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Xmas!! 旅だ!旅行だ!年末年始だ☆
290: 地味令嬢とヤンキーと初めてのリゾート時間。
しおりを挟む轟轟と音を立てて真っ白な水が上空から滝壺に叩き付けられる、壮大な滝に感動した後、近くの宿を取った。
何気に、自分で宿を取るのは初めてだったので、ドッキドキだった。
こ、これぞ旅だわ!冒険だわ!!
宿に入り、ホッと一つ息を吐く。広い、豪華な部屋。
広いバルコニーにジャグジー付。
ぐるっと見回してから、アレックスに部屋番号をスマートブレスレットで伝える。送信すれば、直ぐ後ろから声が聞こえてきた。
「うん?もう知ってるぞ?」
後ろから柔らかく抱き締められて、首もとにそっとキスをされる。
早いなぁ。全然気付かなかった。
滝の音を微かに聴きながら、ジャグジーの泡を見つめる。
この世界にジャグジーがあるとは知らなかった。
「はぁ、気持ちいい……。」
思わず呟けば、向かいでスパークリングを飲んでいたアレックスがグラスを置いて頷く。
「ああ、これは、いいな。」
ぬるいお湯に浸かって2人とも身も心も解れた顔をしている。
そんなお互いの上気した顔を笑って、はぁ、と湯に身を委ねる。
「これ、空き教室に欲しいです。」
「流石にこれは、無理だ、凄く高いんだぞ。しかも工事も大掛かり。」
「はぁ?高々、湯と空気を勢い良く穴から出して循環させるだけでしょ?
なんでそんな大掛かりなんです??」
「知るか。そう思うんだったらフェローが試しに作ってみてくれよ。これが毎日味わえるなら天国だ……。」
え、俄然ヤル気出ちゃった。
ヒントになる術式とか見れないかと頑張ってみたが、
絶対術式見せないマンらしく、アレックスと一緒に頑張っても無理だった。チックショーー!
ま、その後はお決まりの流れで、軽く2人で絡み合う運動をした後、私達はジャグジーから上がり、少し町を散策した。
軽く買い食いをして、又宿…というか、ホテル、かな?に戻って少しイチャイチャとおしゃべりをして過ごした後、ディナーに向かう。
ホテルのディナーだと宿泊名簿と照らし合わせれちゃうので、ホテルの食事は朝のみにしてある。
近くの人気だというレストランに、いつものお忍びスタイルで向かう。
マスがでかくなって足が生えたような魚が名物らしく、魚尽くしだった。
バターが効いていて美味しかったが、少しバターの風味が重ったるい気がした。これがムンストーンのバターとの違いなんだろうか?
あんな話を聞かなかったら判らないレベルだけど、一度意識すると、少し感じる違和感がある。
「どうした?神妙な顔して。骨でも刺さったか?」
そんな顔してた?
「や、言われてみればバターの風味が重い気がして。」
「ホォクァイのバターをムンストーンのバターと比べるなんて可哀想なことをしてやるな。
いや、この国のどの領の乳製品も、ムンストーンの乳製品と比べてはいけない。」
「そーなんですか。田舎だと思ってましたが、誇れるものもあるんですね、うちって。」
「おい、白手袋投げられたくなきゃ、余り他人にその台詞吐くんじゃないぞ。」
過ぎる謙遜は嫌味だ、と言わんばかりのアレックスに面食らう。
いや、本当に田舎だと思ってたんですけど……。
「だって、穀倉ですよ?それって田舎でしょ?こんな滝みたいな名所もないし。」
くたっと炒まったミニトマトとマスのソテーを一欠片フォークに刺しながら言うと、近くのウェイターの背筋が少し伸びた気がした。
判ってないな、と首を振るアレックスに首を傾げながらマスのソテーを食べきった。
デザートは、通常のコースだった筈なのに、何だか私達だけ豪華だった。
おかしいな?と思いながら美味しく頂き、店を出ると、雪がちらついていた。
これは、前世でついぞ叶わなかった、恋人と過ごすホワイトクリスマスが実現するんじゃないか??
ワクワクしながら、雪を受け取ろうと掌を出していると後ろから抱き締められる。
「さっきのデザートはサービスだったそうだ。絶対、バターの辺りの話を聞かれていたな。」
フフッと笑う、アレックスの吐く白い息が私の吐く息に重なる。
私達は、雪がチラチラ舞い落ちるのを楽しみながら、ゆっくりとホテルに戻った。
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