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時は来た!断罪の卒業記念パーティー!
306: 地味じゃなくなった令嬢とダディとわんこ兄と。
しおりを挟む「ハッハッハ!成る程!!そう言うことだったか!先日夜会でムンストーン伯爵から言われて目が飛び出るほど驚いてね…だがまぁ、勘違いで良かった。うちの息子がヴィオルタ令嬢を裏切るなんて何かの間違いだとは思ったが……いや、良かった。」
アーレク先輩のダディらしき中年が汗をフキフキ笑う。申し訳なか。
『すまない、フェロー…夜会などで鉢合わせないギリギリのタイミングを狙って報告させたつもりだったが、ムンストーン伯爵に後から一件夜会の予定が入ってしまったようだな。』
なるほど、風魔法で届く声に納得する。それでこのわちゃわちゃかぁ。
いや、うちのダディ時々ふらっと夜会行くからな。こっちこそ、sorryアレックス。
私は気にしないで、という意味も込めてエスコート腕を軽く擽る。
「ほ、なんだ。そう言うことか……。そりゃヴィオルタに聞いても知らぬ存ぜぬな訳だ…。」
先程アーレク先輩に詰め寄ってたフロゥライト子爵らしき人物がニコッと笑う。良く見ればアーレク先輩の腕に全体的に茶色い装いのご令嬢が掴まっていて……。ごめんね、の意味も込めてアーレク先輩と令嬢に目礼する。
アーレク先輩は、へこっと苦笑いで会釈して、こっちを三度見した。
まぁ、そうなるよね。
「初めまして、ムンストーン伯爵、フロゥライト子爵、オニキス男爵。アレクサンドロ・オブシディアン、公爵家三男です。子爵、男爵、この度はご迷惑をお掛けしました。
ムンストーン伯爵、すみません。私がフェリシア令嬢にちゃんと名乗らなかったせいで、混乱を招いてしまって。フェリシア令嬢は此処に居ますよ。」
アレックスの言葉に、アレックスの影から出たものの、ダディもアーサーもポカンだ。
「Hi♡ダディ、アーサー。ごめんなさい、私勘違いしちゃってたみたい♪紹介するね♪こちら、私のエスコートをしてくださったアレックス様♡アレクサンドロ・オブシディアン様よ♡」
もうこうなりゃ出たトコ勝負だ。超超軽く言って流そう!そう思ってキャピ☆と言うけど、どうやら、ダディもアーサーもそれどころでは無いようで…。
「フェ、フェリ??」
「Hi ☆アーサー。何?年末年始帰らなかったから声忘れちゃった?」
顔と言えないのは哀しいね。多分顔はちょっと雰囲気違いすぎるだろうから。
背後でアーレク先輩御一同様がアレックスに別れを告げて去っていく。
こっちは膠着状態だ。ダディの態度が読めない。
「………フェリ?」
と、ダディが目をうるうるさせて此方を見てくる。
「フェリ、もう、地味にしなくて良いのかい?」
何だかその震える声に、こっちもちょっとしんみりしちゃって、両手を広げてくるっと回って見せた。
「うん。もう、自由なんだ……。どう?ダディ、似合う??」
言葉が出ないのか、ひたすら頷くアーサーとダディに気をよくした私はちょっとはにかみながらアレックスが渡してくれたスパークリングで喉を潤した。
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