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豊穣祝祭期間
260: ★地味令嬢は情事の終わりを予感し、ヤンキーは覆す。
しおりを挟むアレックスの舌が、酸素を求めて逃げ回る舌を捕らえ、嬲り、
口内を隅から隅まで蹂躙していく。
やっと離れた頃には、上下左右すらあやふやで。
「……っはぁ。……最高だな。
眼下に広がる領地を眺めながら……、
この領地が育てた最っ高のお姫さんを、快楽で捩じ伏せる。
みたいな?
それに、その令息喋り、いつもの話し方より
本来のフェローに近いのもイイな。
敬語で話し掛けて来てても、心の中ではヤンキーだの、
アレックスだの、クソだの、散々言ってくれてる、
生意気で、奔放で、一等可愛い、素のフェローだ。」
ぜぇぜぇしながら、何言ってんだコイツ、と思って聞いていたら、
途中から、何だか耳や胸を掻き毟りたくなるよーな甘々の囁きになったでござる。
いつの間にか電マは止められ、緩く、優しく出入りするアレックスの動きに、少しだけ脳の酸素濃度と体力が回復する。
少し眩眩しながらも、アレックスを見れば、ずっと私を見ていたらしいアレックスが、蕩けるような笑みを浮かべた。
いつの間にか灯された魔法のランタンの明かりに照らされ、
星空を背景に笑うアレックスは、夜行性の獣みたいな危うい魅力を孕んでいて、
やっぱり、好きだな。なんて、改めて思った。
何でも出来て、何でも知ってて、
いつも格好良くエスコートしてくれて、
頼りになって、強くて、優しくて、何だか超人だと思ってたけど……
「意外と、バカで変態だよね……。」
何だか可笑しくて、へらっと笑いながら言った私の言葉に、
アレックスがうっ…と小さく呻く。
「……幻滅したか?」
苦笑いするアレックスを、服を掴んで引き寄せる。
「さぁ、どう、思います?」
私が口を開きかけただけで、察したアレックスの唇が降りてきて、
ちょっとキツイ体勢のまま、甘く長ーいキスをした。
溜め息と共に唇が離れ、ランタンの明かりで2人を繋ぐ細く儚い糸が金に煌めいて消えた。
ふつう、こーいう時って、こーいう雰囲気って、
致し終わった感じがするじゃない?
何だか、すっかり終わった気がしてたのに、
全然終わってない処か、真っ最中だったと思い出したのは、
アレックスが、さて♪とでも言わんばかりの顔で、
繋がってる辺りに視線を落とした時だった。
「ぁぁっ!……はぁっ、アレックス、様、ちょっと、もう……。」
意外と揺られてるだけの乗馬も疲れるんだよね。
もう、私とっくにへばってるんですけど…。
腰の動きを再開し始めたアレックスを押し留め、身を捩る。
「ハハハ……いーよ。フェローはなにもしなくて。
口調とか何にも気にしないで、俺を感じてて……。」
あ"ーーー!官能小説でよくあるやつー!
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