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夏休み領地篇
91: 茶会は終わり、地味令嬢は門番の後輩に仕返しされる。
しおりを挟むそろそろ合流しなきゃ、と迷路を進む。
行き止まりにアレックスを連れ込んで、ガサッと角の植込みの隙間部分を通り抜けること二回。
程よく王子一行に追い付いて、歓談の輪に混じる。
テリー君と王子はこの後領内観光するらしく、お開きになったので、兄姉と私は日常生活に戻る事にした。
明日、領内の湖で一緒に遊ぶ約束をして、王子とテリー君が仲良く駆けていく。
振りっ返ったらラッセルとロッドが荷物を持って立っていた。
はっえーよ。おまえらはっえーーよ!
え?今日の予定キャンセルしたんじゃなかった??え??お開きになりそうだったから??
抜き打ちで工場を見に行くの??
今から!??
まぁ、進める所まで進めた方が良いよ。うん。
流石!うちの執事は有能だね!うがっ!おい!!令嬢を放るな!わぎゃ!何コレ!?
え、日焼け予防…?
ちょっ、まさかオマエラ昨日の事……!んおおおおおお!
ブラインド乗馬めっちゃ怖い!!チビるーーー!!
昨日の恨み、とばかりに布袋を頭から被せられ、私は、着々と商品を生産出荷しているだろう工場へと視察に向かった。
途中、
馬車の窓から景色を眺めていたテリー君、王子、黒騎士、アレックスの全員が呆気にとられる中、ラッセルとロッドが敬礼しながら爆速で追い抜いていった事を、私は知る由もなかった。
誘拐かと思った、
と偶々様子見に来ていた商会主に言われながら到着し、早速、商品の出来具合をチェックする。
ランダムで開封してみて問題無さそうだったので出荷してもらう。
最初は領内の販売で様子を見る予定だったが、商会主の知り合い連の試飲で大分反応が良かったらしく、大手の商会から取り扱いの申し出があり、3ヶ国同時発売とかデカい話になってしまったので、今後の工場増設なんかの判断は全部商会主に任せることにした。
よっしゃ!もうこの件は終わったどー!
えっ!?次??次は仕立て屋町に行くの??
ハヒーー!
こうして1日駆けずり回って帰宅すれば、私が注文した体でどっかの仕立て屋から部屋着が届いていた。
ちょっと堅めの変わった生地で作られた長袖のツナギだった。
ん?あ、フードに猫耳…、しっぽ付や!
ぱこぱこしてるから、そこそこ厚手生地でも暑くはなかった。
なるほどー。
ノックされたらスポッと着れる様に考えられてるんだー。
取り敢えず後で着ようとクリンナップかけてベッドの上に置く。
自分にもクリンナップをかけて食堂で家族と夕食を摂る。
食後、入浴して、アレックスに寝巻きの礼のメールを送る。
あくび一つして前を向いたらもう返事が来ていた。
なんでも、いつもの薄着を突然辞めても納得されそうな部屋着を考えた結果、このキグルミ風パジャマになったらしい。
王都の平民街で人気のキグルミ風パジャマの店で一着銀貨3枚らしい。
店は平民街の大通りを暫く行ったカヌレ通りからスフレ通りに入った先を南に……?
あ、これあれか。
ワンコ共に聞かれたら私が買いましたって顔して言えるようにって情報書いてくれてるんだ。
ありがとうアレックス!
よし!覚えた!平民街!よし!!
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