上 下
164 / 354
後期だ!(まだ始まってない)

165: 地味令嬢の美味しい時間と贈り物。ヤンキーは二度と驚く。

しおりを挟む


「わぁ!美味しそう!!スッゴいいい匂いー!」


今日は朝から大量の中華だった。

焼売に翡翠色や桜色など、色取り取りの蒸し餃子。
肉まんに桃まん、北京ダックバーガーにニラ饅頭。
春巻、ゴマ団子、担々麺に白湯麺、クラゲの酢の物に肉団子の唐揚げ、八宝菜に海老天……

くぅ~!お、い、し、そー!!

超特急でソファに座れば、香り高いジャスミンティーを添えられる。

うはー。

アレックスと一緒に食前の祈りをして頂きますしてムッチリした蒸し餃子にかぶり付く。

桜色の海老蒸し餃子は、ナカのエビがプリプリしてて、むほほ、堪りませんなぁ。
焼売も肉汁たっぷりで、小籠包のスープも、うーーん唇が吸い付くコラーゲン感!
夕飯をうっかり抜いてしまったせいで飢えまくっていた胃袋が、歓喜の唸り声を轟々とあげる。

美味しい!

アレックスを見やれば、こっちも腹ペコだったのか、勢い良く北京ダックバーガーにかぶり付いていた。

その美味しそうに食べる姿が、更に私の食欲に火をつける。

結局、大量だと思ったのに、二人で殆んど平らげてしまった。

ふぅ、美味しかった♡

ジャスミンティーの苦味がお口をスッキリさせてくれる。

と、左小指に絡み付いたピンキーリングが視界に入り、昨日頑張って作ったプレゼントを思い出す。


「ふぅ、御馳走様でした、アレックス様。いつもありがとうございます。」

「どういたしまして。ナカナカ旨かったな…。庭園の美しさもウリらしいから、今度店にも行こうか。」

マジで?嬉しいなぁ!ニコニコと頷く。

「ぁ、アレックス様、これ、お揃いで作ったんです。最低限の機能しか付いてないですが……。」

いそいそとマジックボックスからプレゼントボックスを取り出し、アレックスに差し出す。

テーブルの先に居るアレックスに差し出すため前重心になり、一瞬、プロポーズでパカッと指輪を見せる直前みたいな体勢になってることに気付いて顔が真っ赤になる。

どーしてこの手付きで差し出しちゃったのかな。

パカッて出来たらプロポーズだよ!
リボン掛かっててパカッて出来ないけど!

アレックス早く受け取って!

アレックスが受け取り、リボンを外す。

アクアマリンカラーの小さな石が嵌まった燻銀のピンキーリングに、アレックスの両眉が上がる。

「……これは…。」

「ちょっとした小物入れに便利かと思って…。マジックボックスです。戸棚程度の容量で、品質保存も無いですが。」

自分の左小指に絡み付くアメジスト色のピンキーを見せて説明する。



「……はぁ?マジックボックス!?」

思ったより驚かれた。

「作ったのか?自分で??」

「最低限の機能だけなら、私程度の知識でも出来ました!
 あ、ちゃんと術式学の教授に式を見て貰ったので、安全ですよ!」

その辺もバッチリよ!と笑顔でサムズアップする。

対するアレックスは、はぁ、と嘆息して頭をガシガシ掻いている。

「全く…指輪を贈られた驚きが消し飛んだ。だが、凄く嬉しいよ。ありがとう、フェロー。」

早速、同じ左小指に着けてくれて蕩けるような笑顔で礼を言われる。

その笑顔が嬉しくて、お揃いの指輪が気恥ずかしくて、照れたり喜んだり、

私は赤い顔でモジモジソワソワした。


しおりを挟む
感想 122

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~

あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……

最愛の番~300年後の未来は一妻多夫の逆ハーレム!!? イケメン旦那様たちに溺愛されまくる~

ちえり
恋愛
幼い頃から可愛い幼馴染と比較されてきて、自分に自信がない高坂 栞(コウサカシオリ)17歳。 ある日、学校帰りに事故に巻き込まれ目が覚めると300年後の時が経ち、女性だけ死に至る病の流行や、年々女子の出生率の低下で女は2割ほどしか存在しない世界になっていた。 一妻多夫が認められ、女性はフェロモンだして男性を虜にするのだが、栞のフェロモンは世の男性を虜にできるほどの力を持つ『α+』(アルファプラス)に認定されてイケメン達が栞に番を結んでもらおうと近寄ってくる。 目が覚めたばかりなのに、旦那候補が5人もいて初めて会うのに溺愛されまくる。さらに、自分と番になりたい男性がまだまだいっぱいいるの!!? 「恋愛経験0の私にはイケメンに愛されるなんてハードすぎるよ~」

処理中です...