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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕

19: 地味令嬢の躊躇い、ヤンキーの用意周到。

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そして放課後。
渡り廊下を進み、いざ、と空き教室の扉に手を掛けたところで私は動けなくなってしまっていた。

朝の態度を思い出し、何だか甘い雰囲気に少し心が軽く此処まで来たものの……

「う!?」

不意に後ろに引っ張られたと思った瞬間、ぐるりと景色が周り、

バタン!チャッ…

一昨日も聞いた音が響く。

「偉いじゃないか。フェリシア 今日は扉の前まで来れたな♪」

見るからに上機嫌なアレックスが、口付けてくる。
私はそれを素直に受け入れ、甘く絡まる舌の合間に、いつ後ろに来たのかと問うた。

「昨日の失敗に学んで廊下で待ってたのさ。で、扉の前まで来て動けなくなったみたいだったから俺が入れてあげた訳。」

「全然気が付きませんでした……」

「俺の気配遮断と認識阻害は特級だろう?」

確かに凄かったけど、凄い自信だなぁ。と、

「ゎ!…ヮヮヮ!ゎぅゎぅ」

ひょいっとお姫様抱っこされて、超焦る!
何せ前世今生初の(幼少期除く)!憧れの!お姫様抱っこ!!

なんて興奮が、アレックスの進む先を見てスンッと褪める。

何か、マットレスがあるよ…?ベッド的なマットレスが。ねぇ。

一昨日色々繰り広げた寝椅子の向こう、一昨日にはなかったマットレスまで上機嫌にアレックスは歩き、ほいっ!と私を放り投げた。

  ぼふっ!!!

「ぅゎっ……ぷ! ちょっ! わ!」

ダブルサイズ?それとも体育的な授業で使うマットかなにか?が、二枚重ねになってるそれは、思ったより固く、投げ込まれた私は二回バウンドしつつ中央に転がった。

ビックリしつつも慌てて顔を上げた私が見たものは、
アイドルが脱いだー!って感じにバサーー!と勢いよくシャツを脱ぎ投げ捨てたアレックスだった。

ボタンを外し、勢いよくはだけたシャツから小麦色のムキムキがツヤツヤと飛び出す。
袖を抜くために俯き加減になった形の良い鼻と皺の寄った眉間。赤みがかった金髪が揺れ、筋肉隆々とした肩が、腕が、しなり、シャツが飛び、揺れる金髪の間からギラギラした肉食獣みたいなアメジストの瞳がこちらを射抜く。

その全部がスローモーションで目に飛び込んできて、私の脳内はトップアイドルのライブの如く黄色い歓声を轟かせた。
前世でライブやコンサートに無縁だったのだが、こんな気持ちにさせてくれるモノだったとは。ちょっと勿体無いことしたな……。 

と、呆気に取られている間に、アレックスは飛び込むように此方にやって来て、あっという間に私を押し倒し、ジャケットを脱がしてこれまた投げ捨て、胸のリボンをシャッ!!と音を立てるくらい素早く抜き、ブラウスの前をはだけた。

何かちょっと性急!今日性急!ブラウスのボタン外すのなんか手元見えなかったし!

ブラウスを剥ぎ取られたと思ったら、噛みつく様にキスをされ、私は下着姿で右手首と右足首をリボンで拘束されていた。

何を言っているのか判らないと思うけど、本当に、一瞬でスカートは宙を舞い、右手足結ばれてたのよ!
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