153 / 354
後期だ!(まだ始まってない)
154: 仕事モードな地味令嬢と溝鼠とヤンキーの不機嫌。
しおりを挟むモテなかったなー、あの頃。
何て甘塩っぱい思い出を懐かしみつつ、楽しく食事した。
朝かと思ったけど、今昼すぎだったらしいよ。
道理で食事がランチっぽいと思った。
朝起きてエッチして気絶して4時間後に起床、遅めのランチして現在に至る、て事らしい。
「窓が塞がれてると時間感覚が狂いますね…」
「あぁ、そうか。そうだな……。」
考え込むアレックス。何か改装されちゃったりして。
とか思ってると、ふいにアレックスがマジックボックスから紙束を出してきた。
「そうだ、忘れていた。さっきフェローの部屋に着替えを取りに行ったら、テーブルの上に置いてあったんだ。」
そういって渡された紙束の上に見慣れたサインのメモ書きを認め、思わず顔が苦くなる。
ーー鼠の尻尾みたいにのたくったWhere の文字と、溝鼠の足跡。ーー
うげ。あいつ、人の部屋入んなよなー。
ちらっと見たら、やっぱりアレックスは怪訝な表情をしていた。
紙束は執事のロッドからの、私の事業の報告書と、各工房への次の指示等を仰ぐものだった。
アレックスがペンを貸してくれたので、コーラを飲みながらそれぞれ承認のサインをしたり、訂正、次の指示を書き込んでいく。
間に紙質の違う報告書があると思ったら、溝鼠の報告書かよ。
5日間も部屋に帰らなかった事を、
それはもーネチネチ、ネチネチ、ネチネチネチと非難がましく書き連ねてあって、
思わず紙面に向かってオエッと吐く真似をする。
恨み言のページを読み、報告のページを読んで、今度は怒りで吐き気が汲み上げる。
「なんなのこれ。はーー。あいつブッ殺。今に見てろよ!」
取り敢えず、溝鼠さんにもお返事を書いて、封筒が無いなぁっとキョロキョロして、
アレックスが目の前に居ることに気付く。
「…あっ。アレックスはま…」
噛んだ。
「ブッ殺とは穏やかじゃないな。それは誰から?」
なんか、怖い……?
「ど、ぁ、再従兄弟の……。」
「その手紙、一番上にあったメモと同じ紙だな。」
アメジストの瞳が冷たく射抜くようで、口が挟めず、身動ぎ一つせず、アレックスを見つめる。
「……普通、寮の管理人が手紙を預かるから、
個室に手紙が置かれるのはまずない。
あったとしても、宅配と同じようにドア付近に置く。
学生同士ならドアの隙間からだ。
それが、封筒もなしに剥き身でテーブルにあった。
俺は、そのメモを書いたヤツが、何らかの手段で
鍵の掛かったフェローの部屋に入ってコレを置いていったと思ってるんだが……?」
ヒィィィィィ……!!
アレックスメチャクチャ怒ってる……!
一気に血の気が下がって口がカラカラになりながら、
私は事情を説明する為、
ない脳味噌を捻った。
12
お気に入りに追加
2,299
あなたにおすすめの小説


夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?


お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる