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時は来た!断罪の卒業記念パーティー!

305: 元地味令嬢&ヤンキー、羊を助けにいく。

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階下へとメリー◯ピンズよろしく浮き降りた私達が会場の隅からシャンデリアの光が照らす空間に進入すると、気付いた令嬢令息達がどよどよとどよめきながら道を開けてくれる。

その反応は、まさしく悪役が登場する時のそれで……カ・イ・カ・ン♡
と、思わずうっとり甘受してしまった。

誰だ誰だとヒソヒソ囁き合う令嬢令息の中を突っ切り、王子様スタイルのアレックスと共にわちゃわちゃしてる辺りに近づく。
お、どうやらダディとアーサーか来てくれたみたいだ。

「アーレク令息!これは一体どういう事なんだ?君はヴィオルタの婚約者でありながら、ムンストーン伯爵令嬢をエスコートしたのか?」

「アーレク!一体どういう事なんだ!」

「オニキス男爵令息、うちのフェリシアは一体何処なんだね??」

「いえ、待ってください、フロゥライト子爵。俺、じゃなくて…私は今日もヴィオルタをエスコートして来ましたし、誤解ですよ!父上も!ムンストーン伯爵……申し訳ありませんが私はご令嬢とは面識がなくて…。……参ったな。ぇぇと……。」

キョロキョロとアレックスと私を探しているらしきアーレク先輩に、アレックスがするりと近寄る。

そう言えば、2人って名前が似てるんだな。
アーレク・オニキスとアレックス・オブシディアン……ね?似てる。

アレクサンドロだとちょっと似てない感はあるけどさ。なんて考えてたら、凄く王子様っぽいキラキラスマイルでアレックスが声をかける。

「やぁ、アーレク。もしかして、婚約者とは違う令嬢をエスコートしたとかしてないとか言われてるのかい?」

「やぁ、オブシディアン……!そうなんだよ。君は何か知ってるのかい?俺、何が何だか判らなくてね。」

アーレク先輩が泣きそうな顔してアレックスを見つめる。すらすら口から出る言葉は何だか今思ってるというよりは暗記したセリフ臭い。それにしても…。

あー。心底ホッとしてるなぁ。

無害な羊を怯えさせてしまったこと、申し訳なく思いつつ、アレックスの影から成り行きを見つめる。前に出て、私に何か聞かれても困るしね。

「すまない。俺がフェリシア令嬢にちゃんと名乗ってなかったせいで、フェリシア令嬢が俺の事を今までアーレク・オニキスだと思ってたらしくて。
ほら、アレックス・Oとアーレク・O、似てるだろ?アレックスはアーレクの愛称だと思ったらしくてね。もっと早く気付けば良かったんだが、俺もついさっき知ったばかりで。」

迷惑を掛けたね、と微笑むアレックスは超絶好青年で……え、誰…?という目を向けてしまう。

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