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番外編ですよ。
2: 地味令嬢はきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ
しおりを挟む「じっちー。連ぇてきたよ♪」
ふかふかの絨毯を踏み締め、魔導式エレベーターに乗せられて上がった先、オークの重厚な扉の前で「少々お待ちを…」と言われた後、閉まりきってない扉の隙間から聞こえてきた言葉に私は首を傾げた。
じっちー?
「どぞ、です。」
へにょりとした笑顔が再び現れ、扉を開かれた先には、車椅子に乗った白髪の老人が背を丸めて此方を見ていた。
「Hello.」
「Hi , hello ♪」
出会い頭にネイティブヘローを食らい、考えるより先に脊髄反射で返事をしてしまったのだが、これが良く無かったらしい。
「Oh !It's Amazing!It is , a miracle!*@≫⇒≪☆☆@∂∂*」
ああえあええああ、どうしよう喜んでるみたいだけど細かいことは全部判らん!
正直言うと、前世のバイト先で外国人観光客に良く道を聞かれるせいでハイ♪ハロー!だけめっちゃネイティブ風に言えるのだが、後はからっきしなんである…!
何せ、This way go straight!Thank you! Have a nice day ♪O.K. O.K.! Very easy !とか位しか使わなかったんである。皆の目的の観光地、うちの店の前の分かれ道の片方をまっすぐ3分で到着する所だったから…。
え?!学校で習った??
いいかね?アインシュタインはこう言ったんだよ…。
「学校で教わった事を全て忘れた後に残ってるものが、真の教育だ。」ってね。へへへ。
と、とりあえず……
「ソーリー、アイムじゃぱーにーず……。英語は挨拶しか出来ないんだ。ごめんなさい…。」
「Oh …!Japanese!?そうなのか!すまない!嬉しくてつい!Japanese知ってるよ!英語が出来ないんだよね!でも俺達同郷だぁーー!Hoooo!!」
「Hoooooo Yeahhhhhh!!」
取り敢えず嬉しそうに両手を挙げて来たのでハイタッチしておく。
わぁぁ、レンツォ君の目が点!目が点!
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
彼、ロレンソ・アパタイト男爵(75)。アメリカ生まれの転生者で、何と、八歳で死んじゃったらしい…。
当時、両親は留守で、シッターは部屋にいなかった。彼は所謂ゲーマーで、でも、日本のエロエロな18禁乙女ゲームなんて知るわけもない。
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え?!転移!??
と、思ったけど、マークだった頃は金髪碧眼だったのに、赤毛に深緑の目でロレンソって呼んでくる人が何人か居たらしいので転生と同時に今生の記憶を吹き飛ばしたタイプの様だ。可哀想に、怖かったろう。
うっかり涙ぐんだら、ロレンソも泣いてしまった。
誰にも今まで言えなかったんだそうだ。
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