上 下
174 / 354
後期だ!(まだ始まってない)

175: 地味令嬢とヤンキーの何でもない日の何でもない時間。

しおりを挟む


ぐらり、と世界が揺れて、

揺ら、揺ら、

揺り篭か、ブランコか、

暖かい。

ポカポカしてきた。

ふわり、と、少しウッディなグリーンノート。


……ベルガモット、 シダー、 少し、サンダルウッド……。

大好きな香り。
大好きな人の香り。

すり、とポカポカする柔らかい壁におでこを擦れば、
くすり、と微笑む気配がする。


ふわふわもぞもぞして、ブワッと温かくなる。

あ、これ、お風呂だ……。


ゆっくり、湯船に沈められて、眠くて動かない体がぷかりと浮く。

バスタブの縁に頭を乗せられて、ゆっくりおでこにお湯が掛かる。

優しく頭皮をマッサージしながら髪を洗ってくれて、
髪をトリートメントしてくれて、
体を優しく洗われて……。

アレックス……
と、もごもご呟けば唇がふわりと塞がれる。

ーー

ーーー

ーーーーー

気が付いたら、湯船に浸かっているアレックスの上に跨がり、
アレックスの肩に頭を乗せて湯船に浸かっていた。

アレックスが何度も肩に湯を掛けてくれる。

髪を手櫛で優しくすいてくれるのが心地好かった。

そっと、アレックスの肩に口づける。

くすり、と笑ってアレックスが髪に口づけた気配がした。



ーーーーーーー

ーーーー

ーー


次に意識が浮上した時は、ベッドの中で、

数日ぶりにアレックスの腕の中で眠っていた。


随分久し振りに感じる、滑らかな肌の感触と温もりに嬉しくなり、
もそもそとくっついて、目の前の首や鎖骨にキスの雨を降らせる。

アレックスの意識も少し浮上したのか、
頭にキスを返してくるので、
泥のようにくたくたと重い体を引き摺り上げて、彼の弾力ある唇に口づけした。

アレックスのアメジストの瞳が開かれる事はなかったが、
重そうにもたげた手がふらふらと私を求めて彷徨い、私の体に絡み付く。

なかなか開かない瞳を擦り擦り、上体を起こすと、
外は日も高いのか、塞がれた窓から白く強い光が射し込んでいた。

重い体を、鯨が砂浜に打ち上げられるかの様にアレックスの上に乗せ、
アレックスの唇から首筋、鎖骨を通って、胸や張りのある腹筋まで、唇と舌で散歩する。


臍の下、腰骨に寄り道してから、下生えの付近まで降りる。

私のとは違う、硬い太腿を、膝の方から撫でながら根元に近付くと、
胸の谷間にもぞもぞと侵入り込んでくるモノがいた。

私に反応してくれているのが嬉しくて、そっと、胸で挟んでみてから、
その大きくなりつつあるモノをよく検分しようと手を添える。


指が、その独特の硬さを感じた瞬間、
ガバッと凄い勢いでアレックスが起き上がり、あっという間に両手を掴まれ、唇を塞がれる。

そのまま、抱き上げられ、アレックスの腕に閉じ籠られて激しくキスをされる。

呼吸を奪い、口のナカの弱い所をこれでもかと舌で攻め立てられ、抵抗を試みるも前後不覚に追いやられる。


「イタズラ性悪猫め……。おちおち寝てられやしない。」

「……寝てらして、良かったのに…。」

ふふっと笑いながら、そういうと、ギュッと鼻を摘ままれた。

痛かったが、拗ねたアレックスが何だか可愛くて、思わずクスクスと笑ってしまう。

「淑女みたいな言い方したって許さないからな。

 後でお仕置きだ…。」

アレックスもクスクス笑って鼻で鼻をつついてくる。

私の手がアレックスの髪を掻き上げて、
アレックスの大きい手が私の髪を掻き上げて。

二人で何度も啄むように口づけをした。



新学期まで後3日。

ヤりまくったと思ったのに、急に、まだ足らない気がして、

私達はどちらともなく求めあった。


しおりを挟む
感想 122

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

処理中です...