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14: 非モテ系Ωはこれを糧に一生喪男に耐えていく所存です。
しおりを挟むと、このキャバレー、テルカズヨシダの踊り子である虹の玉とオーロラがサッと俺を引っ張って後ろに下がらせ、ビアホップが俺を庇うように間に入ってツン!と顎をあげてジュリアを睨む。
「ちょっとぉ、ネオンしっかりしなさいよぉ!」「そーよ、怪しい男にフラフラ着いてかないのよ!」
ハッ!確かに!
こんな初対面の明らか遊び人に危うく惚れるところだったぜ…!
我に返った俺は二人に礼を言って、まだバクバクしてる胸を一撫でした。
「ありがとう、心臓が破裂するかと思った……。」
「おいおい、ネオン。お前どんだけ可愛がられてんのww
何だよこの、可愛い子猫だなって抱き上げたら、そこは虎穴の最奥で子猫じゃなくて子虎でした、みたいな展開ww」
いつの間にかうたた寝から目覚めてる常連のおっさん達や、いつの間にか腕捲りして丸太みたいな腕を晒してるマスター達に睨まれ、可笑しそうにジュリアが言う。
俺はその言葉にまたまたキュゥゥン♡としてしまう。
「えっ!?あれって俺の事、子猫ちゃんって言ってない??マジ??キュゥゥン♡」
「ダメだ、陥落寸前。」「可哀想な位チョロいヤツ…!」
下がれと威圧するビアホップの影で虹の玉とオーロラにヒソヒソと訊けば、やれやれと白い目で見下ろされてしまった。
「いやいや、こんな扱い生まれて初めてだからちょっと感動しちゃっただけだし。ぁぁ、何かめっちゃ嬉しー。も、これを糧に俺は一生喪男に耐えていくよ…♡」
「やめろやめろ。」「可哀想な位可哀想なヤツ…!」
なんてヒソヒソしてる俺達をじろりと睨んでから、マスターがジュリアに会計札を見せる。
「ハイ、これお会計。うちはそろそろ閉店だから、もー帰ってくれる?」
嘘だ。この店は明け方までやってるから後2時間近くは開けてる。
だが、妙にムキムキポーズで言い切るマスターにジュリアは仕方ないな、と金をカウンターに置く。
「まずはアンタらに好かれなきゃ、ソコの彼には近付けなさそうだからな…。今日は大人しく帰るよ♪」
えーー??なんかもう、いちいち俺の心臓に攻撃してくるんすけど!?
「じゃぁ、お休み、ネオン♪」
「ぉ、お休み~♪ジュリア。…へへへ…」
ニッコリ笑って手を振るジュリアに、思わず俺もヘラヘラと手を振り返せば、パタンとドアがしまった後、俺は全方位からお説教を喰らったのだった。
うるせー!お前ら!17年一度も水貰えないでカラカラの枯木みたいに干上がったサボテンが初めて水貰ったの想像してみろよ!それはもー無我夢中で吸っちまうに決まってんだろ!!歓喜に打ち震えるに決まってんだろー!!
友情や親愛だけじゃダメなんですぅー!色恋もなきゃ枯れちゃうんですぅーー!ぁあっ!?痛い痛い痛い!ますたぁー!頭蓋骨がへしゃげるぅぅぅ!
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