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105.追放はないのですか?

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壊して躾て所有して依存させて……その先に待ち受けるは快楽的な人形のようなものだと想像出来るのだが……。それは前世の知識を持つ私達だけが知ってる事で……でも、この令嬢はある程度イベントをこなしていたんだよね?まさか……?
そう思いつつアイビーに視線を向けると、私の視線に気がついたのか不敵な笑みを見せる。え……本当怖いんだけど!?

「円満に婚約白紙……ですか?」
「あぁ、カローラに不満があったわけでもないし、アイビーが欲しいというのも変わらないが、俺はモナが良いんだ」

ゲームイベントと違う台詞に困惑したかのようにカローラが訪ねると、王太子はそう返した。その言葉に余計困惑したかのようなカローラだが……。

「アイビーは陛下のお気に入りでもありますしね」
「あぁ、だがこのような場で宣言してしまえば陛下も駄々をこねる事もないだろう」

私の言葉に王太子はそう返すが、駄々をこねているのは、むしろアンタだと前世大人の私が鉄拳を食らわせたくなる。……しないけど。だって言ってしまえば王太子と会いたくないと逃げまくっていたカローラだって似たようなものになるし、私もそうだ。理由は身の為だけどね!!健全で居たいからね!!

「まぁ……円満に婚約白紙出来るのであれば、こちらとしても嬉しい限りです」
「そうか!!」

王太子との婚約白紙に嬉しいとは……思わず本音を漏らしたカローラの言葉に周囲はザワついたが、王太子は円満な婚約白紙を了承してもらったという事しか頭にないのだろう。アイビーが敵に回らないのであれば、なんて呟いている辺り、どうよ?
そんな王太子にクロヴィス公爵は満足そうにしているし、ジルベールはアイビーと一緒に護衛出来ないのが若干不満そうだ。シャルルは楽しそうにしているし、セドリックは相変わらず笑いたいのを堪えているようだ。何このカオス。

「えーっと……追放とかは……?」
「あるわけないだろう?侯爵令嬢として、変わらず国の為に動いて欲しい。そのドレスも良いな、カローラが作ったのだろう?事業として行ったらどうだ」
「えっ……!?」

穏便な空気にカローラが不穏な言葉をつい口にするも、王太子は突っぱねた挙句に事業展開まで口にした。それに対して驚きの声をあげたのは子爵令嬢で……あれ?もしかしてこの子……?と、少し心に引っかかった。
しかし、そんな私の心とは裏腹に、シャルルが前に歩み出てカローラに言葉をかけた。

「そうですね。カローラ嬢の新たな発見ですね。お手伝いが必要であれば是非とも声をかけて下さい。リズ嬢のように大きな事業になりそうですね」

少しばかり言葉の裏に含みを持たせてるのが理解できるが、それも面白いかも?なんてカローラも考えているようだ。窮屈なドレスは嫌だし、と小声で本音が漏れ出ているのが聞こえて、思わず力強く頷いてしまう。
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