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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕
35: 地味令嬢は目覚め、ヤンキー執事は仕度する。
しおりを挟むフェリシア…。フェリシア。……起きて。
ほら、早く起きないと、ステーキの代わりに、俺がフェリシアを食べてしまうぞ……?
「んぅ……。ステー…キ?」
ちゅっちゅっとあちこちに降るキスの感触と、合間合間に耳元で囁かれる甘ーく不穏な、でも気になる言葉に意識が浮上する。
すかさず上体を起こされ、ほげーーっとしてる間に上掛けを剥がれ、キスを降らされながらシャツを着せられる。
誰だ、アレックスだ。
何処だ、……何処だ?
喉カラカラだ。
ぉみず……と呟けば、さっと冷えた水を口移される。
ん、おかわり。
もっと。
もっと!
もっと!!
まどろっこしくてボトル奪ったら思いっきり鼻を摘ままれた。
あ"ーー……沁みるぅ。
ゴッゴッゴッゴッ……。
「伯爵令嬢の飲み方じゃないだろ……。」
その一言で我に返る。何処?何時?何故?
取り敢えず、
「あ、アレックス様…。おはようございます。」
「おはよう、フェリシア。さ、スカート履くから腰浮かせて。」
執事モードだ……。
時間は分からないが空き教室だ。
そっか、お昼食べた後、お仕置きタイムに突入したんだっけ。そっから記憶がない。
てことは夜とかかな??朝じゃなきゃいいな。
お腹減った。
さっきステーキって言ってなかった??
靴を履かされ、促されるまま立って、きっちり制服を着付けられる。
と、アレックスが、骨まで蕩けてるんじゃないかという様な笑顔でこっちを見てくる。
吃驚してるとガラクタの中にあった鏡と目が合う。
結論から言うと、色眼鏡とひっつめなしの制服姿はとても可愛かった。
私も普段から部屋着と下着以外はひっつめ色眼鏡だったから、初めて見るが、これは来年が楽しみである。
というか、ボサボサにしてる髪が綺麗に波打っている。
寝てる間にブラッシングしてくれたのかな?
名残惜しいが髪を結おう、と思ったら慌ててアレックスに止められた。??
「認識変換で違う人に見せるから、そのままローブだけ着て行こう。」
「何処に行くんですか?今何時ですか?」
「今は五時半だよ。今から学園外の町を少しぶらついて、平民街の酒場にステーキを食べに行くんだ。
……そういう約束だったからな。」
「…約束…。誰とですか?」
「フェリシアとだよ。やっぱり覚えてないんだな。」
フフン、と何処か満足そうで、イタズラがまだバレてない時の様なニヤニヤ顔でこっちを見てくるアレックスに、思わず眉根を寄せてしまう。
あ、そう言えば、何か意識が朦朧としてた、みたいな事言われたよね?あの時??
「何ですか、それ。何かあったんですか??」
「ほら、行くぞ。学園内はフードを目深に被っててくれ。」
ニヤつくアレックスをガクガク揺さぶって問い詰めたい衝動に駆られるが、そんな事出来る立場でもないし、平民街には前から行ってみたかったので素直に従う。
楽しみだな、お腹減ったな♪
すっと、手を繋がれる。
するりと絡まる指に、心臓が小躍りする。
久しぶり&今生初の恋人繋ぎは何だか気恥ずかしくて、
温かくて、ふわふわする心地だった。
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