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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕

2: 転生悪役令嬢だコレ!

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転生令嬢として新たにスタートした私、フェリシア・ムンストーンだが、前世のことは自分や家族、甥っ子の名前などが何故か思い出せない。

が、それ以外は大体シャッキリハッキリ覚えていた。

特に34歳で死んだというわけでもなく、何というか、

あの二歳児後頭部衝突事件が前世の34歳の時に受けたものとそっくりだった為に、
魂がバグを起こして前世の記憶を読み込んだ。みたいな感じがするのだ。

まぁ、それで変わった事といえば、
魔法に早くから興味を示し学びたがった事と、前世の反面教師から、
少しだけ、勉強に真面目に取り組むようになった程度だった。

そう、ここは剣と魔法の世界。
中世ヨーロッパ風の衣装に身を包み、屋敷は石造りや煉瓦造り、屋敷の外には騎馬や騎竜に跨がった騎士や冒険者、牛や豚と共に飼われる大人しそうな魔獣等がいるファンタジーな世界なのだ!

それはもう、真剣に魔法の知識を貪るしかないだろう!!

前世の私は中二病を拗らせたまま大人になった類だったので、この転生は神に感謝しかない。





そう思っていた時期が私にもありました。


…………いやまぁ、
今でもそこそこ感謝してるけど。




転機が訪れたのは七歳のときだった。

家庭教師から歴史の授業をうけていたら、
ここはアメトリン王国で、皇太子の名前がトルマリン、第2王子の名前がパライヴァ、宰相家がトパーズ家、騎士団長はスピネル家ということが判ったのだ。
(他にもいっぱい習ったけど割愛)

あれー?あれれー??おっかしーなー?聞き覚えがあるぞー?

これあれだ、あのコミカライズとかしてたから読んだやつだ。
R18乙女ゲーの世界だ。

ピンクの髪のふわふわ流されヒロインが色々えっちっちしながら学園生活してくやつだよね。

コミカライズは王道の第2王子ルートだったから覚えてるけど、
たしかフェリシア・ムンストーン伯爵令嬢て第2王子の婚約者で最後、
王子の卒業式の後のパーティーで断罪されてお家ごと没落しちゃうんだよね??

あいたた、転生令嬢じゃなくて、転生悪役令嬢だ私!

そんな私の気も知らず、家庭教師のサリマン先生が、第2王子はお年がフェリシア様の2つ上なんですよ♪とか、
王太子様も第2王子様もとっても見目麗しい方だそうですよ♪
なんて夢みる女の子のよーな口調で話す。

どこか遠いところで喋ってる様に聞こえるその声を聞きながら、私はぐるぐると混乱する頭を振り絞って打開策を模索した。

大好きな家族の為にも、なんとしてでも破滅エンドを回避しなければ。
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