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番外編ですよ。
VD 地味令嬢、クッキー作りとクッキー作りと、ちょっと味見♡
しおりを挟む「え?!夜中の内にブラウニーが無くなった??」
久々にアレックスと抱き合ったまま、夜から朝までぐっすり眠り、朝は二人でイチャイチャと朝食、授業に向かうアレックスを見送って…さてテスト勉強、いや、二度寝?と思ったらバレリーから又呼び出されてしまった。
今度はどーした、と思ったら、なんと、昨日あんなに沢山あったブラウニーが食べ尽くされたらしい。
何と無く集まってる令嬢達の方を見れば、気不味そうな表情をしてる令嬢割と多い。良かった、数人とかであの量を食べたわけでは無いようだ。
別にいーじゃないか、と思ったが、どうやら皆今日のお茶会part2を楽しみにしていたようで……。
「まぁ、テスト前のストレスとか、月だったりとか、食べたくなる理由は幾らでもあるしね。いーじゃないか。
只、食べ過ぎたなーって思う令嬢は、その分運動も多めにするようにね…。バターと砂糖たっぷりだったから、あれ。」
なんて言えば、安堵の溜め息と苦笑いがさわさわと談話室に広がる。
「じゃぁ、折角だし、今日は皆でクッキーとブラウニーでも作る?バレンタインも近いしさ。」
途端に広がった嬉しそうな声にこっちも何だか楽しくなる。
レッツゴークッキング!いぇーい☆
ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー
「で、何故こんな事に……?」
昼休み、空き教室のテーブルの上に昼食を置く場所がない程、所狭しと並べられたアイシングのボウルや紙、調理器具にアレックスが困惑の声をあげる。
「や、何か皆、明日もやりたいって言い出して……。へへへ…明日はアイシングクッキーを作りたいって話になったんですが、ほら、私、ちょっと字が奔放じゃないですか…。
それで、アレックスってば、字が優雅だったよね~♪みたいな~♪へへへへへ……。
て、ことでですね!お手本を持っていきたいので!さあ!この紙に書いてある図形の中に丁度よく収まる様にこの装飾字体を!さあさあ!!」
前半媚びって後半勢いで押し切るスタイルの私に、アレックスがちょっと照れつつ、仕方無いなという顔で紙を受け取ってくれる。
流石何でも出来ちゃう超人にして教養溢れる南の公爵家三男、あっという間に全ての文字の装飾字体が完成し、まだ量った粉を篩にかけてる真っ最中な私を背後から覗き込んできた。
どうやら興味津々なご様子。と、なればやることは一つな訳で♪
「レッツエンジョイ☆クッキントゥーギャザー♪♪」
おもむろに私に粉篩を渡されたアレックスは少し驚いたものの、私がやってた通りに粉を篩いだす。……少し粉が散ったけど、ま、そーゆーのが楽しいんである♪
溶かしたバターとチョコと砂糖、そこに卵、小麦粉にふくらし粉、カカオパウダー、さっくりさっくり混ぜて……。
いつもより少し形が整ったクッキーが天板の上に並んでいく。
流石公爵家の令息、几帳面です。
オーブンをセットしてふと気付けば、いつも身綺麗なアレックスが粉やらタネやらであちこちトッピングされていて、その超絶美味しそうな見た目に私は思わず飛び付いてしまった。
イケメンが甘く、少ししょっぱく、ほろ苦く、だなんてなんて御褒美♡
悪戯心満載でアレックスのバターの付いた指を舐め、甘噛みすれば、アレックスもお返しとばかりにタネの付いた指で私の唇を撫で、そのカカオ色を自分の唇に移すかのようにキスをする。
中火で20分。オーブンは魔導式で静かにカウントダウンする。
私達は少し性急に絡み合った。
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