本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why？

後期！

185: 地味令嬢とヤンキーの初☆夜会、そして、いつもの桃色お邪魔虫。

バルコニーに設置された冷たい大理石のベンチ。

令嬢に勧める時にハンカチを下にひかないよーな男とは視線すら合わせないように。

そういって、アレックスはベンチにハンカチを敷いてみせて、
座ろうとしたら、アレックスの膝の上に座らされた。

Why？

「大理石のベンチは冷える。
　ここはガッチガチに認識阻害やらなんやら掛けてるから、
　別にイイだろ？」

まぁ、いっかな？
確かにベンチよりキモチいーしね。

アレックスにしなだれかかりつつ、スパークリングをちびりと飲む。

んむふふふ。おいしー。

シュワシュワした泡の弾ける冷たい喉越しについつい、
こくこくと飲み進んでしまう。

極極弱ーいアルコールと言っても、夜会に馴れないうちはダメダメ。
慌てて自分を叱咤する。

ふと、アレックスの肩越しに下を見ると、暗い庭園に、沢山のイチャイチャカップル達がいた。

「ぉぉ……！」

「こら、出歯亀は行儀悪いぞ。」

その後も、アレックスの、夜会のコンナコトに気を付けよう！講座は続いたが、
どうやら、アレックスさんは私に実践をさせる気ないね……？

こんな、実践しかないよーな夜会に来て、
まさかバルコニーに閉じ込められて講座受けるなんて、誰が想像しようか。

こんなことならお部屋で寝てたかったです。

アレックス先生、魔道具作成がしたいです……。

なんて考えながら見つめてると、目があったアレックスがニッコリ微笑んで銀のトレイに沢山乗ったアペリティフを差し出してきた。

「きゃぁぁ♡なんて素敵な有能執事さん！」

「おいこら、誰が執事だ。
　ゴシュジンサマに向かって、なんて事を言いやがる。」

「アハハ…今この瞬間を老若男女百人にみせたって、
　誰一人アレックス様が私のゴシュジンサマだなんて思わないですよ♡」

あ"ーーっと口を大きく開けて、ランプフィッシュキャビアとサーモンが乗ったチコリーを一口で戴く。

ふっふー♪おーぃし。

「フフッ……ならきっと、
　老若男女百人に今この瞬間を見せたら、百人が百人、
　この国で一番生意気なのはフェローだって言うに違いないな。」

「可愛いの間違いでは？」

「五月蝿い、性悪猫め。」

「きゃ♡ヤーダァ…ア『キャァーーー！！ヤダ！止めてください！』




「「んぇ？」」


イチャイチャムードが凄い勢いで月まで吹っ飛んだ気がする。

バルコニーから階下を見ると、

ヒロインが数人の高飛車なポーズを取る令嬢に囲まれていた。



あ、イベントですやん！



「くそっ！ムードが台無しだ！
　この近くには人を近付けないようにしろって言っておいたのに！」

「や、人気なくしたから、
　こーゆーのに使われるプレイスになっちゃったんですよ……。」


バルコニーから、2人で顔だけだして様子を伺う。

アレックスがいつものノンアルモヒートと、アペリティフを盛り合わせにしてくれたので、
有り難く戴いて、イベントを肴にモグモグ戴く。


どーなるのかなー？？

おら、ワクワクすっぞ！