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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕
41: 地味令嬢の潜める日常、不在ヤンキーの愛情。
しおりを挟むすぐに暴走する脳ミソを叱咤し、何とか授業を乗り越え、昼休み。
空き教室に行くと、アレックスは不在で、コーヒーテーブルの上にポーンと無造作にブローチと置き手紙があった。
に、二億円のブローチがポーーン!されてるぅ!!
正直心臓に悪いからやめてほしい。
……何々?
急用の為、一緒に昼食を摂れなくなってしまった。
残念だが、部屋は好きに使ってくれて良いので、
寛いでね。
お昼はパスタにしてみたよ、無難なのを幾つか選んだから好きなのを食べてね!
じゃぁ、午後の授業も頑張って☆
また、放課後会おうね!
アレックスより♡
追伸、
マジックボックスの使い方は判るよね?
一応書いとくよ!
お部屋の何処其処にアレコレが置いてあるからね♪
とな。
ヤンキーの癖に文体が優雅過ぎたので途中から意訳だが、大体そんな感じのお手紙だった。
取り敢えず、お昼を出そう!
マジックボックスの中は、パソコンのフォルダみたいにフォルダ分けが出来るらしく、鍵の掛かったフォルダが幾つか並んでいた。
デスクトップにそのまま貼り付けたみたいにお昼が並んでる。
アラビアータ、カルボナーラ、ジェノベーゼ、
ファミレスのメニューみたいにズラリと並んでるんですけど??
あ、紅茶とエスプレッソが入ってる!
アレックスが淹れてくれたヤツ?
何だかキュンキュンしちゃう!
ぼっふん!
と寝椅子に寝転ぶと、私は鼻唄混じりにゆーっくりメニューを選んだ。
結局、ジェノベーゼとアラビアータを食べ、チーズの盛り合わせとエスプレッソを楽しんだ。
アレックスがやってた通りにクリンナップした皿を収納し、コーヒーテーブルにブローチを置いて、ノートの切れっ端に御馳走でした♡と書いて添えておいた。
午後の授業、必修の魔法理論とやらをそこそこ頑張って受けて今日の授業は終了。
ここからが今日一番の勝負所。
実はこの授業、2クラスある一年生クラス合同の授業なのだ。
つまり、お隣のクラスのサンストーン令嬢とヒロインちゃんと一緒に授業を受けないといけないのだ!
ヒィィ…。
といっても授業中は特に目立つことをしなければ大丈夫。
問題なのは終了後。
第2王子が迎えに来るのだ!!
一体全体、何でそーなってんのかは知らないが1ヶ月前から迎えに来てて。
毎回、目の前で仲良くフェイドアウトされるサンストーンが、苛ついて辺り構わず当たり散らしてる。
正直、此処で強制力とか働いて実行犯なんかに仕立て上げられたら堪らない。
私は、細心の注意を払って、同じような控えめ女子にさりげなく話し掛けながら教室を出た。
他の子らはみんな刺繍の授業だそうだ。
奥から二番目の階段近くで、ご機嫌よう。と離れて一人、空き教室を目指す。
空き教室に入ると、さっき出た時と同じで、アレックスはまだ戻っていないようだった。
いつの間にか、空き教室が大事な避難場所になっていて笑ってしまう。
ふぅ、と深呼吸ひとつ。
楽にしろってお手紙に甘えて、荷物を置いて型苦しい制服を脱ぐ。
ブローチから、お茶とマカロンを出して、下着姿で寛ぎながらさっき出された課題をする。
半分進めた辺りで眠くなってきたので、そのまま少し目を閉じて横になった。
飲みかけ紅茶と食べ掛けマカロン、やりかけ課題に下着姿と、令嬢にあるまじき姿だが、アレックスならきっと見逃してくれるだろうから……。
意識を手放す寸前、
うっかり握ったままだった万年筆がコトン…コロコロ…と手から落ちて何処かへ転がる音がした。
あっちゃー。……ま、いーや。
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