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冬、到来。

287: 地味令嬢とヤンキー、舞踏会を抜けて。

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「サンストーン、踊ろうよ!」

サンストーンがへどもどしてる間に手を取り、バルコニーの中央に引っ張り出す。

2人とも男性パートなんて踊れないから、
何だかあちこちで足がぶつかったりギクシャクしながら
よろよろフラフラ、キャッキャウフフと笑いあって、はしゃいで踊り、

そんな私達をアレックスとデクスターがニマニマと見つめていた。


そろそろ頃合いかな?
私はメンズ2人に声を掛ける。

「ねぇ、ちょっと男性パートってどうやるの??
 2人でちょっと踊ってみてよ!」

私の言葉にデクスターがあからさまに引き攣るが、
アレックスは、ハイハイと動いてくれる。

「うちのお姫様は我が儘なんだ。すまないな。」

なんて言って笑うアレックスに、
デクスターは相変わらずの引き攣った顔で。

「ほ、本気ですか…?男と踊るなんて、正直心底嫌なんですが。」

とか、本当に嫌そうで。
私とサンストーンはそんな2人を見てクスクス笑った。

男性パートを踊るアレックスとデクスターもやはりギクシャクしたり、お互い靴がぶつかったりで。
それを笑ったり、参考にしたりしながら、
私は少しずつアレックスに近付いた。

勘の良いデクスターの耳が赤くなるが、
サンストーンはえっちらおっちら足元ばかり気にしている。

曲が終わったタイミングで、私とアレックスはするり、と
相手の手を互いにくっ付け、
さっとアレックスが私を抱き上げるままに、
2人からくるりとターンで離れた。

後に残ったのは手を繋がされて真っ赤になる、
サンストーンとデクスター。

私とアレックスはクスクス笑って、始まった曲に合わせて踊り始めた。




作戦成功ーーー☆イエーーイ♪


アレックスと2人でクスクス笑い、
おでこをくっ付けあったりしながら踊る。


真っ赤になって俯いて、サンストーンがモジモジとステップをふむのに対し、とても大切な宝石をそっと運ぶようなデクスター。

そんな形容がぴったりだった二人が、
割と自然体に踊れる様になった頃、

何曲踊ったろうか。結構踊った気がする………。

正直言って、イチャイチャし足らない……!!!
キスしたい!!雰囲気だけ盛り上がって、キスしたいのに、
サンストーン達が居るから……

キスしたい!!なんならもちょっと他のこともしたい!!



「…レックス……そろそろ、
 ダンス以外がしたくなってきました…。キス、とか。」

こそっと呟くと、アレックスの瞳がジュワッと蕩けた。
私の瞳も、何だかじゎっと潤む。

なんだか、ドキドキする。



取り敢えず、アレックスが認識阻害をかけてくれて、
その場で、深く、深く…長く、甘ーいキスをした。

こんなに官能的なキスをしてるのに、
ステップをちゃんと踏むアレックスってやっぱり超人。

アレックスに風魔法で浮かされてふよふよとステップに着いていく私はそんなことを考えながら、
甘いキスの快楽と、
揺ら、揺ら、曲に合わせて変わる風景を楽しんだ。




『俺達はそろそろ帰る。ここは12時までは結界張ってるから、
 後はお好きに。じゃあな。……素敵な夜を。』

アレックスが風魔法でデクスターに伝えて、
私達はその場を後にした。

といっても、
その前のキスの時から私達の姿は見えなくなっていたのだけど。

何だか盛り上がった私達は、前回2人で踊った林の中で、
曲を聴きながら致してしまい、
アレックスからプレゼントされたドレスは、
アレックスによってビリビリに引き裂かれてしまった。

どうやら、心置無く破りたいが為に、
今回の舞踏会、ドレスをプレゼントしてくれたらしい。
悪漢に襲われてる感じのセリフもちょくちょく有って、



……………非常に、良かったです…。


舞踏会も終わり、明日からは冬期休暇が始まる。
初めて、家族と過ごさない年末年始。

初めての、家族以外との、旅。


わーーーー!ドキドキしちゃう!!











ーーーーーーーーーーーーーー

最近急に冬になりましたね!寒い!( ̄□ ̄;)
皆さんも体調に気を付けてくださいね!
私はやっとこさ、今日、乾燥機が無事稼働しましたよ!

小説内の日付も、クリスマス直?前となりました。
こっからは結末まで割とノープランノーガード戦法なので、
1日1話位でじっくり書いていきたいと思います。(。-人-。)
卒業パーティーが3月1日なので、後2ヶ月半ですね。
完結に向かってがんばります!!( ≧∀≦)

そして番外編だ!伏線回収だ!!



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