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77.アイビーが消えました
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侯爵令嬢あるまじき顔面に思わず顔が引きつってしまう……と言ってしまえば失礼になるのは分かっているんだけれど、表情を出さないという貴族令嬢なのに、ここまで顔を歪めて大粒の涙を流しまくっているのは……
かろうじて上級庶民かと思われる服装なのが幸いというか……うん、そんな格好で大泣きって、本当に何があったんだ!?
「カローラ様」
ポピーが慌てて駆け寄り、自分のジャケットをカローラの頭から被せた。あ!ずるい!なんて思う反面、いつもならばすぐにカローラへ寄り添うアイビーが居ない事に疑問を持って、その姿を探す為に周囲へ視線を投げるも姿を確認出来る事はない。
ポピーも同じように探したのか、少し首を傾げながらも、カローラを椅子に座らせると店員に追加で紅茶を注文した。
「……アイビーが……」
出された紅茶を一口飲んだら落ち着いたのか、カローラの嗚咽も少し小さくなった時、やっと口を開いた。
「……アイビーが、消えたの」
「は?」
「高速移動という意味ですか?」
カローラの言葉に、私は思わず素っ頓狂な声で聞き返し、ポピーに至っては真面目に聞き返した。
確かにアイビーならそういう意味で消えそうだ。普通の人間であれば消えるなんて芸当は無理だけれど。
「違うの!そういう意味じゃなくて!……いなくなったの!!」
「「???」」
今度こそ言葉として理解出来るのだが、意味として理解できなくてポピーと二人顔を合わせるも、脳内が疑問符で埋め尽くされてしまう。
アイビーが居なくなった?
……居なくなった??
「トイレ?」
「隠密活動?」
「行方不明よ!!この置き手紙を残して!!」
私とポピーが的外れな事を言いすぎたのか、カローラが机の上に一通の手紙を叩き置いた。
バンッと大きな音が響き、机の上にあったカップがカチャンと音を立てるのを聞きながらも乱暴だなーとだけ思っただけだったのだが……ポピーはその手紙を開けて読み進めるにつれて目を見開かせた。
「アイビーを探してたらリズを見かけて……急いで追いかけてきたの……どうしよう!?」
カローラが縋るような目で私を見るが、私はポピーから回された置き手紙にまず視線を向ける。
何がどうなっているのか、まず理解しないと何とも言いようがないからなのだが……
『俺が居る事でカローラの迷惑になるなら、それは本意じゃない。だからカローラの前から消える。望む未来を掴み取ってくれ』
アイビーらしいと言えば、らしいのかもしれない。
私は私で開いた口が塞がらない。
「リズ!どうしよう!?」
「あ……うん」
そういえば今までカローラの解決策は九割以上アイビーが提案してたなぁと思ったのと、これ原因は確実に王太子の発言だよね……。
かろうじて上級庶民かと思われる服装なのが幸いというか……うん、そんな格好で大泣きって、本当に何があったんだ!?
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ポピーも同じように探したのか、少し首を傾げながらも、カローラを椅子に座らせると店員に追加で紅茶を注文した。
「……アイビーが……」
出された紅茶を一口飲んだら落ち着いたのか、カローラの嗚咽も少し小さくなった時、やっと口を開いた。
「……アイビーが、消えたの」
「は?」
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確かにアイビーならそういう意味で消えそうだ。普通の人間であれば消えるなんて芸当は無理だけれど。
「違うの!そういう意味じゃなくて!……いなくなったの!!」
「「???」」
今度こそ言葉として理解出来るのだが、意味として理解できなくてポピーと二人顔を合わせるも、脳内が疑問符で埋め尽くされてしまう。
アイビーが居なくなった?
……居なくなった??
「トイレ?」
「隠密活動?」
「行方不明よ!!この置き手紙を残して!!」
私とポピーが的外れな事を言いすぎたのか、カローラが机の上に一通の手紙を叩き置いた。
バンッと大きな音が響き、机の上にあったカップがカチャンと音を立てるのを聞きながらも乱暴だなーとだけ思っただけだったのだが……ポピーはその手紙を開けて読み進めるにつれて目を見開かせた。
「アイビーを探してたらリズを見かけて……急いで追いかけてきたの……どうしよう!?」
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何がどうなっているのか、まず理解しないと何とも言いようがないからなのだが……
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アイビーらしいと言えば、らしいのかもしれない。
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「リズ!どうしよう!?」
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