本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why？

番外編ですよ。

VD 地味令嬢と令嬢達の華麗なる突発性茶会。

「じゃ、頂こうか♪」


私の掛け声で、令嬢達が嬉しそうにブラウニーを摘まむ。
匂いに釣られて砂糖菓子や焼き菓子持参で参加させてくれとやってきた令嬢達も招き入れ、皆で焼き立てを頂く事になったのだ。

うん、良い出来♪私は頬張ったブラウニーの加減にニンマリした。
まだ少し暖かいブラウニーが口の中でしっとり溶けていく。

思った通り、細かく砕かれてバターと砂糖をふんだんに吸い込んだお陰で、令嬢達が食べるには堅すぎたヒロイン特製小麦濃縮クッキーは丁度良い歯触りになっており、中々美味しく頂けた。

只、量はめちゃくちゃ増えてしまったが。

ま、皆でちょこちょこ食べれば余裕だろう。


「ちょっとあのクッキー、令嬢が食べるには大きすぎたから、食べやすいサイズにして、他のお菓子と一緒に温め直してお茶の時に美味しく頂いたって言えば角は立たないだろう。皆、そんな感じでね。」

なんて口裏を合わせれば、皆コクコク頷く。

「食べやすいサイズにして他のお菓子と一緒に温め直したんかぁ…。
何も嘘吐いてへんから逆に驚きや……。」

しげしげとブラウニーを眺めて言うバレリーに思わず吹き出せば、他の令嬢達が「本当に美味しいです♪」と嬉しそうにブラウニーを摘まむ。

まぁ、思わぬトラブルだったけど、終わりよければオールオッケー♪
前世でちょっぴりクッキーを作るのにハマった時期があって良かった。クッキー探偵小説様々である。

令嬢達にはまずリメイクって概念が無いから、前世の知識がなければ苦行のげっ歯類タイムだったなぁ、なんて思って思わず身震いする。
それにしても、作りすぎたってレベルじゃない、真に作りすぎた量のクッキーだったけど、ヒロインは何がしたかったんだろうか……。

まさか、友達を作りたくてオチカヅキノシルシ♡をワタシテミタ☆とかじゃないよね？

自分の考えに思わずぶるぶるっと又身震いして、私は慌てて別のことを考えた。


「まだまだあるから、又明日も皆でお茶せえへん？」

「「賛成ー！」」「是非やりましょう♪」

バレリーの言葉に皆で頷いて、又ブラウニーを一つパクリと食べる。
そうだ、少し持って帰っておやつにしようっと♪
アレックスはこーゆーの好きかな？

アレックスのエスプレッソにもこのブラウニーはピッタリだろう、なんて夢想しながら、私は紅茶を飲み干した。