった。
「…やぁねぇ、お茶のお代わりはいかが?って聞いただけよ♪会話なんて、どーせ下らない事しか喋って無いんだから別に聞かなくて良いわよぉ♪」
「そうさ、ちゃんと聞かなきゃいけない話の時は、皆が聞いてるか確認してから話すから、そんな気負うなよ、ラインハルト♪」
キャロ姉様が優しく言いながらポットを差し出してくれれば、そうだそうだと兄様が追従してくれる。
「お前達、私の話を何だと……。」
と苦笑いで父様が言うけれど、聞いてみたら、お菓子で何処までリアルな昆虫が再現出来るか見てみたいという、ケーキの味わいを損なうような話だったらしいから、聞いてなくて良かった。本当に下らなかった。
「お茶ありがとうございます、キャロ姉様。
それにしても、フェリ姉様が今居なくて良かったです。フェリ姉様なら、父様の話にがっぷり食い付いて、延々虫の話を続けたでしょうから…。」
なんて、嬉々として昆虫を語るフェリたんを思い浮かべて言えば、一瞬の間の後、皆が凄く嬉しそうな雰囲気になった。
さりげなく上呼び禁止ミッション遂行してみたのだが、まさか、その効果なんだろうか?それともフェリたんの話題のせい??
「ラインハルト、俺は…アー兄様だと長いだろ?アー兄、若しくはアーサーでいいぞ…?」
ちょっとソワソワしながら言う兄様に、兄様呼び予定だったとは言いにくい。アー兄…と思ったが、そういえば、フェリたんもキャロ姉様も兄様の事をアーサーと呼び捨てしている。……これは…。
「アーサー…?」「なんだい?ラインハルト♪♪」
わ!凄く嬉しそう!!兄様だけじゃなくて、皆が凄く嬉しそう!
そっか、そうだったんだ!
「何でもないです。呼んでみただけです♪
実は、立派な令息だと思われたくて、父上、母上、兄上姉上って呼ぶように心掛けてたんですが……僕まだ大人になりきれないみたいです。」
「何だ、そうだったのか!王都の夜会とかでちゃんとしてれば、後はどうでも良いのさ、呼び方なんてものは。
フェリなんか、こないだ帰ってきた時もまだ人の事をダディダディと、客人の前でもお構い無しだったぞ?」
僕の言葉に、父様ががっはがっはと笑い、目を細めて僕の頭を撫でながら言った。皆も口々にそうだと言って笑った。嬉しい。楽しい。
僕はニコニコ笑って紅茶を飲んだ。皆もニコニコしてた。
フェリたんの言う通りだった。僕の方から壁を作っちゃってたんだ。僕は要らない半分余所の子なんかじゃない。僕は家族皆から愛されてるムンストーン家の次男だった。なーんだ♪
2
お気に入りに追加
2,294
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
男友達を家に入れたら催眠術とおもちゃで責められ調教されちゃう話
mian
恋愛
気づいたら両手両足を固定されている。
クリトリスにはローター、膣には20センチ弱はある薄ピンクの鉤型が入っている。
友達だと思ってたのに、催眠術をかけられ体が敏感になって容赦なく何度もイかされる。気づけば彼なしではイけない体に作り変えられる。SM調教物語。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる