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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕

40: 地味令嬢とヤンキーの朝活、ヒロインは攻略対象sと距離を詰める。

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翌朝、目覚ましがなり、いつもより40分も早く起こされたことに悪態をつく。

何で目覚ましズレたんだろう、と独り言ちる。

二度寝しようと思った所で、昨日アレックスと約束したコトを思い出し、ベッドから飛び出す。

取り敢えず、今日も今日とて特製ノンアルモヒートとミントとライムのサラダを頂いて目を覚ます。

洗顔をして、そろそろ少し気温が高くなってきたのでボディパウダーをふる。

昨日の雑貨屋、あのパウダー可愛かったな。
次はアレ買ってみようか…。

それにしても、昨日のドラゴン肉のせいか、 肌も体もめっちゃ調子良い!
池でも魔力が体内から溢れ出てきてたしなー。

なんて考えながらクローゼットに入る。

好きだった洋楽MVそのままの振付けで躍りながらクローゼットに入った自分に、自分で驚きつつ、時間がないので下着をさっさと選ぶ。

今日は、シャンパンゴールドとアクアマリンのストライプ柄サテンにアクアマリンとスカイブルーのフリルとリボンがタップリ付いたブラとショーツ、白のストラップレスガーターストッキングにした。

制服を着、髪をひっつめて眼鏡をかけ、鞄を持つ。

少し考えて、冷凍庫のチョコを一粒口に放り込んで部屋を出た。

カフェテリアが教室より近いせいで、約束の時間より五分近く早く着くが、アレックスはもう東屋に着いていた。


「……本当に起きてから10分で部屋を出るんだな……。」

半ば感心するように呟かれ、頬が染まる。

あの目覚ましはアレックスがセットしてくれていたらしい。いつの間に……。

手をひかれ、東屋の中央でお馴染みの長く甘ーいキスをする。

邪魔だと、眼鏡をそっとアレックスに取り上げられ、何だか少しスースーする。

「……おはよう、フェリシア。」

「……おはよう御座います、アレックス様」

近くを通る生徒達は、本当にこちらを認識しておらず、するすると通り過ぎる。

でも、何だか露出に目覚めちゃいそう。

いつもサンドは飽きるだろうから。
そう言ってアレックスはお洒落なジャーサラダとグリルチキンと細長いミートパイのプレートを2つ載せたテーブルを出してくれた。

マジビビる~。
流石、一億円。
マジックボックスマジぱねぇ。

あ、お茶はその場で淹れるスタイルなんですね?有り難う御座います。

「「頂きます。」」

東屋の角に二人で座り、膝と膝をくっ付けて、仲良く朝御飯。
チキンぱくぱくサラダモグモグしながら目の前に広がるトピアリーと植込みの花々を眺める。

初めてゆっくり眺める学園の緑は、どれも元気いっぱいに光を浴びて、初夏らしい瑞々しさに溢れていた。

小鳥は歌い、アレックスの金髪と笑顔が煌めき、ブレックファーストに飲むブレックファストティーが美味しい。これがアオハルってヤツか、と浸りかけていたら、生徒の波がさざ波のように揺れる。

視線を上げた先に、生徒達に大きく道を空けられた、長身の金髪銀髪赤髪緑髪青髪、少し離れて紫髪が見える。
そこに、淡い桃色髪が息を弾ませて駆けてくる。

「う"ごっ…!?っん"がぐっ!」

眼鏡!眼鏡!Where !Where 眼鏡!!

「殿下ー!先輩!皆さんおはよう御座いますー!」

「落ち着け!落ち着けフェリシア…!奴等からはこっちは見えない。大丈夫だ!大丈夫だから…ミートパイを外せ!
ミートパイを咥えたままだ。……眼鏡?眼鏡か??すまない。私が持ったままだ…。………ほら、眼鏡だ!フェリシア、ミートパイを離すんだ…!」

不意に現れた攻略対象s&ヒロインにパニックになり眼鏡を探す私に、アレックスが慌てて眼鏡を差し出す。

眼鏡を着用し、俯いて息を整える私の口から、
そっとアレックスがはみ出たミートパイを千切り取り、私を攻略対象達から隠すように抱き締めてくれる。

サンストーン令嬢が殿下殿下と甘い声で何某か話す声が少しずつ、離れていった。

アレックスのゆったり響く鼓動を聞き、少しずつ平静を取り戻していく。

ふと、ずっと頭を撫でてくれていた事に気付く。
顔を上げ、キスでもしそうな雰囲気で目が合い……

口の中にミートパイが居ることに気付いてモグモグする。

そういえば、かじりついた瞬間に攻略対象が出現したんだよね。

そんな私に、アレックスが笑ってキスをし、唇をぺろっと舐める。
私も笑って、私達は食事を再開した。

サラダを食べきり、ミートパイを全部食べた後、
もう一杯紅茶を飲んで、東屋を後にした。

大分人通りが少なくなった道を、認識阻害をかけアレックスと並んで歩く。

アレックスは教室のすぐ近くまで送ってくれ、
別れる前、廊下の柱の影で長く甘ーいキスをして、私は教室に入った。

授業中、

一緒に登校、制服、廊下、壁ドン、キス、二人だけの秘密、アオハル、といった単語と妄想で脳ミソが支配され、
板書を取るのも一苦労だった。




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