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18: このカップル、太っ腹につき。
しおりを挟む「本当だね♪僕らが仲良く寄り添ってるみたいだ♪よし、取り敢えずこれを2つ頂こう♡可愛い奥さんのお部屋と僕の執務室にも置きたいからね♪
そして、今日の記念に 百 個 ほ ど 街頭でこれを配って貰おうかな♡」
(可愛い♡♡僕らみたいな人形見て喜んでる奥さん可愛い♡♡あーー……今すぐ世界中の人に僕の奥さんの可愛さを延々演説したい!!けど、そんな暇有ったら奥さんとイチャイチャしたいから此処は我慢だ!僕と僕の可愛い奥さんみたいな人形の入ったスノードームで間接的番自慢♡で我慢だ…!)
職員の様子から、すぐ作れる事を察知したラートンが世界の中心で運命の番を自慢したい欲を少しでも満たそうとさらりと大量注文すれば、「ひゃ、百個!?」とすっ頓狂な声をあげた職員に代わり、煙の様に現れた支配人が揉み手で愛想を振りながら「お任せ下さい♪すぐにご用意致します♡♡」と快諾する。
腱鞘炎…!とかボーナス…!とか小声で喚く職員を、他の職員は見習いや丁稚達まで総動員して裏方に連れていき、総員、すぐに量産の体制に入った。
「僕の分のスノードームと、他の買った物は全部、バドワイザ商会に届けておいてね」
これはこのまま持って行くの、と嬉しそうにスノードームを抱えるイオンウーウァをニコニコ見つめながらラートンが言えば、ハイエナ獣人の支配人はヘッヘヘッヘと垂れ目を更に垂れさせて笑い、畏まりましたと頷いた。
(良いなぁ良いなぁ…!俺も番に出逢いたいなぁ!幸せそうだなぁ!!)
なんて心の中で叫びながら…。
「バドワイザ様!本日は誠にありがとうございましたっ!!」
「バドワイザ様!番様!此度はおめでとうございます♡お買い上げありがとうございました!」
「バドワイザ様!」「おめでとうございます!バドワイザ様!」
「爆買いザ様…じゃなくて、バドワイザ様!!又のお越しをお待ちしてます!!」「爆買いザ様!おめでとうございます!!」
「ありがとうございました♡爆買いザ様~♡」
こうして、あちこちの店で番フィーバーとイタチ系獣人筆頭家門の財力を見せつけたラートンと、何を見ても嬉しそうに喜ぶ天真爛漫なイオンウーウァは、店を出る度に起こる店員達の感謝の嵐とお祝いの言葉で行き交う人々の注目を浴び、二人の来訪はあっという間に城下街に広まった。
「ふぅ、僕の可愛い番さん♡少し疲れちゃったんじゃない?軽く足を揉んでおこうね♡♡」
ショッピング中、エスコートしたり肩や腰を抱く位しかイオンウーウァに触れられず、イオンウーウァ成分枯渇に陥ったラートンが、さもイオンウーウァを労る様な口振りで遊歩道脇のベンチにイオンウーウァを座らせ、靴を脱がせて足や足首を揉み始めた。
「ゎ…♡気持ち良いわ…ラー様、ありがとう♪」
跪いて己の膝の上に乗せたイオンウーウァの足を揉みながら、嬉しそうにはにかむイオンウーウァと蕩ける様な笑みで見つめ合うラートンに、通りすがりの令嬢令息、マダムに紳士達が囁きあった。
まぁ、甲斐甲斐しいこと…。フフ…バドワイザ小伯爵…人族の村で……
なんとまぁ……。ハハハ……でもお似合いに見えません?……フフフ……
……可愛……太……筋肉……
番フィーバーという言葉を、見かけた誰もが思い浮かべる様なラートンのその溺愛蕩けっぷりに、あっという間に城下街はラートンとイオンウーウァの話題でもちきりになった。
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