本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why？

地味すぎる転生悪役令嬢爆誕

52: 地味令嬢は見た！ヤンキーも見た！

念の為、髪用リボンと色眼鏡をアレックスにマジックボックスにいれて貰い、フード付きローブを被ってバルコニーに出る。

アレックスが何かに気付き、そーーっと下を見ろと合図するので見ると、2階の角部屋バルコニーにツンツン赤毛が降り立ち、薄ピンクのふわふわ髪がそれを迎えてるらしき様子が見れた。

つっても同じ角部屋で、間に2つもバルコニーが突き出てるので、髪の毛とか腕の先っちょとかしか見えなかったけど。

あのツンツン赤毛は騎士団長子息のスチュアート・スピネル侯爵子息だねー。

今からヒロインさんが赤毛ワンコにガッツかれるのかと思うと何だかニマニマしてしまう。

はー♡えちえちだゎ♡

所で、ヒロインさんて名前なんだっけかな。

「あのピンク、最近噂のヒロイン・ローズクォーツ男爵令嬢だよな。ハッ…スチュアートも良くやるよ…。」

御説明有難う御座います。
って！ヒロイン！？名前がヒロイン！？スッゲーー！

「あら、お知り合いなんですね……。」

「俺を誰だと思ってる。南の公爵家三男だぞ？王家も要職家も大体従兄弟か再従兄弟だ。」

へーへー。「四大公爵家が一つ、オブシディアン家のアレクサンドロご令息で御座いますもんね。」

「４つの公爵家の中でも多大な財力と武力を誇り、三男と云えど個人資産も豊富。
認識阻害も気配遮断も掛けずに女子寮に乗り込むよーな何処ぞの侯爵家嫡男とは違う。」

ワーォ。どうしたの？
ワンコに対抗してワンコになってますよ？？

褒めて褒めてと言わんばっかりにニコニコ言うアレックスに、ちゅっとご褒美のキスをすると、ガバッと被さって長めのキスをされる。

バルコニーに両腕を付き、中に私を閉じ込めて、嬉しそうに何度も舌を絡めてくるので、こっちも甘い気分になって、バルコニーを支えに舌を絡み返す。

ああ、さっきチョコ食べといて良かった……。

休日の予定はズレ易いものだけど、今日はブランチ食べれるのかな。

「あっあぁーーん♡」

そんな私達の甘い雰囲気を、微かに、しかししっかりと聞こえた嬌声がぶち破った。



エエエエエエエエエェェェェーーーー！！！？？

ホエエエエーー？？はぁーーー？？



「……はぁ？……なに考えてんだ、アイツ！」

アレックスを振り返ると、こっちも超超信じられないって顔してる。

真っ赤になった私達は、慌てて学園外へと急いだ。走った！
走らずには居られなかった！

もぉーー！



取り敢えず、門を出て少し落ち着いた私達は、食事処がそこそこ集まっているという区域を目指した。

道中、アレックスは、
自分が如何にいつも認識阻害や気配遮断、遮音・防音・防震結界、気配探知等を駆使してコトを及んでいるか。
又、それらは常に身に付けている装身具型の魔道具や増幅魔石などで完璧にサポートされており、例え意識を失おうとも設定した時間は確実に効果を保証出来る事をとても熱心に語ってくれた。

ちょっとホッとした。

てか、あんなに聞こえるんだ！

じゃぁ、あーんなことやこーんなことをヤってるシーンって、上の階の人にも聞こえてたりするの？？
窓開けてたら私にも聞こえるの？

そりゃ、ヒロインイビられるよー。

自分の婚約者が部屋に入ってったと思ったらアンアン聞こえてくるとか。
あのえちえち満載ゲームの量えちえちしてたら絶対一回はあった筈。

原作でそんなん一言もなかったけど、きっと、令嬢だから恥ずかしくて口にも出せなかったんだ。

全部ひっくるめて、この泥棒猫！が精一杯だったんだな。令嬢可愛い。あ、私だった。

なんて考えているうちに目的地に着き、そぞろ歩く。