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後期だ!(まだ始まってない)

169: 地味令嬢とヤンキーの日常と、先行き。

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もう、すっかり2人でご飯がスタンダードになってしまった。

二人暮らしとか、前世でも憧れたなぁ……。

窓の外からチロチロリリロリと微かに虫の音が聞こえる。

角切り具材がキレイに色毎に並んだコブサラダ、
シナモンが少し効いたパンプキンサラダ、
ローストビーフ、
太めのフライドポテトにチリコンカーン、
具沢山ブリトー。

少しメキシカンな料理多めのダイナーなのかな?
どれも美味しくてモグモグと平らげる。

やっぱり、私またレベルアップしたなぁ……。

セックスだけでレベルを上げる女、フェリシア・ムンストーン……なんて不名誉!なんたる恥辱!

いや、寧ろ向こうが、
セックスで相手のレベルを上げる男アレクサンドロ・オブシディアンなのでは?

そーだ。きっとそう。

これはあいつのせいだもん。
アイツが悪い。
私は気にせんとこう。

ポテトを齧りながらアレックスを見やると、ニコニコ上機嫌でチリを食べていた。

視線に気付いて、更にニコッと爽やか笑顔になる。

くっ!可愛い。

「そーだ、フェロー。後期入ってすぐ、舞踏会があるだろ?
 眼鏡かけた茶髪の二年の男爵子息がパートナーに誘ってくるから、それを受けろよ。」

舞踏会?あー。結構なイベントですやん。
攻略対象勢揃いな絵面を思い出して思わず顔が曇る。

「……そんな顔するなよ…。
 そんな、悪いヤツじゃないぞ。」

何か勘違いしたアレックスがモゴモゴと言う。

あー。前言ってた丁度良い男を宛がってくれるってヤツ?
や、別にそれに文句がある訳じゃないんだけどな……。

「舞踏会、出なきゃダメですかね……。」

「は?……え?…出ないつもりだったのか?」

驚くアレックスに頷きで返す。

「まさか、入学式後の舞踏会は……。」

「部屋で寝てました。」

「……成る程。取り敢えず、今度の舞踏会は出ろ。命令だ。」

命令か、しゃーねーなーやだなーいやだなー。
なるべくゴキブリの如く壁に張り付こう。

舞踏会イベントの事を考えると一気に気が重くなった。

「ドレスは……あの、クローゼットに一着かかってる紺色のを着るのか?」

「そうですね。ダンスの授業と舞踏会用に作ったので。」

「ダンスの授業と舞踏会、両方アレで済ますつもりだったのか……。」

アレックスが顔を手で覆って呻く。別に良いじゃない?

「まぁ、一年目の舞踏会は出るつもりなかったので……。」

チラッとアレックスを見る。出来れば

「舞踏会は出るんだ。」

ちぇっ。



話は終わり、食後にマカロンとエスプレッソが出てくる。

何だか、マカロンは私の超大好物!

みたいな認識されてる気がするけど、違うからね?
普通に他のスイーツも好きだよ?

兄妹でマカロン談義したせいで勘違いされてる気がする。
まぁ、でも、このマカロン超美味しいけど。

ピユール・ヘルメ風マカロンを齧りながら、つらつらとそんなことを考える。

エスプレッソを飲み終わったらしいアレックスが、此方にやってきて、マカロンの合間にキスをする。

正直、政略結婚だらけなこの国で、高位貴族と恋愛で結婚まで行けるとは思ってない。
少しでも、その後の私を取り巻く人間関係が円滑になるようにしてくれたら、それで感謝感激である。

だから

「そんな顔しないでください、アレックス様。舞踏会が気が重いだけで、他意はないですから」

爽やか笑顔も吹き飛んで、つらそうにアメジストの瞳を歪めているアレックスの頬を撫でる。

眉間の皺を揉み込めば、やっと少し、マシな顔つきに戻る。



その夜はセックスせずにお互い抱き合って寝た……

とかだったら良かったが、そんなことはなく、
いつもより激しく、
貪るように抱かれ、

泣いて喚いて懇願しても終わることなく、

朝まで抱かれ続けた。



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