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後期!
214: 地味令嬢とヤンキーのキャンプデートと虹色の月。
しおりを挟む死ぬかと思った……。
起きた心の第一声がそれ。
起きたらもう夕方で、振り替えると敷き布の横に、ゆったりとした天幕が張られていた。
え、憧れのグランピング……?
思わず怒りを忘れてキュンとする。
天幕のナカには、円形のふかふかしてそうな分厚いマットが敷かれ、エキゾチックな色合いのクッションが山ほどあり、何かこう、石油王のハーレム!って感じだった。
アレックスは?と思ったら、私の腰を抱き締めて眠っていたらしい。
身を捩って上体を起こしたせいで、アレックスを起こしてしまった。
「……ん、おはようフェロー……。~~っふぁぁ……。」
欠伸をしたアレックスが、んーーっと伸びをして、チュッとキスをしてくる。
「何か軽く食べようか。」
「何だか私、最近、エッチして食べてばっかりな気がします。」
直ぐに食事の用意をしようとするアレックスに、苦笑いしながら言うと、
どこか済まなさそうな顔したアレックスが言う。
「だって、俺が激しくするせいか、最近フェロー、メキメキ痩せていくから。
俺が夢中になって食事を抜かしてしまうこともあるし……。
ちょくちょく疲れて食事を取らずに寝てしまう時もあるし。
マカロンや甘いモノを小まめに食べさせてたら、少し回復してきたけど、もう少しふっくらしてたろ?」
「あ、あれ?マカロン最近良くくれると思ったら…
そーいう?」
「勿論、マカロン食べさせた時のフェローが可愛いから食べさせてるのが一番大きな理由だな。」
そういって、チュッ!と頬っぺに1つキスを落とすと、
アレックスはエスプレッソと色とりどりの1口ケーキを用意してくれた。
わーいわーい!
その後、天幕をそのままに暫く草原を散歩したり、
花を愛でたり摘んだりして遊び、
暗くなってきたら沢山の魔法ランタンを漂わせて、幻想的な中で夕御飯を楽しんだ。
大きな火鉢の様なものの上で火を炊き、
火に掛けた鍋でチリコンカーンを温めて、チーズを載せてパンと一緒に食べた。
アレックスが肩に掛けてくれたブランケットが、焚き火が、チリが温かくて、何だか心の底からほっこりした。
とっぷり日が暮れたらランタンを消し、2人で肩寄せあって月が昇るのを見ていた。
蜂蜜色で、大きくて丸くて、とっても美味しそうな月は、
高度が上がる度に白く微かに虹色の光を放ち始め、
昨日の血が騒ぐようなエネルギーに満ちた輝きではなく、幻想的で何処か儚げだった。
本当に不思議。異世界なんだなぁ。
昼間、明るい日差しの下で私のイヤーンな所を存分に観察したアレックスは、
今度は虹色の月光の下に私の全裸を晒したがった。
腹が立つから、ストリップしてくれたら脱ぐと言ったら、本当にストリップしよった。
馬鹿だ!馬鹿だ馬鹿だ!へーんーたーいーだーー!!
髪を掻き揚げ、こっちを見つめながらボタンを一個ずつ外したり、タイを咥えて指で肌を引っ掻くようにしながら撫でていく様は超エロくて、鼻血が噴出するかと思った。
一体そーゆーのは何処で覚えたの?
と思うような扇情的な脱ぎ方で、しかもこっちに迫ってくるから、エロいを通り越して最早怖かった。
最後の一枚を脱いで、どや顔で交代された時はもう絶望だった。
仕方無いから一枚ずつ脱いでいったが、
だだっ広い原っぱで脱ぐという行為にモジモジしながら脱ぐ私を、
アレックスは、それはそれは、嬉しそうに見つめていた。
月の魔力のせいか、
こんなところで2人で全裸で致してるせいか、
何だかムショーに盛り上がり、昨日より弱い虹色の光が消えて、空が白じんでも私達はお互いを貪りあった。
気持ちよかった。
でももう2度とやらん。あーー恥ずかしかった。
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