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後期!

221: 地味令嬢とヤンキーと令嬢令息達の武芸祭後のお楽しみ。

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武芸祭が終わって、下の方で何となく、何となーく皆ソワソワとしているのを感じた。
何かあるのかな?こーゆーのは先輩に聞くに限るよね。

「ねぇねぇ、アレックス様。この後何かあるんですか?
 皆ソワソワしてません?」

「ん?……んーー……。」

ぇ?何々?何でそんな生返事なの?目が泳いでるよ??
ちょっとこっちみて??ほっぺポリポリしてないで、ねぇ。

結局、俺らには関係ない、なんて言いながら特等席をお片付けするアレックス。

何だったんだろう。

『皆ソワソワ、何かイベントあるん?』

取り敢えずバレリーに送ってみた。

『知らん。うちはもー帰る。』

そっか。しゅん。

お片付けが終わったアレックスに、もう一度、なるべく可愛ーく聞いてみる。

「ねぇ、アレックス様?教えてくださいよぉ。ね?お願ぁい、御主人様ぁ♪」

おでこにチュッてして誤魔化された。何だよ!
ぐへぇっと思うけど、甘ったるーい声でねだりまくる。ピーチクパーチク五月蝿いだろう?早よ教えろ!

ねーねー御主人様ったらー!ねーねー、ねーったらねーーー!

お、根負けした??

「別に大したことじゃないよ……。
 只、武芸祭で、好きな人や婚約者からの房飾りを付けて奮闘したら、
 令嬢も盛上がるから、その、2人の中が進展するカップルが多いってだけさ。」

「ぇ、つまり……。」

「令嬢が初めての婚前交渉するのは、武芸祭の後が多いんだ。」

「ほんとだ、私達にはカンケー無かったです。」

だから言ったろ?と笑うアレックスに笑い返す。
初めての婚前交渉かぁ。

ふと、出会ってから1週間の電マ責めの日々と、
夏休み最後の延々と絡み合った日々を思い出して赤面する。

うひ、うへへへへへ………。

慌てて恥ずかしすぎる記憶を頭から追い出そうとしていると、
背後からアレックスに抱き締められて囁かれた。

「ナニ、思い出してる?フェローはスケベだなぁ……。」

「ウヒ!ヒャッ」

思わず変な声が出て、アレックスに笑われてしまった。

「久し振りにドラゴンステーキでも食べに行こう。
 学園内は、ほら、初々しい………で溢れるだろうから…。」

何となく、濁された部分を察しながら、アレックスからいつものローブを受け取り、2人で手を繋いで門へと向かう。

何だか、こうして手を繋いで歩いてるだけで今日は意識しちゃうな。

ふと、バトルしてたアレックスを思い出す。
房飾りマウントが恥ずかしくて忘れてたけど……。

「今日、戦ってるアレックス様格好良かったです!」

「フェローにそう言われると嬉しいな。
 今日は不良らしい粗野な戦い方だったが、来年は本気出すからな。
 全部門優勝するから、楽しみにしててくれ。」

スッゴい自信。
でもまぁ、攻略対象に余裕そうに勝ってたもんね。
来年も同学年のロンドミオとスチュアートがいるけど、剣術でスチュアートに勝つ自信あるのかな?凄いなぁ。

攻略対象より攻略対象な超人っぷりにそんな事を考えながら、
私達は馴染みとなった店に向かった。

初めて連れてこられた時は感動の嵐だった異世界物語な店も、
今では、私もその中の登場人物として相応しいくらいに馴染み、
夢中でステーキを頬張り、エール?的なビジュアルのモノを飲み、
騒いだ。

店を出て、少し歩く。

「小舟に乗ったのを覚えてるか?」

アレックスが懐かしそうに呟く。
あれを忘れるワケないじゃん?

あんなデート、忘れる時は、

その記憶と引き換えに世界でも救う時だけだよ。



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