102 / 112
102.卒業パーティは
しおりを挟む
赤茶をメインにした私と、銀をメインにしたカローラのドレスは右肩だけあるワンショルダーで、首元から左手首にかけてレースが施されている。
Aラインのドレスはフロントの丈部分を短くしたフィッシュテールだ。ちなみにがっつりギャザーを寄せてもらった上に左右非対称の仕上がりとなっていて大満足!!
下手に飾りが多いわけでもないから軽く、ドレスの足さばきも楽で歩きやすい。……まぁ、思いっきり足さばきを見られるというデメリットはあるけれど、そんな事を気にするのは止めだ。
ドレスの前部分を膝で蹴り上げるように歩いて、裾を踏まないようにする方がずっと面倒だもん。
あまり肌を見せるのはよろしくないと言えど、今回は思い切って膝下くらいまで出してある。私が入場した時には会場がシーンと静まり返っていたて新しい商品?なんて声まで聞こえてきたが、カローラが入場した時に、それは大歓声となった。
動きやすそうだとか軽そうだとか。足を見せる事により靴元も飾ったからか、おしゃれの幅が広がるとか。年をとると裾裁きが大変だとか。うん、そうだよね。どれだけ蹴り上げるんだって話だよね。蹴り上げて、更に前へ裾が流れるように蹴飛ばさないといけないからね。…………平民ばんざーい。ドレスは見てるだけで十分だーい。
「リズ」
静かに始まる卒業パーティ。カローラはすぐに私の元へ歩み寄ってきた。二人が並ぶとお揃いのドレスが更に目立つのか、周囲の令嬢達は騒めき、感嘆の声を上げ、ジッとこちらを見つめている。
落ち着かない!!
「何か色々と変わってきたかのようで……?」
「修道院でも追放でも良いのだけど……婚約破棄は確実にしてほしいけれど……まぁ……」
カローラが少しどもりながら後半から声を落とした。どうした?と思いながらカローラを見つめると、アイビーが不適な怖い笑みを浮かべて口を開いた。
「一緒に逃げれば良いだけです」
「っ!!」
「あーはいはい」
だろうと思った。と思いながらもカローラは相変わらず顔を真っ赤にして反応している。
王太子妃になりたくなくて、前世の記憶から貴族に馴染み辛いと言うならば逃げる一択で良いとも思えるし、むしろ逃げられるのは羨ましいとさえ思う。
今夜のエンディングがどう転ぶかドキドキしながら、カローラへの嫉妬心が沸き上がる。私も逃げたい!!
「……リズは色んな意味で逃げられないわよね……事業とか事業とか事業とか」
「むしろ事業だよね。陛下に目をつけられてるもんね」
そんな事を話していると、会場が騒めいた後、大きな声が響いた。
「カローラ!!カローラ・ティダル侯爵令嬢!!!」
Aラインのドレスはフロントの丈部分を短くしたフィッシュテールだ。ちなみにがっつりギャザーを寄せてもらった上に左右非対称の仕上がりとなっていて大満足!!
下手に飾りが多いわけでもないから軽く、ドレスの足さばきも楽で歩きやすい。……まぁ、思いっきり足さばきを見られるというデメリットはあるけれど、そんな事を気にするのは止めだ。
ドレスの前部分を膝で蹴り上げるように歩いて、裾を踏まないようにする方がずっと面倒だもん。
あまり肌を見せるのはよろしくないと言えど、今回は思い切って膝下くらいまで出してある。私が入場した時には会場がシーンと静まり返っていたて新しい商品?なんて声まで聞こえてきたが、カローラが入場した時に、それは大歓声となった。
動きやすそうだとか軽そうだとか。足を見せる事により靴元も飾ったからか、おしゃれの幅が広がるとか。年をとると裾裁きが大変だとか。うん、そうだよね。どれだけ蹴り上げるんだって話だよね。蹴り上げて、更に前へ裾が流れるように蹴飛ばさないといけないからね。…………平民ばんざーい。ドレスは見てるだけで十分だーい。
「リズ」
静かに始まる卒業パーティ。カローラはすぐに私の元へ歩み寄ってきた。二人が並ぶとお揃いのドレスが更に目立つのか、周囲の令嬢達は騒めき、感嘆の声を上げ、ジッとこちらを見つめている。
落ち着かない!!
「何か色々と変わってきたかのようで……?」
「修道院でも追放でも良いのだけど……婚約破棄は確実にしてほしいけれど……まぁ……」
カローラが少しどもりながら後半から声を落とした。どうした?と思いながらカローラを見つめると、アイビーが不適な怖い笑みを浮かべて口を開いた。
「一緒に逃げれば良いだけです」
「っ!!」
「あーはいはい」
だろうと思った。と思いながらもカローラは相変わらず顔を真っ赤にして反応している。
王太子妃になりたくなくて、前世の記憶から貴族に馴染み辛いと言うならば逃げる一択で良いとも思えるし、むしろ逃げられるのは羨ましいとさえ思う。
今夜のエンディングがどう転ぶかドキドキしながら、カローラへの嫉妬心が沸き上がる。私も逃げたい!!
「……リズは色んな意味で逃げられないわよね……事業とか事業とか事業とか」
「むしろ事業だよね。陛下に目をつけられてるもんね」
そんな事を話していると、会場が騒めいた後、大きな声が響いた。
「カローラ!!カローラ・ティダル侯爵令嬢!!!」
12
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説

88回の前世で婚約破棄され続けて男性不信になった令嬢〜今世は絶対に婚約しないと誓ったが、なぜか周囲から溺愛されてしまう
冬月光輝
恋愛
ハウルメルク公爵家の令嬢、クリスティーナには88回分の人生の記憶がある。
前世の88回は全てが男に婚約破棄され、近しい人間に婚約者を掠め取られ、悲惨な最期を遂げていた。
彼女は88回の人生は全て自分磨きに費やしていた。美容から、勉学に運動、果てには剣術や魔術までを最高レベルにまで極めたりした。
それは全て無駄に終わり、クリスは悟った。
“男は必ず裏切る”それなら、いっそ絶対に婚約しないほうが幸せだと。
89回目の人生を婚約しないように努力した彼女は、前世の88回分の経験値が覚醒し、無駄にハイスペックになっていたおかげで、今更モテ期が到来して、周囲から溺愛されるのであった。しかし、男に懲りたクリスはただひたすら迷惑な顔をしていた。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる