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107.完全にそれはアウトです

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「「…………」」
「え、何その目」

何とも言えない表情で、何から聞けば良いのか分からない私とカローラは、セドリックを疑惑に満ちた目で観察していたら、少したじろいだように半歩後ずさって言葉を返してきた。

「一体どういう事ですか?」

そんな私達と裏腹に、一歩前に出たポピーはセドリックにそう尋ねると、セドリックはチラリとアイビーに視線を向けた。視線を向けられたアイビーは涼しい顔をして何もないような顔をしているが……。

「いや、前に言ってた面白い事が、これなんだよね」
「婚約白紙という、良い方向に持っていく事も出来ましたね」

セドリックの言葉に続くようにシャルルもバルコニーへやってきた。

「ありがとうございます?」

とりあえず何が何やら混乱しているだろうカローラも、疑問符を浮かべながら感謝の言葉を口にした。いや、疑問符があるあたりどうなんだ!?流石にポピーも苦笑しているぞ!?
バルコニーの真ん中に私とカローラ、左にアイビーとポピー、右にセドリックとシャルルという形で陣取ると、カツカツカツカツと足早にヒールを鳴らす音がこちらに向かって近づいてくる。

「ちょっと!ヒロインが居るなんて聞いてない!!」

そんな罵声と共にバルコニーへやってきたのは、先ほど王太子に擦り寄っていた露出狂……もとい、どっかの子爵令嬢だ。

「ヒロインが居ないなんて言ってないよ~」

セドリックがそう声をかけると、バルコニーに私達以外の人が居る事に気がついたのか、一瞬驚いた顔をして慌てるも、グッと足に力を入れてその場から逃げないようにしているのが分かった。

「……記憶持ち……?」
「そのようですよ?」

思わず尋ねる言葉が私の口から出たが、それに返事をしたのはシャルルだった。
そのやり取りに、ハッとしたかのように子爵令嬢は私達を凝視した。

「え!?何?あんた達も転生者なの!?」
「その言葉遣いは……令嬢としてアウトなのでは?」
「むしろ人としてもアウト」

子爵令嬢の言葉に、カローラが呆然として返すが、そもそもそれ以前の問題だと言わんばかりに私も返す。だって初対面ですよ?親近感がもし沸いたとしてもどうなの?てか、私達に声をかけた一言もどうなのかと思う。

「前世一体何歳で何やってたんだ……」
「中学生よ!悪い!?」
「色んな意味でアウトーーーー!!」

私の呆れた言葉に対する返答を聞いたカローラが思わず叫ぶ。叫ぶと言っても、さすが侯爵令嬢。会場の方へ聞こえるような絶叫とは程遠く、普通の会話より少し大きい程度で抑えたのは、ずっと施されている教育のおかげだろう。というより……

「……中学生であのゲームをしたのか」
「中学生って?」

セドリックの問いに、前世での中学生という年齢を伝えると私達以外の全員が頭を抱えて項垂れたのは言うまでもないだろう。
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