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番外編ですよ。
VD 地味令嬢と素焼きの陶片♡
しおりを挟むここは女子寮、談話室。私、フェリシア・ムンストーンは難しい問題に直面していた。
「これがその、件のローズクォーツ男爵令嬢のお裾分け、かぁ。」
私は目の前にこんもり小山になった素焼きの陶片の様なクッキーを眺めて溜め息を吐いた。
「せやねん……。この子らがな、談話室でテスト勉強やら刺繍やらしてたら、あの子が持ってきよってんてぇ。
作りすぎちゃったから、良かったら、皆さんで食べてくださぁい♡って。」
私の言葉にバレリー・クレイ男爵令嬢がくねっとヒロインの真似付きで説明をくれる。
ほほーぅ……。
「でもさ、これ、なんや……なぁ?」
頬をポリポリと掻いて気不味そうに言うバレリーに、周囲でモジモジしてる令嬢達もうーん、と苦笑いする。
「美味しそうや、……ないやん?
けどさ、あの子の立ち位置やと、誰も手をつけへんかったり、あまつさえ捨てたりしたら、イジメとか言われそうやん……。ほんで皆困ってんねん。」
うーーん。まぁ、ね。捨てる発言はどうかと思うけど、ここは貴族の学園。
貴族令嬢達は自分達で料理をしたりしない文化だ。
そんな中でお家芸的にパイとかタルトとかケーキとか習う令嬢もいるけど、彼女達はレシピを一つずつ厨房のプロに習って、プロのサポートの上で実力を磨いていく。どういう事かと言うと、失敗だとか不恰好だとかいう状態を見たことが無いまま、習ったレシピのモノだけプロ並みに仕上げれるようになる。
故に、こんな不恰好な食べ物を見たことが無い子ばかり。泥遊びすらしたことがない。
一方、ヒロインが置いていったクッキー?はなんと言うか、クッキーというか、煎餅と言うか、素焼きの陶片って感じなんである。
ちょっと不恰好だけど、アロマオイル垂らしてトイレの角とかに置いておきたくなる…そんな感じ、判る?
せめて友達なら食べたろうけど、ヒロイン皆と仲良くもないから余計に誰も食べたがらないんだろう。
けど、食べなきゃ角が立つよね…。
サンストーンが何かしても角が立つよね…。
今女子で一番高位なの私かサンストーンだよね…。
つまりは消去法だよね…。
意を決して沢山の素焼きの♡の内の一つを摘まんで齧る。
……ッッカリ!……ぼりっごりっごりり……
かっったぁ……煎餅の中でも割と強固な方。え、これ私間違えて素焼きの陶片食べてないよね??とか不安になる。
今生は生まれて初めて食べる固さかも。
あああああ……中高生の味がする……。
こーれーは、明らかに目分量でコネコネしたヤツだわー。懐かしい。
私は遥か昔、前世の中~高校の時に自分が作っていたクッキーを思い出しながら、ごりごりした小麦の風味を噛み締めた。打ち粉がどんどん吸収されていくので、どんどん追加して、どんどん小麦小麦していったあのクッキー…くぅっ懐かしいなぁ。
友人が、♡をチョップで叩き割りながら、笑って食べてくれたっけ…。友情の賜物だよね…。後、部活で空腹っていう最上のスパイスもね…。どっちもヒロインと貴族令嬢には無いものだよね…。
ん……あ、そうだ…!イイコト思い付いた!
ふと、前世を思い出していた私は名案を閃いた。
そうだ!リメイクしよう♪そうしよう♪
ーーーーーーーーーーーー
お久しぶりです(*´∀`)
バレンタインデーなのに
相変わらずイベント殺しな辛い日々ですね(;><)
二月なので取り敢えず地味&ヤンキーな頃の話です。
また2年に上がった話も書いていきますね(*´ェ`*)
【R18】魔王様カッコイー!抱いて♡って思ったら、え、俺が勇者?!というタイトルでギャグと鬼畜が混じったような短編BLも書いてるので、お好きな方は良かったら暇潰しにどうぞ(*´∀`)♪
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