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102.卒業パーティは

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赤茶をメインにした私と、銀をメインにしたカローラのドレスは右肩だけあるワンショルダーで、首元から左手首にかけてレースが施されている。
Aラインのドレスはフロントの丈部分を短くしたフィッシュテールだ。ちなみにがっつりギャザーを寄せてもらった上に左右非対称の仕上がりとなっていて大満足!!
下手に飾りが多いわけでもないから軽く、ドレスの足さばきも楽で歩きやすい。……まぁ、思いっきり足さばきを見られるというデメリットはあるけれど、そんな事を気にするのは止めだ。
ドレスの前部分を膝で蹴り上げるように歩いて、裾を踏まないようにする方がずっと面倒だもん。
あまり肌を見せるのはよろしくないと言えど、今回は思い切って膝下くらいまで出してある。私が入場した時には会場がシーンと静まり返っていたて新しい商品?なんて声まで聞こえてきたが、カローラが入場した時に、それは大歓声となった。
動きやすそうだとか軽そうだとか。足を見せる事により靴元も飾ったからか、おしゃれの幅が広がるとか。年をとると裾裁きが大変だとか。うん、そうだよね。どれだけ蹴り上げるんだって話だよね。蹴り上げて、更に前へ裾が流れるように蹴飛ばさないといけないからね。…………平民ばんざーい。ドレスは見てるだけで十分だーい。

「リズ」

静かに始まる卒業パーティ。カローラはすぐに私の元へ歩み寄ってきた。二人が並ぶとお揃いのドレスが更に目立つのか、周囲の令嬢達は騒めき、感嘆の声を上げ、ジッとこちらを見つめている。
落ち着かない!!

「何か色々と変わってきたかのようで……?」
「修道院でも追放でも良いのだけど……婚約破棄は確実にしてほしいけれど……まぁ……」

カローラが少しどもりながら後半から声を落とした。どうした?と思いながらカローラを見つめると、アイビーが不適な怖い笑みを浮かべて口を開いた。

「一緒に逃げれば良いだけです」
「っ!!」
「あーはいはい」

だろうと思った。と思いながらもカローラは相変わらず顔を真っ赤にして反応している。
王太子妃になりたくなくて、前世の記憶から貴族に馴染み辛いと言うならば逃げる一択で良いとも思えるし、むしろ逃げられるのは羨ましいとさえ思う。
今夜のエンディングがどう転ぶかドキドキしながら、カローラへの嫉妬心が沸き上がる。私も逃げたい!!

「……リズは色んな意味で逃げられないわよね……事業とか事業とか事業とか」
「むしろ事業だよね。陛下に目をつけられてるもんね」

そんな事を話していると、会場が騒めいた後、大きな声が響いた。

「カローラ!!カローラ・ティダル侯爵令嬢!!!」
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