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豊穣祝祭期間
264: 地味令嬢とヤンキーと悪役令嬢と護衛と学園祭のイベント。
しおりを挟む「まぁ、良いじゃない。芋美味しいでしょ?」
ワァァァ!と歓声に、歓声が上がった方を見ると、特設ステージの上でヒロインが手を振っていた。
いわゆるミス学園を決めるイベントである。
これで優勝すると、その時にルートの攻略対象と何だかイベント発生するんだよね……。
本来なら、サンストーンはコンテストに出場して、ヒロインの邪魔だとか嫌がらせだとかをする筈だが、
今、サンストーンは私の目の前にいる。
お気に入りの房飾りの耳飾りを着けて、
キラキラした房飾りをこれ見よがしに着けた護衛のデクスターと
仲良くポテトを摘まんでコーラを啜ってる。
サンストーンの行動を変えられたことに、何となく嬉しさを覚えながら、私は自分の耳飾りに触れた。
パステルカラーの集まりの中に私とアレックスの色を隠した、房飾りのピアス。
アレックスも房飾りを弄ったのか、光の粒が流星群の様に視界を過る。
「素敵な房飾りですね……。レックス殿、でしたか。」
「ありがとうございます。そちらも、
素晴らしい房飾りですね。デクスター殿。よくお似合いだ。」
デクスターの言葉にアレックスが返し、2人の間に満足そうな空気が流れる。
張り合うというより、認め合う、に近い空気に苦笑いして、
私とサンストーンは再びポテトに手を伸ばした。
ミスコンは予定通りヒロインが優勝した。
花冠をパライヴァに被らせて貰って、降りしきる花と花びらの中で嬉しそうに笑うヒロインはとっても可愛かった。
ポテトモグモグな私とサンストーンは、それを、凪いだ気持ちで眺め、コーラをチューーっと啜った。
どっちかって言うと、デクスターとアレックスからの蕩ける視線が面映ゆくて、
それから逃げるようにミスコンを見ている、と言った方が正しい。
暫くして、お腹いっぱいになった私達は他の出店を廻るべく席を立った。
ではね、と手を振るサンストーンに手を振り返し別れる。
ーーーーーーー
ーーーー
「カメリア様、ご機嫌ですね。」
「そうね、………ムンストーンの護衛の房飾り、見た?」
「素晴らしい房飾りでしたね。
私が頂いた房飾り程ではないですが。」
「やぁねぇ、私、あれを見てムンストーンに作り方、
教えて貰ったのよ?敵うわけないでしょう。」
「うーん、悔しいですが技巧は向こうが上かもしれません。
ですが、センスはカメリア様が上でございますね。
あれは綺羅綺羅し過ぎて……少々派手かと。」
「やだもう!もう!デクスター……。
私は、ムンストーンの想い人を知れたのが嬉しかったの!
へ、変なところで張り合わないで頂戴……。」
「ハハハ…カメリア様、どうなさいました?お顔が真っ赤です。」
「嬉しかったと言えば、私も、
カメリア様を唆した令嬢に会えて嬉しかったですよ。
それにしても……、地味な装いでは隠しきれない、
ワルイコのオーラ漂う令嬢でしたね…。」
「ちょっと!デクスターったら。フフフフ…ワルイコだなんて…」
「ハハハハ…」
なんて、話題にされてるとも知らず、私はアレックスを連れ回し、
あっちの出店、こっちの出店と駆けずり回った。
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