98 / 112
98.疎遠って!
しおりを挟む
アイビーとカローラのいちゃつきをあまり見るのも腹立たしいので、最近は疎遠になっていたサロンに足を運ぶも、案の定そこには二人の世界を築いているアイビーとカローラがいるわけだが……否、カローラは今だに照れてパニックを起こしていたりもする。
前世喪女だって言ってたもんね……三次元初めてなんだよね……うん、そうなるよね、と初々しく思わず見てしまった。
「リズ!!!」
助けがきたと言わんばかりに私の名を呼ぶカローラだが、私が居たところで無意味だ。だから何だと私の存在を完全無視しているアイビーに離してもらえる筈もなく……わかりきっていた私は二人の正面にあるソファに腰掛けて、国王達の話をした。
曰く王太子達がどこかへ行っているという話なのだが。ついでに二人の事は国王も知ってますよ~と言うのも言っておく。
「……そういえば最近見ないわね」
アイビーの膝から必死に逃れようと前かがみになっているカローラから、そんな言葉が出た。うん、アイビーとの毎日にそれどころじゃなかったのかな?アイビーはアイビーで涼しい顔をしながらもしっかりとカローラの腰に手を回して逃すまいとしている。
「……ティダル侯爵は何と……?」
ポピーの問いかけは言外にアイビーとの関係も指しているのだろう。国王の耳にまで入っている程だ。それを理解しているのか、カローラは苦笑しつつ口を開いた。
「別に何も……幼い時から色々やらかしているから……殿下が認めているならと終わりよ」
「……醜聞は……?」
「危険な事があった為に護衛を兼ねてベッタリ付きっきりになっている。という噂がどこからともなく流れたみたいね」
私の問いに対するカローラの言葉で私とポピーは思わずアイビーを見たが、相変わらずの無表情を貫いていた。絶対何かやってそう!!情報操作やってそう!!
「リズ!カローラ嬢!!」
ノックもせずに扉が開いたかと思ったら、セドリックが問答無用で入ってきた。後ろでシャルルが溜息をついていた。うん、一応貴族にあるまじきマナー違反だと言う事は理解できるよ、私でも。
「ちょっと面白い事を見つけて!!」
そんな事はおかまいなしと言わんばかりにセドリックがこちらへ歩み寄ってくる後ろからシャルルもきちんとついてくる。
「面白い事?」
「うん!そう!!だからしばらく疎遠になると思うんだ!」
ニコニコと嬉しそうにセドリックが言うも、疎遠って……そんな言葉を使う?と、思わず眉を潜めてしまったが、それに気がついたシャルルが言葉を訂正する。
「今までのように頻繁に会う事が出来なくなるだけですよ。仕事の事もありますし、いつでも会いに来てもらって良いですから」
うん、それならば納得だと思い、皆が了承を告げるように頷いた。
前世喪女だって言ってたもんね……三次元初めてなんだよね……うん、そうなるよね、と初々しく思わず見てしまった。
「リズ!!!」
助けがきたと言わんばかりに私の名を呼ぶカローラだが、私が居たところで無意味だ。だから何だと私の存在を完全無視しているアイビーに離してもらえる筈もなく……わかりきっていた私は二人の正面にあるソファに腰掛けて、国王達の話をした。
曰く王太子達がどこかへ行っているという話なのだが。ついでに二人の事は国王も知ってますよ~と言うのも言っておく。
「……そういえば最近見ないわね」
アイビーの膝から必死に逃れようと前かがみになっているカローラから、そんな言葉が出た。うん、アイビーとの毎日にそれどころじゃなかったのかな?アイビーはアイビーで涼しい顔をしながらもしっかりとカローラの腰に手を回して逃すまいとしている。
「……ティダル侯爵は何と……?」
ポピーの問いかけは言外にアイビーとの関係も指しているのだろう。国王の耳にまで入っている程だ。それを理解しているのか、カローラは苦笑しつつ口を開いた。
「別に何も……幼い時から色々やらかしているから……殿下が認めているならと終わりよ」
「……醜聞は……?」
「危険な事があった為に護衛を兼ねてベッタリ付きっきりになっている。という噂がどこからともなく流れたみたいね」
私の問いに対するカローラの言葉で私とポピーは思わずアイビーを見たが、相変わらずの無表情を貫いていた。絶対何かやってそう!!情報操作やってそう!!
「リズ!カローラ嬢!!」
ノックもせずに扉が開いたかと思ったら、セドリックが問答無用で入ってきた。後ろでシャルルが溜息をついていた。うん、一応貴族にあるまじきマナー違反だと言う事は理解できるよ、私でも。
「ちょっと面白い事を見つけて!!」
そんな事はおかまいなしと言わんばかりにセドリックがこちらへ歩み寄ってくる後ろからシャルルもきちんとついてくる。
「面白い事?」
「うん!そう!!だからしばらく疎遠になると思うんだ!」
ニコニコと嬉しそうにセドリックが言うも、疎遠って……そんな言葉を使う?と、思わず眉を潜めてしまったが、それに気がついたシャルルが言葉を訂正する。
「今までのように頻繁に会う事が出来なくなるだけですよ。仕事の事もありますし、いつでも会いに来てもらって良いですから」
うん、それならば納得だと思い、皆が了承を告げるように頷いた。
13
お気に入りに追加
455
あなたにおすすめの小説
転生したら冷徹公爵様と子作りの真っ最中だった。
シェルビビ
恋愛
明晰夢が趣味の普通の会社員だったのに目を覚ましたらセックスの真っ最中だった。好みのイケメンが目の前にいて、男は自分の事を妻だと言っている。夢だと思い男女の触れ合いを楽しんだ。
いつまで経っても現実に戻る事が出来ず、アルフレッド・ウィンリスタ公爵の妻の妻エルヴィラに転生していたのだ。
監視するための首輪が着けられ、まるでペットのような扱いをされるエルヴィラ。転生前はお金持ちの奥さんになって悠々自適なニートライフを過ごしてたいと思っていたので、理想の生活を手に入れる事に成功する。
元のエルヴィラも喋らない事から黙っていても問題がなく、セックスと贅沢三昧な日々を過ごす。
しかし、エルヴィラの両親と再会し正直に話したところアルフレッドは激高してしまう。
「お前なんか好きにならない」と言われたが、前世から不憫な男キャラが大好きだったため絶対に惚れさせることを決意する。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。
※なろう、カクヨムにも掲載
執事が〇〇だなんて聞いてない!
一花八華
恋愛
テンプレ悪役令嬢であるセリーナは、乙女ゲームの舞台から穏便に退場する為、処女を散らそうと決意する。そのお相手に選んだのは能面執事のクラウスで……
ちょっとお馬鹿なお嬢様が、色気だだ漏れな狼執事や、ヤンデレなお義兄様に迫られあわあわするお話。
※ギャグとシリアスとホラーの混じったラブコメです。寸止め。生殺し。
完結感謝。後日続編投稿予定です。
※ちょっとえっちな表現を含みますので、苦手な方はお気をつけ下さい。
表紙は、綾切なお先生にいただきました!
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる