我輩はタルトタタン！探偵だ！

2: 猫である！

ふん、こーの怒りんぼの雌猫め！！誰がカウチキャットだー！


静かになった会話サークルの中で、俺とマイコーは毛繕いをしてお互いの気高さを取り戻した。

ふぅぅ……。

(ふぁ……。タルトタタン、僕ちょっとご飯食べに行くねー。BYE☆)

マイコーがそう言ってヒラリとお気に入りのソファの背もたれの上から降り、キッチンに向かい、会話サークルから出ていった。

俺も会話サークルから出て、狭いプレハブ平屋のキッチンに向かう。

そこには、俺の専属侍従飼い主が置いてくれた餌がある。
カリリコリリと食べて、皿をピカピカにして、俺は又日向ぼっこしながら毛繕いをした。

専属侍従飼い主早く帰ってこい。本枯れの鰹節削って欲しい。たーっぷりと♡
あ、でも、今日は普通の花かつおのビビットな味わいも捨てがたいかな……。
煮干しは好きだけど、あんまり貰えないんだよねぇ……。
かつおのたたき…。いいねぇ。でも、今の季節は旬じゃない……って、家で出てくるのは冷凍だ。関係ないな……。

俺はおやつの事を考えながら麗らかな陽射しと午睡を楽しんだ。

我々は優雅でないといけないからね。
ニンゲンの様に時間に追われていてはいけないのだ。

食べて、寝て、communicateこみゅにけーとで情報交換やら噂話やらを楽しんで、食べて寝る。時々遊ぶ。

そうやって、まるで悠久の時を過ごしているかの様に生きるのが、猫って種族なのさ。

優雅すぎて感動した？ふふん、おでこを撫でさせてあげてもいーよ♪俺様、今、ご機嫌だからな♪




「たっだいまーなのだ！たるとーん？？」

ガチャっと勢い良くドアを開けて、俺の可愛い専属侍従飼い主月藤輝綺つきとうききが帰宅した。

「んな～～あ～～……きっきゃ♡
(おっかー！……と、ストレッチ大事よね。…キキ乙♡)」

とてとてとて、とお出迎えして玄関マットの上でグーーン……と伸びながらお帰りの挨拶をする。

「たるとん、ただいまーたるとんとんとんとんとんとん♪」

「みっミャっめっめっめっめっむっむっむっ………フムーーン♪むるるるーーぅん♪」

靴を脱ぐ輝綺の脛にすりころすりころとデコを擦り付ける俺に、輝綺が腰トントンの御奉仕をしてくれる♪ぁぁぁぁぁ……堪らん！そうそう、その力加減…♡良きかな良きかな…ぁー……ええ侍従を持ったな……。

腰トントンに続いて顎の下すりすりのご奉仕を受け、俺は盛大な喉を鳴らして可愛いキキを誉めてやった。