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テオ・ローウィック。
まだ家族仲良かった、4歳の頃に行き倒れていたテオを助けた事がきっかけだった。
当時7歳のテオが何故行き倒れていたのかは分からないし、テオもそれに関しては口を閉ざしていた。
それをきっかけとして遊ぶようになったとき知ったのは、剣を持たせてみれば、剣術に関しては大人顔負けという事だけだ。
それならと当時の私は王国騎士団へ推薦する事にした。テオも面白そうだと受けて、見事に受かった。
それが今では第一王子アーロンの護衛騎士にまでなっているのだが……それで婚約破棄も知ったのだろう。
「仕事は大丈夫なの?」
「そんな事はどうでも良い!」
そんな事って……言いそうになりながらも、ここまで人に心配してもらえたのは、いつぶりだろうか。
「リタ。何があった?」
テオの真剣な瞳に、私は口を開いて、そのまま言われた事を告げた。
シャラが精霊の愛し子だから。
所詮ただの政略結婚だから。
第一王子が立太子する為の婚約だったから。
私には何もないから。
「……ふざけるな……どういう事だ!?そのふざけた理由は!」
「もう、いいの」
真剣に怒ってくれるテオには申し訳ないが、。国を守っていく支えを失った私には、本当にもうどうでも良い。
ただ、この優しさが……少し心地いいと思えるのは、やはり人間として今を生きているんだなと思う。
「……アーロン殿下に怒鳴り込んでくる」
「やめて!」
そうなったらテオがどうなるか。
所詮ただの婚約破棄なのだ。
婚約者がターナーの姉から妹に代わっただけなのだ。
こんな事でテオの一生を棒に振るってしまうわけにはいかない。
「でも!」
「いいの!!」
私の声に驚いたテオは、一瞬怯んだ。
「……もういいの……」
「……そうか……」
本当にもう、何もかもどうでも良くなってきたの。
そんな言葉が心に浮かんだ時、頭に軽く重みがかかる。それがテオに撫でられている事だと理解するのには少し時間がかかった。
「……大丈夫だから、ちゃんと仕事してね?ちゃんと護衛騎士として」
「おう、我慢する」
顔を上げると、心配そうに微笑んでいるテオが目に入った。
そんなテオに感謝の気持ちを持ちつつも自分の職務を全うするよう伝えると、眉間に少し皺を寄せて、嫌そうに言いながら口を尖らせた。
……もう18になるというのに。
テオの幼さに思わず笑みがこぼれると、テオは少しだけ安心したように息を吐いた。
「冗談だって。またな」
「またね……」
婚約者が出来て、疎遠になっていたテオの、またという言葉が胸に広がる。
ほとんど会っていなかったのに……こうして来てくれるなんて……。
『女神様、良かったね』
精霊達の声を聞きながら、またも私は笑みをこぼした。
まだ家族仲良かった、4歳の頃に行き倒れていたテオを助けた事がきっかけだった。
当時7歳のテオが何故行き倒れていたのかは分からないし、テオもそれに関しては口を閉ざしていた。
それをきっかけとして遊ぶようになったとき知ったのは、剣を持たせてみれば、剣術に関しては大人顔負けという事だけだ。
それならと当時の私は王国騎士団へ推薦する事にした。テオも面白そうだと受けて、見事に受かった。
それが今では第一王子アーロンの護衛騎士にまでなっているのだが……それで婚約破棄も知ったのだろう。
「仕事は大丈夫なの?」
「そんな事はどうでも良い!」
そんな事って……言いそうになりながらも、ここまで人に心配してもらえたのは、いつぶりだろうか。
「リタ。何があった?」
テオの真剣な瞳に、私は口を開いて、そのまま言われた事を告げた。
シャラが精霊の愛し子だから。
所詮ただの政略結婚だから。
第一王子が立太子する為の婚約だったから。
私には何もないから。
「……ふざけるな……どういう事だ!?そのふざけた理由は!」
「もう、いいの」
真剣に怒ってくれるテオには申し訳ないが、。国を守っていく支えを失った私には、本当にもうどうでも良い。
ただ、この優しさが……少し心地いいと思えるのは、やはり人間として今を生きているんだなと思う。
「……アーロン殿下に怒鳴り込んでくる」
「やめて!」
そうなったらテオがどうなるか。
所詮ただの婚約破棄なのだ。
婚約者がターナーの姉から妹に代わっただけなのだ。
こんな事でテオの一生を棒に振るってしまうわけにはいかない。
「でも!」
「いいの!!」
私の声に驚いたテオは、一瞬怯んだ。
「……もういいの……」
「……そうか……」
本当にもう、何もかもどうでも良くなってきたの。
そんな言葉が心に浮かんだ時、頭に軽く重みがかかる。それがテオに撫でられている事だと理解するのには少し時間がかかった。
「……大丈夫だから、ちゃんと仕事してね?ちゃんと護衛騎士として」
「おう、我慢する」
顔を上げると、心配そうに微笑んでいるテオが目に入った。
そんなテオに感謝の気持ちを持ちつつも自分の職務を全うするよう伝えると、眉間に少し皺を寄せて、嫌そうに言いながら口を尖らせた。
……もう18になるというのに。
テオの幼さに思わず笑みがこぼれると、テオは少しだけ安心したように息を吐いた。
「冗談だって。またな」
「またね……」
婚約者が出来て、疎遠になっていたテオの、またという言葉が胸に広がる。
ほとんど会っていなかったのに……こうして来てくれるなんて……。
『女神様、良かったね』
精霊達の声を聞きながら、またも私は笑みをこぼした。
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