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64.国の発展も大事です

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「では目指すのはカローラ嬢の婚約破棄と、リズ嬢の自由ですね」

頷きながらシャルルは更に目の奥を光らせながら言う。

「非現実的で面白い。その通りの未来になるのかどうかも知りたい所ですね。ほかの方々も歪んだ性癖をお持ちで……しかし、公爵に至っては実際そんな事が起こった場合は法に則った対処が必要になりますね」

前世やゲームの事だけでなく、公爵の弱点をも面白かったようで、シャルルは口角を上げて少し笑っている。うん、そんな事になったら本当に危険だからね。リョナなんて空想の世界だけでお願いしたい。現実に起こってたまるか!って話だわ。

「こちらから知識の教示を条件に出しましたが、他も提案して良いでしょうか?」
「……どうぞ」

もう怖くはない気がするけれど、少し躊躇いながらも返すと、苦笑しながらシャルルは口を開いた。
まず、将来の選択肢を広げるという意味で前世の知識を活用する事。つまり現状スイーツ作り等をしているけれど、それをどんどん行う事に対し、既にカローラやセドリックも手助けしている中で、シャルルも手助けしてくれるらしい。それが国の発展に繋がるからと。
他にもセドリックに作ってもらおうとしていたコピー機を含め、今まで作ってもらった道具等も国の事業として取り入れられないかという事、そしてどんどんそういう魔道具を作っていく事。

「ここはカローラ嬢やセドリックにも相談しなければいけないので、二人にお話するかどうか任せますが、僕としては宰相補佐という立場上、国を発展させていきたいのです」

まるでギブ・アンド・テイクでしょ?と言わんばかりに微笑んでいる。まぁ、確かに。こちらの希望や望む未来ばかりではなく、シャルルの国として……というのも理解できないわけではない、というか王太子がどエスな以上、この国で生活していくならば、それなりに他国と渡り合えるような特産的なものも必要となっていくだろう。

「あ、ならば特許というものはどうでしょう?」
「それは?」

真似できず、独占的に販売出来る権利。
それに関して、見ただけで複製してしまうような物は無理だと思うし、働く人に教えたとしても、その人が外へ情報を流してしまえば結局意味がない事だけど……そこはシャルルに考えてもらうとして、私はそれを教えた。
チョコに関しては、ほとんどセドリックの発明あってことになっている。一見しただけでは真似出来ないし、情報が流出した所で量産するのは難しいのだ。
だからこそ、あとは魔道具作りにかかってくるわけなのだが……。

「……セドリックの作る物が、他の人に真似できるかどうか……」

実力で上り詰めたとは言うが、そこまでの実力だとは……。というか、継続的に特産とする事は……出来るのだろうか
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