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後期!
198: 地味令嬢は地味令嬢に、ヤンキーはヤンキーに還る。
しおりを挟む空き教室に戻るとまだフェリたん(アレックス)は帰ってきてなかったので、鏡の前でダンスでも踊って暇を潰す。
どの角度を見ても超絶イケメンなので、嬉しくなって、部屋中の鏡を囲むように並べて踊る。
パーティーローック!な曲から、セクシーな曲、
しっかり覚えている曲は全部再現出来るので、踊って、色んな角度からのイケメンアレックスを堪能する。
はー♡鼻血出そう♡♡
と、いつの間にか壁に凭れてフェリたん(アレックス)が此方を見ていた。
降ろしたプラチナブロンドに、色眼鏡を外して持ったまま腕組みしている。
中にアレックスが入ってるだけで、あんな凛々しい感じになるんだねー。
クリンナップして話し掛ける。
「あれ?いつからいたの?お帰りなさい、アレックス様。」
「俺の体で随分楽しんでるみたいだな……。
こっちは、交遊関係やトイレ問題だとか心配が山積みだったのに。」
「あ、トイレ!行ってみたい!男の感覚興味ある!」
「フェロー、やめなさい。」
思わず下半身を見るとアレックスに叱られてしまった。
ちぇー。
「あ、そーだ!男の体でエッチしてみたい!
ねー、アレックスちゃん♡俺様とエッチしない?」
ビョーン!とベッドに飛び込んで、こてん、と首傾げて上目遣いでアレックスを誘ってみる。
男って、どんな感じなんだろう……。ワクワクする。
アレックスがフフッと大人びた顔で笑って近付いてくる。
何だか、いつも見る自分よりだいぶんオネーサンな感じ。
色っぽいけど、何処か、男性的で……。
麗人!麗人って感じ!
女子高のトップに君臨してそう!!
「全く……好奇心旺盛で、
イタズラばっかりしようとするんだな…、俺の性悪猫は。」
するっ……と頬を撫でられて、期待と、アレックスの色っぽさにキュンキュンする。
わーいわーい♡
っあ?何か、首にチクッと……。
「バカだな、全く……。」
ふふっと笑う大人っぽい声を聴きながら、
俺様の意識は闇に沈んだ。
ーー
ーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
「………って、はっ!ここは?!
色っぽいアレックスちゃんは!?」
がばり!と目を覚まして起き上がると、
いつもの空き教室のベッドにいつもの私、フェリシア・ムンストーンの体だった。
傍らで読書していたアレックスが此方を見る。
「起きたか。おはよう。もう、体はちゃんと戻ったぞ。」
「えーーー!!そんな……!男の体でエッチしてみたかったのに……!」
「すまない、フェロー。
フェローの望みは出来るだけ叶えてやりたいけど…、
抱かれる趣味は無くてな。
それで、考えたんだ……。」
アレックスがゆっくりと私を押し倒し、制服を脱がせてく。
ぱつ、ぱつ、とボタンを外す音がエロい。
「フェローなら、さっきみたいな呪術具や、
体を男性化する魔道具を頑張れば作れそうだろ?」
アレックスが制服を取り除き、シャンパンゴールドに水色のピンストライプとリボンのブラとショーツが露になる。
何だか気になって、爪先から頭のてっぺんまで、念入りにクリンナップする。
「俺としては、好奇心からとはいえ、
そういう浮気心は持って欲しくないんだ…。」
そっかぁ、アレックスと入れ替わった状態ならって思ったんだけどなー。
「だから、男の感覚を経験してみたいって思わなくなる位、
女の快楽に溺れたら良いんじゃないかって思ってな。」
え。
「ほら、現状に満足してれば他を求めたりしないだろう?
つまり、今までのだと、キモチイーが足りてなかったって事だ。
全く、申し訳ない。」
えっ。
ニッコリ笑うアレックスから、凄い圧を感じ、
喉がごきゅりと鳴る。
「たーーっぷりキモチ良くしてやろうな。」
そういって、ぞろりと揃った歯を見せて肉食獣みたいに笑ったアレックスは、恐ろしく凶悪で。
私が演じたアレックスなんか吹き飛ぶくらい格好良く、
ヤンキーぽかった。
そして多分、
今日私が青ざめさせた誰よりも今、
私は青ざめている……。
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