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後期だ!(まだ始まってない)

180: 芸術が爆発した地味令嬢とキャンバスなヤンキー。

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夏休み最終日、

よろよろと起き上がって、シャワーをした後、
アレックスのマジックボックスからポテトやチキンなどのファーストフードを食べ漁り寝る、を繰り返した。

流石のアレックスも大分お疲れの様で、俯せで泥の様に眠ってピクリともしなかった。

広くスベスベの背中が無防備に晒されていて、どーしよーもなくウズウズしてしまい、
マジックボックスから取り出したアイライナーで背中全面に雲龍図を描いた。

嵐山の有名なお寺のヤツである。
前世で何度も模写したせいで、大変上手に書けました。

いやー!アレックスに和柄似合わないーー!

爆笑を我慢したせいでスマホのバイブ機能みたいにブルブルする。

調子にのって、ポテトを食べては太腿に牡丹やら鯉やら描いて。

腕は趣向を変えてギャングスタっぽく薔薇とかクロスとか骸骨、マリア像、カクカクした独特のフォントで英字で厨二臭いのを色々。

反対の腕はバイカーっぽい薔薇とか虎とか勢い余ってザビエルとか描いた。

疲れては横で寝て、起きては又、チキンやハンバーガーを食べながら、落書き。

脚の余白は巨人漫画か人体模型みたいに筋肉を描いた。

足の裏には肉球を描いた。熊の掌みたいな。

お尻は右下の方になんとなくスマイルマーク描いて、
絵本のオケツな探偵さんの顔描いて、決め台詞描いて、 

指が枕の下から出てきたから、アレックス最高ってなるように指一本一本に文字描いた。
良くラッパーとかがやってる、握り拳2つくっつけたら文章になるヤツね。

と、くすぐったかったのか、仰向けになったものの、
やっぱり眠りこけているアレックスが本当に、
お絵描き帳にしか見えなくなっていて、



顔をイケメンなドラ◯もんにした。
喉に首輪と鈴も描いた。

立派なシックスパックを缶ビール六缶パックにして、

胸は何と無く乳首を花にしたところで閃いて、村◯隆のスマイルなお花を胸筋中に散りばめてやった。

そうやって出来上がったアレックスは、混沌そのままだった。


すやすや眠る顔がドラ◯もんになっていて、危うく鼻からポテトが出るところだった。

あー楽しかった!
あー可笑しい!

満足した私は、アレックスにそっとシーツを掛けて、服を着て寮に戻った。

起きたら怖いし。

夕飯に近い時間だったので、カフェテリアで軽食を買い、

寮で人目を忍んでバレリーに注文の品を渡し、

その日はそのまま寮で寝た。



怖くて空き教室に戻れなかったのだ。

でも楽しかったから後悔はしていない。



その夜は、明日から新学期だというのに、思い出し笑いで中々寝付けず、

いつまでもベッドがバイブレーションしていた。


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