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後期!

181: 地味令嬢とヤンキーと新学期1日目。

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夏休み、最後の2週間は本当に色々やったな……と、痛む頬を擦りながら回想する。

ていうか、授業暇。

後期1発目は殆んど、どの授業も今後の予定や授業の説明、
メンバーの親睦を図る感じらしく、超絶退屈だった。

提出物出したら帰って良い授業もあるらしい。

空き教室に帰ろうかな。
欠伸を噛み殺して考える。眠い。

夕べはヒロイン達も女子寮でお楽しみでは無かったので、久々の1人寝を満喫していたのだが、
目覚ましが鳴る前に黒尽くめのアレックスに両ほっぺギューの刑で叩き起こされてしまった。

どうやら、昨日の夜もおうちのお手伝いがあったらしい。
起きたら全身が落書きだらけでさぞかし驚いたろう。
その顔は見てみたかったなぁ。

取り敢えず顔や手の落書きだけ消してお仕事したらしい。

超ウケる。
背中にあの雲龍背負って護衛任務してたのかぁ。
アヒヒヒヒ!ダメだ、授業中なのに、マナーモードの携帯みたいに震えてしまう。
違うこと考えよう!
2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024,2048,………。


真面目なふりして授業を乗り越え、その日は提出物を出す授業も無かったので、とっとと空き教室に帰った。

小腹減ったなぁ。

空き教室に入ると、何と無くあちこち黒ずんだアレックスが寝椅子で寝ていた。

荷物を置いて、そっと唇にキスをする。

あ、うっすらド◯えもんの名残が見える。
アヒヒャヒャヒャ!笑いを堪えて携帯のように振動しているとアレックスが目を覚ます。

「ぷぷっ……アレックス、様…ふっ。おはよーございます……」

「良くもまぁ、あんな全身に描いたもんだ……。
 余りの衝撃に怒りを通り越したよ。怖がらずに部屋で見てたら、俺の間抜けな面を見れたのに、残念だったな。」

「怒らなかったんですか?なら、起きる頃に戻れば良かった……」

本当残念。

「さあ、消すのを手伝ってくれ。風呂に行こう。」


はいはーい。


くわっ…と欠伸してアレックスが風呂に向かう。
おもむろに脱いだ背中に、少し滲んでドスの効いた雲龍が鎮座していた。

「アッハッハッハッハッハ!!」

「おい、黙れ!また昨日みたいに一晩中されたいのか?」

振りっ返ったアレックスの胸はにこぱーとした笑顔のお花で埋め尽くされ、腹には缶ビールが6つ並んでいた。

「ハーーッハッハッハッハッハッハッハ!!」

「おい、この性悪め!次笑ったら只じゃ置かないからな!!」

流石にヤバそうだったので、頑張って口を塞ぐ。
アレックスがズボンも脱ぐ、筋肉が図解されてる足がとても逞しくて思わず見とれていると、オケツ探偵と目があった。

ファーーーー!!

笑いを必死に堪え、机の上のマナーモード携帯みたいにバイブレーションしながら、

アレックスに続いて風呂に向かった。





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