本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why?

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豊穣祝祭期間

244: 地味令嬢はわんこ姉と笑い合い、ヤンキーは溝鼠と睨み合う。

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「フェリー!来たわよー!」

明るく弾む声に振り向けば、ムンストーンの家紋入りの馬車からキャロが駈けてきた。
そんなに走ったら転けない?と思った瞬間、サンダルヒールがくきっとなる。

「きゃぁ!?」

あ!と思ったが、後ろから追いかけていた溝鼠ヘンリーが後ろから抱き留め、ふわり、とお姫様抱っこにしてこっちに歩いてくる。

「も~ぅ、キャロィ?危ないよ~?」

「ご、ご免なさいヘンリー……はしたなかったわね。
 ね、大丈夫だから、も、おろして……?」

「はしたないって誰が言ったのぉ?俺は、危ないって言ったのぉ!
 ね、誰かにはしたないって言われたのぉ?誰ぇ?そいつぅ」

「そんなの、言われなくたって判るだろ。アホ溝鼠。
 蛆虫ヘンリー野郎だよ!
 もーー!キャロ姉!足怪我したら大変だから、舗装されてない
 下り坂をヒールで走るのはやめようね??
 はしたない処か超絶可愛いけど、転けたら大変でしょ?
 あーーそれにしても、
 日光の下で見ると、一段と綺麗!お姉の色は世界一だね!!」

「前は婚約者ヘンリーとか、侯爵ヘンリーって言ってたのに、
 随分酷い扱いになったよねぇ。ま、トーゼンだけど。」

ぎゃいぎゃいと言い合いながら、キャロ姉に椅子を薦めるが、
屋台に行きたいと言われたので、じゃぁ、行こうっ!て2人で屋台に走り出す。

ーー

ーーーーー

「わぁぁ、素敵な房飾りですねぇ。クスッ…やぁっと逢えた。
 初めましてぇ。子猫ちゃぁんの再従兄弟のヘンリーでぇす」

「どーも、ヘンリー・ムーンダスト次期子爵殿。
 今回、フェリシア様の護衛を勤めますレックスと申します。」

「ふーーーん?最近、何か大胆じゃない?ちょっと前までは、
 ぜーんぜん尻尾を掴ませてくれなかったのにさぁ。
 なぁに?覚悟でも決めた訳ぇ?」

「うぜぇ位ぇ嗅ぎ回ってたから、可哀想になってな。」

「むーかつくぅ。てか、良いの?
 護衛サン、子猫ちゃぁんと離れて。お仕事中デショ?」

「お前はもう範囲外な届かないのか?」

「むかつく!届きますぅ!
 俺のキャロィには間違っても触れるなよ!」

ーーーーー

ーー

「はい!キャロ姉!玉子が垂れないように気を付けて食べてね!」

「これが玉子せんべい?美味しそう!」

キャロに玉子せんべいを渡して、
ふと、先程まで居た貴賓席を見る。
何だか溝鼠とアレックスがお話し中みたい。
なに話してるんだろう。
あ、こっち来た。

何だかキーキーしてる溝鼠は無視して、アレックスに玉子せんべいを差し出す。

「ハイ!レックス様の分ですよ♪」

「どうも。フェリシア様。して、これはどうやって食べるモノですか?」

アレックスがキョロキョロと辺りを見回すと、
丁度、齧った瞬間に目玉焼きがシュプール♪と地面に滑り落ちて、野良犬が嬉しそうに食べに来た男と目が合い、
視線を反らした先で、
カップルが、齧ったら横から黄身がタラタラと垂れて胸やスカートの裾に溢れて悲鳴を上げていた。

「……………フェリシア様、これは、罰ゲームか何かですか?」

「玉子が落ちるので、斜めにしたらいけないんですよ。
 後、黄身を食べる時は垂れるので、黄身を食べた瞬間に、
 垂れそうな部分は啜る必要があります。
 直ぐに啜れない時は、少しだけ後ろに傾ければ、
 直ぐに溢れてきません。
 でも、後ろに傾けすぎると目玉焼きが落ちます。」

「子猫ちゃぁん、も一回言ってくれる?覚えられなかった…。」

「ダンジョントラップの解除方法か何かか?」

「フェリ、私頑張る!」

「お姉頑張って!玉子さえ落とさなきゃ、
 クリンナップで汚れても綺麗になるから!」

そんな事を言ってたら注目を集めてしまい、
私が食べてるのを、皆が固唾を飲んで見つめ、食べ終わったら拍手喝采が起きてしまった。

でも、そのお陰で皆食べ方のコツを掴んだらしく、
玉子せんべいの屋台に長蛇の列が出来た。

唐揚げの屋台も好評みたいだ。4皿頼み、私とアレックスで1皿、
キャロ姉と溝鼠ヘンリー君で1皿、残りの2皿はチョロチョロしてる孤児ちみっこに渡して、奥のキッズスペースで食べなさいと放流する。
ちみっこ可愛い。

中央は今のところ大成功みたいなので、
アレックスに馬にのせて貰って、
他の地域を視察しに行くことにする。



そーですとも!

体のいい言い訳行ったけど、
二人きりになりたくて乗馬デートするんですーー!



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