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冬、到来。
278: 地味令嬢とヤンキーは久々にデートしたい。
しおりを挟むすっかり目が覚めた私は
風呂から出てクリンナップで水気を飛ばす。
冬はね、クリンナップで水気を飛ばすのが一番風呂上がり寒くないです。異世界バンザイ!
さっとカーディガンを羽織り、クローゼットで下着を選ぶ。
キッキッ………キィッ……
何故だか触れてもいないワンピースのハンガーが1つユラユラと揺れている。
…………?
キッキッ……キッキッ……。
微かな金属音を立ててユラユラ揺れるそれは、見覚えの無いデザインのワンピースだった。
私は、こんなのワンピ作った覚えも買った覚えもない。
てことは……。
手に取れば、そのアクアマリンに淡いゴールドと黒のリボンテープで幾何学模様が所々作られたシンプルなワンピースは、
裏地が綺麗なアメジスト色だった。動けば時々アメジスト色がちらつくだろう。
下着はそれに合わせて、アクアマリンとアメジストのサテンのパッキリしたデザインのビスチェと黒ガータータイツの組み合わせにした。
着替えてクローゼットから出れば、アレックスがニッコニコの笑顔で微笑んでいた。
どうやら今日は朝から何処かで食べるらしい。
「お待たせしました。」
なんて言えば、
「レディの支度を待つ時間ほど至福の時間はないさ……。」
なんて言いながら、髪をアクアマリンとアメジストのリボンを混ぜ込んで軽く編んでハーフアップにして、黒のリボンで飾られる。
三歩下がって嬉しそうに眺めるもんだから、くるっと回って見せれば、こっちが恥ずかしくなるくらいアメジストの瞳がジュワッと蕩けて……。
「おなか空きました……早く行きましょうよ。」
なんて言って誤魔化すけど、顔が赤いだろうからバレバレかな…。
「フフフ……似合ってる。凄く可愛いよ……。」
なーーーー!トドメ!!耳許で囁くとか!腰が砕けるろぐるぁ!!?
いつものお忍びローブを着せながら、れろっと耳を舐められ、
驚いてよろついたら、そのままお姫様抱っこされてしまった。
「よし、じゃぁ、朝食を食べに行くか♪」
上機嫌で私を抱いて進むアレックスの腕の中で、拗ねたり、恥じらったり、暫く色々な感情に翻弄されていたが、
学園を出る頃には大分落ち着いて、私はそっとアレックスの胸に頭を預けて目を閉じた。ぐぅ……。
「フェロー……?起きて。着いたぞ?」
アレックスに優しく起こされて、目を擦りつつ辺りを見回せば、プラチナ区域だった。
いつの間にか馬車に乗って、
いつの間にか馬車を降りていたらしい。
キャッキャソワソワと並ぶレディ達の列の横をスタスタ歩いて入ったのはおしゃれなカフェで。
アレックスの顔を見たウェイターがそっと、階段の方に案内してくれる。どうやら、地階がVIP席になるらしい。
めっちゃスマート。
こーゆー風に案内されるのってどうやったら良いんだろう?
予約??
うーーん、謎。
スマート過ぎて謎。
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