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後期だ!(まだ始まってない)

160: 地味令嬢の気分は天国から地獄、獄卒ヤンキーの裁き待ち。

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暗い室内、手元ランプの光でキラキラ輝く宝石達を選別する。

次は、誰にあげるのを作ろっかなー?

あ、でもでも、アレックスにも他に幾つか予備有っても良くない?
便利だよね?

特にアクアマリンにしないで、普通の、あ、オブシディアンぽく只の黒い石ってのは??

と、ギシッと机の縁、私の両脇に大きな手が現れた。

「…? あ!アレックス様!おかえり…な、さぃ……?」

振り返り、アレックスだぁ♡と思って笑顔になるも……アメジストの瞳が冷たく見下ろしていて……

何か……スッゴク……怒ってない?

「………只今、フェロー。」

わぁ、声、冷たぁい……。

腹の底が凍てつく様な態度に、危険を感じ、思わずごきゅりと喉が鳴った。

プレゼント、渡しそびれたなぁ……。

「……夕飯は食べたのか?」

冷たく短く投げられる質問に、思わず闇の中時計を探す。

「…夕飯?」

今何時だろう。パッと灯りがついて、時計が2時手前を指していた。

「あ、まだ2時かぁ。まだ何食べるかは決めてませんよ。アレックス様はお昼食べたんですか?」

「…昼はフェローとチキンを食べたよ。夕飯は家業の手伝いをしながら野営食を食べた。おいで。」

机の上を粗方纏めていると、タイと上着を脱いでシャツだけになったアレックスに淡々とベッドに誘導される。

ヒヤッとした態度が怖いから、笑顔を貼り付けて素直に従う。

……えーと、てことは?

「あ、はは…ちょっと夢中になりすぎちゃったかな。もう、夜中、なんだ……ハハッ」

ゆーはん食べ損ねた感じかぁ。そーいや空腹だけど、言える雰囲気ちゃうなぁ……。

素直にベッドの真ん中にペタンコ座りしてアレックスの動向を見守る。

と、マジックボックスを私に預けてたからか、布袋を取り出したと思ったら、ドサドサと中身をベッドの上にぶちまける。



……………………………手枷、バイブ…?ディルド?
めっちゃ色採りどりのキャンディカラーで華やかやゎ…
足枷?と、何の棒?それ。

その、ピンクのイボイボめっちゃ付いてるん、何?
異世界のホヤ?

え、持ってきただけやんな?

使わんよな?

全部、使わんよな……?

判りそうなのと、判らなさそーなのと、半々くらいで、大量で。

血の気の引いた顔でアレックスを見上げれば、シャツを脱ぎつつ冷たーい目で見下ろす肉食獣が居た。



あ、アカンやつや。

何となく、初めて空き教室に連れ込まれた日を思い出しながら、私はされるがまま、服を脱がされ転がった。

心臓がうるさい。

どうしよう。


ギシリ、と音を立ててアレックスがベッドに乗り込んでくる。
怖い。

手枷、付けられる。
怖い。
足枷、付けられる。
怖いぃ。
首に付いたまんまの首輪に鎖繋がれる。
怖いよぉ。

手枷足枷は黒い革製で内側が紫のファーなのがちょっと可愛い。

今のところ、枷に鎖が繋がってないので只の手首足首ウォーマーです。
パンクファッションDEATH☆

うん、可愛いね。うん、現実逃避だね。

取り敢えず首輪で繋がれて、手枷足枷だけ付けられた状態で私はペタンコ座りで全裸モジモジしてます。

何故なら、目の前で腕組んで膝立ちで見下ろしてるアレックスから仁王像みたいな憤怒のオーラが出てるからです。

不動明王かもしれまてん。

ちらっとアレックスを見るも視線が怖すぎて、つい俯いてしまう。


なに怒ってんだろう……。

って思うけど、こーゆー時って、それが一番怒らすセリフだよね。


うーんうーん。


思い当たる事、思い当たる事……




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