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番外編ですよ。
VD 地味令嬢と令嬢達の、レッツ☆リメイク!
しおりを挟む談話室にキャッキャウフフと令嬢達の楽しそうな声が溢れる。
「ムンストーン様、こんな感じですか?」
「うん、それくらいで。余り細かくしすぎると粉になってしまうからね…。」
嬉しそうに砕いたクッキーを見せてくれる子爵令嬢に首肯して、私は天板にオーブン紙を敷いていった。べたーっと広げて、四隅を折り、天板一杯の浅いケーキ型にする。
そこに、ブラウニーチックにパウンドケーキにチョコとカカオを足した生地を流し込み、ドライフルーツやナッツ、砕いたチョコを適当に突っ込んでいく。この辺りはフルーツ入り、この辺りはフルーツとナッツ、この辺りは……と、云うように。
令嬢達が楽しそうに役割分担し、キャイキャイと他の天板の作業を進めていく。
そして、先程砕いた大量のヒロインクッキーを、溶かしバターに砂糖を混ぜた幸せの液体に浸しておいたのだが、ここでこれを、ブラウニーの上にぎちぎちに敷き詰めていく。
「よーし、これでOK♪後はお願い出来るかな?中火でねー♪」
「「「おまかせくださぁい♪」」」
私の言葉に、ここから部屋が近い令嬢達が楽しそうに返事をしてくれた。
天板を持って何人かの令嬢が部屋に戻る。一緒に焼くのを見に行く令嬢、談話室で待つ令嬢、皆テスト勉強や趣味の手を少し止めて休憩である。
私はソファにぼすっと腰掛けてうーーんと伸びた。
空き教室でぐっすり眠ってた私を起こさないようにアレックスは何処かに出掛けたみたいだけど、何処行ったのかな??
彼の気遣いも虚しく、バレリーの通信に叩き起こされてしまったから眠い……。
「焼けるまで少しだけ寝るわ…。」
私の言葉にバレリーが本から目を離さずにこくりと頷いた。
ふぁぁ……それにしても、あんなにいつも色々してて、朝早くに起きれるんだから、アレックス元気すぎるよね……。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
ふと、甘い香りに意識が浮上する。
もそりと起き上がれば、談話室で待ってる令嬢達がソワソワしてるのが目に入った。まぁ、この匂いはそうなるよね…。
きゅるるるる………くぅーん♡
と、丁度静寂が訪れたタイミングでバレリーの腹の虫が超絶きゃわわな感じで響き渡る。
「何かお腹で子犬飼ってる?」
「五月蝿いなぁ!知らんぷりする優しさはないのん?!」
余りの可愛い音に笑えば、真っ赤になったバレリーに怒られてしまった。でも、あんな子犬みたいな腹の虫を聞いたら無理だよ。
他の令嬢達もふるふる肩を震わせている。
「焼けたみたいですー♪」「こっちも出来ましたー!」
バレリーを怒らせてから暫くして、オーブンで焼いてくれてた令嬢達が続々と焼き立てを持って談話室に帰ってきた。
後はもう、一口サイズにカットして完成である♪
「よし!なんちゃってクランブル付きチョコブラウニーの出来上がりだ♪」
私の宣言に、令嬢達の嬉しそうな声と小さな拍手があちこちから上がる。
いつの間にか気の効く令嬢達がお茶を準備してくれており、皆でテーブルを整え、三段のケーキスタンドにブラウニーを並べ、花を飾り、あっという間に談話室はティータイムに突入した。
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